介護施設整備、計画の半分 補助減響く 06~08年度
(2009年6月8日 朝日新聞)
全国の自治体が06~08年度に、特別養護老人ホーム(特養)など介護保険施設の定員を約15万2千人分増やす計画を立てていたのに対し、実際は計画と比べて半分以下の約7万5千人分にとどまったことが、朝日新聞社の集計で分かった。既存の施設の定員削減により、計画を大幅に下回ったところもあった。
市区町村は3年ごとに介護サービスの利用量を予測し、新たに増やす施設(5種類)の定員数を決定。社会福祉法人などが都道府県や市区町村の認可を得て建設する。
4月に都道府県を通じて計画と実際の整備状況を調査。特養は06~08年度に5万4千人分定員を増やす計画だったが、実際に増えたのは72%の約3万9千人分。東京や千葉、大阪は50%を切った。大幅に不足しているため、入居できずに自宅などで待機している人は、未集計の鹿児島と岡山(岡山市のみ回答)を除いて全国で約36万人いる。
介護老人保健施設は約2万8千人分の計画に対して68%の整備率で、有料老人ホームなどは約3万人に対して44%だった。介護保険を使わない人も利用できるホームなどは集計対象から除いた。認知症の人向けグループホームは約2万9千人に対して95%の整備率だった。
施設整備が進まない背景には、建設時の補助金削減や運営費に充てる介護報酬の引き下げが響いている。特養の全国協議会事務局長を務める福間勉さんは「建設費などコストが高いうえに、以前ほど行政の補助金が出ない。介護保険の報酬や利用者から徴収する費用だけでは採算ベースに乗りにくく、手を挙げる業者自体が少ない」と話す。
従来は特養をつくる際は国が建設費の2分の1、都道府県が4分の1の補助金を出していたが、三位一体改革で国の補助金は04年度で廃止。税源が地方自治体に移されたが、財政が厳しい都道府県は介護施設に対する補助金を抑制しがちだ。滋賀は06年度、特養の整備費補助を1床あたり約40万円減額した。
介護事業所の収入の柱の介護報酬は03、06年度と2回続けて引き下げられてきた。 また、介護ケアと医療の両方が必要な高齢者が長期入院する療養病床(介護型)は、計約1万1千人分増やす計画だったが、06年に国が医療費削減のため介護型を全廃する方針を打ち出したことで、逆に2万4千人分減った。
整備率を都道府県別で見ると、7道県がマイナスだ。計画していた定員数が200人程度と少なかった愛媛は、療養病床が700近く減ったためマイナス300%を超えた。
介護保険サービスを利用する高齢者にとって、保険料を徴収されているにもかかわらず、必要なサービスを受けられない状況だ。
4月からの介護保険における新認定方式が、国実の介護現場におきな混乱を及ぼし始めている一方で、介護施設の整備が計画の半分しか達成されていないことが判明しました。
その原因は、指摘されているように「補助金削除と介護報酬の引き下げ」の他なりません。
医療費削減政策の中で、医療介護病床が削減・全廃されることが既定事実化されているとき、せめてもの口実として「介護施設の充実」を語っていたのが厚労省でした。
しかし、今回判明したのは、「補助金削除と介護報酬の引き下げ」により、その口実さえもが破綻していることです。
現在、新認定方式で、介護認定の軽症化をテコに、介護保険制度からの追い出しなど「介護費用削減政策」が新たな段階に入ろうとしています。
そうすると、十分な介護を必要とする国民にとっては、①「医療介護病床削減・廃止」、②「介護施設整備=増築失敗」、③「介護保険からの追い出し」の三重苦が重苦しくのしかかってきます。
この「介護三重苦」の放置は、我が国に多くの介護難民を生み出すのは、そう遠い次期ではありません。
こうして、日本の介護行政が坂道を転げ落ちる様に、改悪が繰り返されて行くことに歯止めをかけるためには、「医療費・介護費削減政策」をやめさせるための政策転換が是非とも必要なのではないでしょうか。
固定リンク | コメント (2) | トラックバック (64)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 |
コメント
コメント一覧
コメントをありがとうございます。
政府に無策というより、明らかに医療と介護を切り捨てる方向に舵を切っている気がしてなりません。
2200億円の削減撤回はもとより、介護報酬・診療報酬を10%以上引き上げないと、施設・病院が耐え切れません。
今度は、医師・看護師不足から介護福祉士不足が医療・介護崩壊に拍車を掛けることになるのではないでしょうか。
コメントを書く