政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船相談役)は7日、病床数400床未満の病院などで4月から実施する予定だったレセプトオンライン義務化について、厚生労働省が最長1年先送りする方針を決めたことに対し、「根拠を示しておらず、極めて不適切。原因を分析・公表した上で、その責任を明確にすべき」とする見解を示した。
政府が3日に決定した「規制改革推進3カ年計画」では、2011年度から医療機関のオンライン請求を完全義務化すると定め、本年4月からは400床未満の病院や薬局が対象となる予定だったが、厚労省は「現時点でオンライン化に対応できない病院が少なくない」とし、義務化を先送りする方針を示した。
これに対して、規制改革会議は、「2006年4月10日の省令改正により義務化が決定されてから十分な準備期間があったにもかかわらず、準備が間に合わない事態となったことは誠に遺憾。
義務化直前に猶予措置を講ずることや準備が間に合わない病院・調剤薬局を理由の如何を問わず一律に救済することは適切でない」と批判。「原因を分析・公表した上で、その責任を明確にすべき」と指摘した。
厚労省は5月8日、診療報酬オンライン請求に関する省令を一部改正し、「5月10日において電子情報処理組織の使用による請求ができないものは、…厚生労働大臣が定める日までの間は、書面による請求又は光ディスク等を用いた請求ができる」とした。
本年4月よりオンライン請求が義務づけられていたのは、①400床以下でレセプト電子請求をしている病院②レセプトコンピュータを使用している調剤薬局であるが、このうち、約220病院、約2600調剤薬局が義務化に間に合わなかったための措置である。
これに対して規制改革会議は7日、「省令の改正案に対する規制改革会議の見解」を発表し、「今般、講じられようとしている標記省令の改正は、…政府の着実な遂行を停滞させる措置と考えられる」と批判し、「今回のような措置が再度講じられることがあってはならない」と述べている。
今回の省令改正は、あくまで本年4月の義務化に間に合わなかった病院、調剤薬局に対して、最長で1年という猶予が与えられたものであり、来年以降の義務化スケジュールに変更はない。
レセプト電算処理の普及率が80%を超える調剤薬局ですら義務化に対応できなかった。これは、レセプト電算処理の普及率が30%に満たない医科診療所の平成22年4月の義務化、および手書きレセプトが1万施設を超える医科診療所および歯科診療所の平成23年4月の義務化への対応が不可能であることを物語っている。
このような事態が発生したのは、オンライン請求の義務化自体に無理があり、医療現場の実態に即さないものであることを如実に示したものである。
本会は省令案へのパブリックコメントにも述べたように、姑息的な一時しのぎの措置ではなく、省令本則を改正し、オンライン請求義務化を撤回することを強く求めるものである。
しつこいぞ、規制改革会議!!と叫びたい気持ちです。
保団連や医師会、全国の多くの医師たちの反対で、「オンライン請求義務化」が延期されたにもかかわらず、「根拠を明らかにせよ」などとなん癖をつけて、義務化先送りを批判しています。
「根拠」などは、保団連声明でも語っていますし、裁判闘争での訴状を熟読してほしいものです。
問題なのは、規制改革会議が執拗に義務化の推進を迫るには、それなりの理由があります。
医療ITにおける初期投資と運用やメインテナンスでの企業収益を見込んでいることは十分予想できることです。
ITの推進で、業務や診療情報処理が簡素化し医学と医療の発展に寄与しているのは、疑う余地がありません。
しかし、それを何のために、どのように駆使するかは、現場の状況と将来設計が確立していなければなりません。
私のいる病院でも、IT化が進んでいますが、初期投資のみならず、実際の運用段階でも維持費が少なくないようです。
しかし、一方で、導入以前に試算していた「事務部門」の簡素化は一向に進みません。
むしろ「事務派遣労働」の方々が増えてきました。そして、全国の医療IT化の普及状況からして、義務は、「時期尚早」といわなければなりません。
従って、現段階でのオンライン義務化は、延期ではなく、撤回とするのが妥当な政策ではないでしょうか。
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