新要介護認定、「自立が増えた」

 民主党の介護保険改革チームは521日に衆院第一議員会館で、新たな要介護認定制度についてのヒアリングを学識経験者や現場から行った。現場からは、以前の要介護認定ではあまり見られなかった「非該当(自立)」の判定が増えたという声が上がり、これまでの介護保険サービスが受けられなくなることへの懸念が示された。

 ヒアリングに出席した結城康博・淑徳大准教授は、介護現場では新要介護認定制度への不信感があるとし、厚生労働省による新制度の説明は不十分で、混乱を招いている責任は重いと指摘した。また、要介護度がこれまでより軽く判定されるという疑念があるかもしれないが、現時点での判断は早計とし、「認定審査会で一次判定の結果を本当に反映しているのかなどを検証し、結論を出すべき」と訴えた。
 

 結城准教授は、もし軽度化が目立つ結果になった場合、「一次判定のソフトが妥当なのか」「調査票の記入方法は適切か」「主治医意見書の記載は妥当か」「審査会は『特記事項』や『主治医意見書』などを反映した上で、しっかり二次判定をしているのか」4つの視点から検証した上で、対応を考える必要があると述べた。
 

 さらに、2009年版の認定調査員、認定審査会委員テキストについて「分かりにくく、話にならない」とし、厚労省は現場への説明責任を果たしていないことに重い責任があるとした。結城准教授は「現場は4月に難解な介護報酬の理解に追われており、同時に調査員テキストにまで手が回らない」と述べた上で、この問題を早く解決し、介護保険の本質的なテーマに取り組むべきだと強調した。
 

 現場からは、横浜市にある地域包括支援センターで働く認定審査会委員の中村匡宏さんらが意見を述べた。中村さんは、要介護認定の更新の前後で認定結果が異なる場合、更新前の認定区分を継続できる「経過措置」を厚労省が行ったことに疑問を呈し、現場のモチベーションが下がっていると指摘。「自分たちが必死にやった認定が認められない経過措置ではなく、以前の要介護度を継続した方がよかったのではないか」と述べた。

 今回のヒアリングでは、これまでの要介護認定ではあまり見られなかった「非該当(自立)」の判定が増えたという意見も出た。
 

 中村さんは、これまでの一次判定で非該当は4050件に1件ほどだったが、初回に20人の判定を行ったところ非該当が3人いたとし、「要支援だった人が更新により自立になるという不安がある。今利用している通所介護などが待機の状態になる人も出るのではないか」と述べた。また、ケアマネジャーの原田保さんは、横浜市の認定審査会委員からは一次判定で40件のうち6件が非該当だったと聞いていると語った。
 

 これを受け、山井和則衆院議員は「現場からは一次判定の結果を二次判定で覆しにくくなっているという声も出ている。経過措置の対象者はいいが、新規に判定される人で、非該当になっている人が生まれているかもしれない」と述べた。

テキストの趣旨、正しく伝わらず
 厚労省老人保健課の鈴木康裕課長は14日に、このヒアリングに出席するケアマネジャーらと省内で意見交換会を行ったことを報告した。
 意見交換会では専門家も交え、ケアマネジャーが独自に新旧の要介護度を判定した結果などについて話し合われたほか、自治体による認定調査員の研修ではテキストの趣旨や内容が十分に伝わらず、テキストで示した方法とは異なる方法で認定項目の選択が行われていることなどが指摘されたという。
 鈴木課長は、自治体の担当職員や現場の認定調査員、認定審査会委員に対して、さらに研修を行い、趣旨や内容の周知徹底をする必要があるとした。
 また、要介護認定の申請者から要望がある場合、市町村は審査判定に至るまでの一次判定結果などのデータを開示した上で、納得してもらうことが重要としている。


更新:2009/05/21 19:22   キャリアブレイン

 介護認定審査委員をしている私も、5月20日に「新介護認定」基準による審査を行いました。

 やはり、今までにはなかった「非該当」が36件中2件にありました。これまでには、あまりなかったことでしたが・・・。

 それよりも気になったのが、認知症項目の不十分さなのでしょうか、認知症の実態が正しく一次審査に反映されず、介護等級の低下に繋がっている印象を受けたことです。

 ケアマネの「特記事項」や主治医意見書を丹念に検討して、正しい等級に変更させましたが、一次審査の不的確さを実感しました。

 さて、現在行っている審査が、一方で「無期限の経過処置」により、利用者からの申請があれば、以前の等級以下にはならないことになっています。

 であれば、どうして「新介護認定基準」を強行したのか・・・政府・厚労省の無策ぶりがあらためて浮き彫りになっています。 

ことは、簡単・・・・来る総選挙を控えて、「新介護認定基準」の実施による介護現場からの反発をおそれた自公政権が、国民だましの姑息な手段を労しているのがこの「無期限の経過処置」であることは誰が見ても明らかです。

 やはり、「新介護認定基準」を廃棄して、介護現場の意見を十分取り入れ、国民に十分な介護を保障できるような介護制度へ進むことが出来るような施策が望まれています。      

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

北のCOSMOS
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2009/05 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着エントリー

新着コメント

新着トラックバック