2009年4月10日【MovieWalker】
2008年に再度脚光を浴びた小林多喜二の小説「蟹工船」が待望の映画化。4/10に記者会見が行われ、松田龍平、西島秀俊、高良健吾、新井浩文、柄本時生、お笑い芸人TKO、SABU監督らが登壇。
「蟹工船」は1929年の小説だが、ワーキングプアが叫ばれる昨今、160万部を超えるミリオンセラーとなり、2008年流行語大賞のTOP10入りを果たした。
映画は、疾走感溢れる作風で知られるSABUがメガホンをとり、スタイリッシュな快作となったが、原作がもつ骨太なテーマはしっかりと受け継がれた。
松田龍平は、劣悪な労働環境を変えようと立ち上がる労働者のリーダー役。松田は原作を読んでいないそうだが、「蟹工船」の背景についてはこうコメント。
「蟹工船では浅川という鬼監督がいるんですが、そういうわかりやすい敵がいない分、今の方が辛いのではないかと思いました。僕は単純に本作を観てパワーをもらったし、やれないことはない、なんでもできると思いました」
鬼の浅川監督役を怪演した西島秀俊も、本作のテーマについては熱い。「個人的に言いたいのは、考えろ、考え続けろってことでしょうか。僕は何かうまくいかないとき、考えることを放棄しちゃうんですが、そうじゃなくて、考えればイメージが広がって行動につながる。そこが個人的に響きました」
SABU監督も「考えるのを諦めてしまうと前には進めない。考えることが大事だなと思います」と訴えかける。
また劇中のハイライトである松田龍平の演説シーンではかなりの手応えんを感じたようだ。「龍平くんの佇まいや演技にみんなが引き込まれていき、それを捉えられたことがよかったです。勇気と希望が持てる熱い映画になりました!」
確かに映画は松田龍平が核となり、個性派俳優陣全員の情熱がスクリーンから発光しているような仕上がりとなった。
時を超えて新たに再燃した「蟹工船」が、2009年も引き続き話題をふりまきそうな予感。不況のなか、くすぶっている方々よ、この映画を見てぜひ自分自身をふるい立たせて!==============================================
1929年、小林多喜二の名作「蟹工船」が再度映画化されました。
働く人々の劣悪な労働環境と権利、資本家・経営者と国家権力の癒着をリアルに描き出した『蟹工船』が80年の時を超えて復活したのです。
それを可能にしたのが、現在蔓延し、これからも深刻化しそうな「貧困」に対する国民の「変革希望」の世論ではないでしょうか。
多喜二研究者である、シカゴ大学教授、ノーマ・フィールド氏によれば、多喜二の理解にためには、「蟹工船」と同時に、「党生活者」の一読が薦められています。
主演は、松田龍平。かの松田優作さんの息子さんです。
父、優作氏は、細身の長身にサングラスの刑事役でテレビに強烈デヴューした個性俳優でした。
アウトロー的演技で、当時の社会を批判していたことに共鳴していたものでした。
今回、その息子さんの龍平氏が、160万部ものミリオンセラーとなっている多喜二の「蟹工船」を演じることになったのです。
監督のSABU氏も含め、映画作成当時のお話では、「明るく、現代向きの蟹工船」といっていましたが、映画が完成した今、作成スタッフと出演者の思いは、戦前の「恐怖の時代」と比較して、現在の「貧困の時代」を評しています。
現代の若者たちが、80年前を想像して、今日の状態と比較しながら演じているのです。
今夏の全国上映が楽しみでなりません。
その前に・・・・もう一度多喜二の「蟹工船」を読もうと思います。
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