対北朝鮮、米中が連携確認 初の戦略・経済対話閉幕
(2009年7月29日 朝日新聞)
【ワシントン=村山祐介、尾形聡彦】米国と中国が経済や安全保障の懸案を閣僚級で話し合う初の米中戦略・経済対話(SED)は28日、当地で共同文書を採択し閉幕した。北朝鮮の核開発問題では、米主導の事態打開に中国が支持を表明。経済面では、世界的な経済危機の背景になった不均衡問題の是正で協力することで一致した。オバマ大統領の年内訪中でも合意し、今後も対話を深めていく姿勢だ。
米中は06年から経済分野で始めた対話を、今回初めて安保分野にも拡大。対象も2国間に限らず、地域や国際問題にまで広げ、2大国で全世界的な懸案を協議する場へ事実上昇格させた。
安保分野で最大の懸案だった北朝鮮問題では、共同文書で、6者協議や国連安全保障理事会による対北制裁決議の履行の重要性を再確認。中国の王光亜外務次官は閉幕後の会見で、「米国の北朝鮮との対話の意欲を歓迎する」と述べた。
さらに米国が、北朝鮮による核放棄の確約などを前提に、米朝国交正常化や経済支援などを供与する方向で検討中の包括提案についても、「北朝鮮の安全保障上の懸念に答えるものなら、北朝鮮には魅力的に映るはずだ」と述べ、積極的に後押しする姿勢を示した。
一方、中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の騒乱では、クリントン国務長官が人権問題の観点から懸念を示したものの、中国側は「テロリストの仕業」とするなど溝も残った。
経済問題では、世界的な経済危機の背景とされる「国際的な経常収支の不均衡(グローバル・インバランス)」問題を改善するための措置を講じていくことで合意した。
今回の危機以前の世界経済は、米国民の過剰消費を頼りに、中国や日本などが輸出を拡大させる構図だった。金融危機を契機に米消費が急激に落ち込むと、輸出国も景気が減速、世界全体が深刻な景気後退に陥った経緯がある。
こうした問題を是正するため、米国は家計に貯蓄を増やすよう促し、米国の経常収支赤字を圧縮する。中国は、国内需要の刺激策などを通じて内需拡大に努力する。
日本が、ブッシュアメリカの言いなりになって、対米依存外交に終止している間に、いつの間にあたかもアメリカと中国の「G2時代」の到来を思わせる事態が進行していることが以前から指摘されていました。
今回開かれた、米中戦略・経済対話(SED)は、まさにこれからの米中関係のみならず世界の政治経済に大きな影響を及ぼすであろう米中の共同政策つくりが始まろうとしている様に思われます。
世界金融危機を乗り切るために、両国の経済政策の重点を互いに確認したことは、ドルと元の一体化がこれからさらに進行して行くことを予想させます。
また、北朝鮮の重要な後ろ盾である中国が、米朝の直接対話を歓迎したことは、今後、6ヶ国協議を抜きに、北朝鮮の核問題が取り扱われる可能性が大きくなると判断出来るかもしれません。
日本が対米従属的な「日米安保体制」のみに固執して、有効な外交政策にを打てないでいる間に、アメリカは、日本の頭越し(日本外し)に中国や北朝鮮と直接交渉を進めようとしているのです。
もしかしたら、これからのアメリカ経済の復興にとって、日本よりも中国との関係強化へ軸足を移し出していることは疑いがありません。
こうして進みつつある「米中時代」?において、日本のとるべき経済・外交進路を問われるのも今度の総選挙ではないでしょうか。
これまでのアメリカ依存の外交政策からアジア、特に東アジア(中国・南北朝鮮)の平和構築を念頭に置いた日本の自主的外交の展開がその第一歩です。
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介護認定基準、半年で再修正へ 軽く判定される傾向受け
(2009年7月29日 朝日新聞)
介護保険サービスをどれだけ受けられるかを決める「要介護認定」の基準が、大幅に修正されることになった。基準は4月に改定されたばかりだが、必要なサービスを受けられない人が増え、厚生労働省は見直すことを決めた。修正により、4月の改定で抑えられたサービス利用が以前のレベルまで戻る見通しだ。10月からの実施を目指す。
4月改定の影響を調べるため、厚労省が全国1489自治体の4月、5月の要介護認定の状況について調査。新基準で認定を受けた約28万人のうち、介護の必要なしとして「非該当」と認定され、介護サービスを受けられない人の割合は2.4%で、前年同期(0.9%)の2倍以上だ。 非該当と、軽度(要支援1.2、要介護1)と認定された人を合わせた割合は全体の53.6%と、前年同期より4.1ポイント増えた。中・重度(要介護2~5)の人が、基準改定後は軽く判定される傾向がうかがえる。
修正案は、調査項目の74項目のうち43項目を修正する。例えば、座った状態をどれだけ保てるかで身体状態をチェックするが、旧基準は「10分程度」だったが、新基準は「1分程度」に短縮。修正案では「10分程度」に戻す。
要介護度が軽くなると、受けられるサービスが減る。例えば、要介護3が2になると30分以上1時間未満の訪問介護の利用が、半分程度に減る計算だ。
修正案でシミュレーションしたところ、ほぼ4月改定前の状況に戻ったという。 「軽く判定される」という批判を受け、4月の基準改定後、以前からの利用者に対しては、従来の要介護度にできる経過措置が取られた。しかし、新規に要介護認定を受ける人はその対象外。10月以降の更新時期まで、利用できるサービスは現在のままだ。
旧基準は、利用者の身体状況を調べる担当者の主観に左右されやすいと指摘されたことから、厚労省は改定を検討。改定前に、内容を自治体に示したところ、「軽く判定され、介護サービスを使えなくなる人が出る」と懸念の声があがった。ケアマネジャーらは改定延期を求めたが、4月改定を前提に自治体が担当者の研修や介護保険のシステム切り替えを進めていたため、予定通り実施された。
基準を再び見直すにあたって自治体は、改めて担当者の研修をしなければならない。半年たらずの間に基準が2度変わることになり、現場での混乱が予想される。
今回、厚労省から「新介護認定基準」の見直しが提起されてきました。
これまで、何度も指摘してきた「新認定基準」の様々な内容的矛盾や、決定過程の「官僚的強引さ」が一定考慮されたかのようです。
しかし、昨年度の急ぎに急いだ?「新認定基準モデル事業」や、三菱UFJなど民間にゆだねた説明行事の軽薄さについて、どこまで「反省」したいるのかに疑問が残ります。
今回、『指摘』された項目以外でも、矛盾する項目が数多くあります。
また、一次判定における「介護内容を時間に置き換える」方式では、介護要求内容が適切に反映されていないことが少なくありません。
さらに、介護には密接な「地域的特性」を無視した「介護認定の均質化」も今回の介護現場での矛盾を深めたのかもしれません。
例えば、私の住む北国と、年中降雪とは無縁な地域とは、介護内容に違いがあって当然なのです。
それを無視してまさに「机上の空論」で「均一化」を推し進めている厚労省の罪は軽くはありません。
今回の「処置」が、総選挙を目前に控えて「介護保険制度」の矛盾を少しでも和らげ、風前の灯火になった自公政権の延命策ではないかと言えなくもありません。
このような全く不備であった「新介護認定制度」は、潔く撤回して、まず以前の「認定制度基準」に戻すことが第一です。
そして、現行のように、行政の指示で前もって「介護等級」を決定するのではなく、介護現場でケアマネージャーなど介護の専門家と利用者が必要な介護内容を決定して、それを保障するのが本来の介護保険制度の姿ではないでしょうか。
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