民間資金やノウハウを活用して公共施設を建設、運営する「PFI方式」を導入した高知医療センター(高知市)が経営難となり、運営委託先の特定目的会社(SPC)と運営主体の高知県・高知市病院企業団が、PFI契約の解消を前提に協議することが16日、分かった。
同日開かれた企業団議会臨時会で、山崎隆章(やまさき・たかあき)企業長が明らかにした。
山崎企業長によると、SPCと企業団は今春から、経営改善に向けた検討に着手。今月8日にSPCが「合意によるPFI事業契約の終了」を提案し、企業団もこれに応じた。今秋をめどに合意に向けた協議を進める。
病院は来年4月を目標に企業団の直営とし、これまでSPCに包括委託していた薬品の納入などについては、業者との個別契約に移行する。
医療センターは2005年、全国で初めてPFI方式を導入した病院として開院。直営方式と比べてコスト削減が見込まれていたが、医業収益に占める薬品などの調達コストが、当初の見込みより大幅に上回るなど赤字で推移。08年度には約7億6千万円の運営資金不足に陥るなど、経営難が深刻化していた。
公立病院のPFI契約をめぐっては昨年12月、滋賀県の近江八幡市立総合医療センターが、経営難を理由に、全国で初めて契約を解除。市直営に切り替えている。
(2009/06/17 00:00 共同通信社)
高知医療センターが「PFI方式」契約の解消に向けて協議を進めることについて、高知県の尾崎正直(おざき・まさなお)知事は16日、「医療はこれまでも企業団が行っており直接医療に影響を及ぼすことはない」とのコメントを出した。
契約解消については「医療センター改革が前向きに第一歩を踏み出すことができる」と評価。「経営面でもPFI事業のために必要な諸経費約4億8千万円を削減することが可能」としている。
一方、高知市の岡崎誠也(おかざき・せいや)市長は「運営がより良い方向で進んでいくことを期待する。できる限りの支援をしたい」とのコメントを発表した。
いつかは、破綻するものとは考えていましたが・・・・・ 近江八幡市立総合医療センターに続き、今度は鳴り物入りだった「高知医療センター」の運営についても「PFI方式」からの離脱が明らかになりました。
病院経営への株式会社参入が認められない現在、民間企業が資金を提供して公共施設を建設し、その施設の運営を通して「病院経営」に参加しょうとしたのがこの「PFI方式」でした。
株式会社参入論者からすれば、「PFI方式」は、いわば「突破口」として位置づけていたのかもしれません。
結果からすると、当初の目的としていた「コスト削減」どころか、「コスト増」の結果にしかなりませんでした。その、「コスト増」の分は・・・・・結局、民間会社(SPC)の利益にしかならなかったのでしょうか。(いわば、食い物にされた?とも受け取れるのでは・・・・)
高知県知事は、「医療に影響ない」とコメントしていますが、そんなのは当たり前にすぎません。
問題なのは、「PFI方式」の内容と経過を詳細に検討し報告・開示出来るかどうかです。
県民・市民の医療の場を舞台にした、「PFI方式」を通じた自治体医療機関の民営化路線にどのような未来があるのか、厳重な監視が必要です。
こうした状況にも拘わらず、東京都では、都立病院の「PFI方式」が既定の事実として出発しているのですから・・・・・。
経営改善へPFI終了、累積赤字79億円県と市、運営へ、高知医療センター。2009/06/17 日本経済新聞
全国初のPFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式を導入した高知医療センター(高知市)は16日、今年度末のPFI契約終了に向け、事業を委託する特定目的会社(SPC)と協議に入ることを決めた。高知県と高知市の自治体病院を統合して2005年に開業したが、運営費が予定を上回り赤字が続いていた。来年4月、従来型の公立病院に戻す。 16日、センターを運営する県・市病院企業団が臨時議会で決めた。経営改善を求める同企業団に対してオリックスなどが出資するSPCの高知医療ピーエフ
アイ(PFI、高知市)が契約終了を提案していた。
PFIは02年12月、30年間の契約で病院本館の建設のほか医療関連サービス、施設管理など幅広いサービスを受託した。当初は従来方式に比べ事業費を
30年で207億円削減できる計算だった。 しかし「医療の高度化に伴ってコストが増えた」(間渕豊・PFI社長)として経費が計画を上回り、08年度決算は純損益が21億1200万円の赤字、累積赤字は79億2200万円に陥った。3月に資金不足が発生、7億6200万円を県と市から借り入れた。 県、市と企業団が早期経営改善を求めたのは、総務省の「公立病院改革ガイドライン」で11年度の経常収支の黒字化が求められているのに加え、県、市とも財政事情が厳しく、支援続行が困難なため。PFI側は「短期で経常収支を黒字にするのは困難」として8日、契約の終了を提案した。 両者は今後、契約終了の条件などを協議した上で、秋をメドに基本合意を目指す。センターは4月に県と市の直営病院に移行、11年度の黒字化を目指す。山崎隆章企業長は「契約終了で(PFIへの)5億円の委託費が削減できる。人件費は増えるが、個別の業務委託は不要な部分を減らし、経費を抑える」としている。 尾崎正直知事は契約終了に向けた協議の開始について「医療センター改革が前向きに一歩を踏み出すことができる」とコメントした。PFIは滋賀県の近江八幡市立総合医療センターが赤字に伴い全国で初めて今
年3月末に契約を解除。現在、全国で12の公立病院が導入している。 PFIに詳しい日本総合研究所の副島功寛主任研究員は「病院にPFIがそぐわないとは考えていない。自治体側の方で需要予測や、見通しが難しいコスト上昇のリスクなどをSPCに対して事前に情報提供することが重要」としている。
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