富裕層に追加増税、下院民主原案「無保険」解消財源に、米医療保険改革、共和党の反発
2009/07/15 日本経済新聞 夕刊
【ワシントン=大隅隆】米下院民主党は14日、高額所得者への追加増税を盛り込んだ医療保険改革法案の原案をまとめた。年収35万ドル(約3200万円)超の富裕層を対象に追加増税を実施。無保険者解消などに必要な財源を確保する。オバマ大統領は歓迎の意向を表明したが、共和党などの反発は根強く、年内成立をめざす同法案は修正含みの情勢だ。
法案は下院歳入委員会のランゲル委員長らが主導して策定した。オバマ大統領は「議会と連携していく」と賛意を示した。ペロシ下院議長(民主)は「8月の議会休会の前に採決する」意向だ。
今回の法案は、医療給付と負担の両面で改革を打ち出した。給付面では(1)民間保険と併存する公的保険を2013年に新設する(2)従業員の医療保険への加入を雇用主に義務付け、従わない場合には罰金を払うよう求める――などの措置を盛り込んだ。
米議会予算局(CBO)によると、医療保険改革のコストは向こう10年で約1兆ドル。支出の無駄削減だけでは財源が足りないため、法案では高所得者層への上乗せ課税案を新たに打ち出した。高所得者層を年収35万ドル超、50万ドル超、100万ドル超の3段階に区分し、収入が多い世帯ほど負担が重くなる仕組みだ。
オバマ政権は、ブッシュ前政権が導入した富裕層向けの減税を10年末で打ち切る方針。この結果、所得税の最高税率は現行の35%から39・6%に上昇する。今回の上乗せ課税が導入されれば高所得者層の負担は一段と重くなる見通しだ。
今後の法案協議のたたき台となる下院民主党案には反発も根強い。共和党のシェルビー上院議員は今回の法案が「景気後退のさなかに追加課税を実施する」と批判。民主党内でも財政規律を重視する議員グループで慎重論がくすぶっている。
(ワシントン)=AP
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米医療保険改革、税制改革に発展も、民主、富裕層への増税盛る。
(2009/07/16 日本経済新聞 朝刊 ページ:6)
【ワシントン=大隅隆】ほぼ半世紀ぶりとなる米国の医療保険制度改革は14日に下院民主党が法案を提出したことで、本格的な論議の口火を切った。「無保険者解消」を掲げる同改革だが、財政赤字膨張の懸念が台頭。増税を通じた所得再分配との連動も強まってきた。逃げ足の速い海外マネーに財政面で依存していることが政策形成に影響している。
民主党の執行部は法案説明の文書で「上乗せ課税の対象はわずか米国民の1・2%」と指摘。ペロシ下院議長は「支出をできるだけ削り歳入増(増税)をできるだけ減らす」と強調した。
ただ、改革コストのうち約半分を富裕層の増税などで賄う見通し。歳出削減が進まなければ増税を一段と強化する仕組みも盛り込んでいる。表看板は医療改革だが、税制改革に発展する可能性がある。
上乗せ課税が浮上してきたのは、改革に伴う財政赤字膨張が長期金利上昇やインフレを招くとの懸念が強まったためだ。民主党内でも財政規律を重視する議員グループが執行部に改革の財源を明確に示すよう要求。法案の成否のカギを握る。
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国民の97%カバー目指す=富裕層課税で財源に-米医療保険改革案
時事通信 2009/07/15
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2009071500147
【ワシントン14日時事】米下院民主党は14日、オバマ政権が最重要課題に掲げる医療保険制度改革法案を発表した。新たな公的医療保険の導入で、保険対象者を2019年までに国民の97%まで拡大。財源確保のため富裕層への課税を強化するのが柱。下院民主党は8月の議会休会前に本会議を通過、年内の改革案成立を目指す。しかし、共和党の強い反発が予想されるほか、上院での議論も流動的で情勢は不透明だ。
オバマ大統領は医療費の上昇抑制と、全米で約4600万人に上る無保険者の解消を政権の最優先課題に挙げる。同大統領はこの日、改革案を受け「米国民は最良かつ、適正価格の治療を受けることができるようになる」との声明を出した。
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オバマ大統領によるアメリカの医療制度改革が具体的に動き出しました。
4500万人の無保険者をも対象の公的医療保険の導入は、オバマ大統領の重要な公約のひとつでした。
その財源の確保について、富裕層への課税の強化をあげていますし、実際に国政の中で実施する予定です。
カジノ資本主義でめちゃくちゃにされたアメリカ社会を「中間層」の立ち直りを視野に入れての税制改革で立て直そうとしているのがよく分かります。
それに引き替え、日本では自公政権を中心に「医療社会保障費の財源==消費税増税」と言う単純な図式を提起する、極めて貧困な発想しか出てこないのが現状です。
消費税増税で、貧困層を負担をかけてさらに貧困状態に追い込む日本と、貧困層を救うために富裕層への課税を強化し貧困を救おうとするオバマアメリカ・・・・。
世界不況の発震地であるアメリカが、もしかしたら日本よりの早く不況から立ち直り、同時に社会保障の充実への道を歩むかもしれません。
さて、我が国では・・・単なる「政権交代」ではなく、「どんな政権への交代」なのか、8月30日に予定されている総選挙での国民の判断が鋭く問われることは必至です。
日本と国民の品格も問われています。
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