政府の規制改革会議は2日、09年度に集中的に取り組むテーマを挙げ、医療分野では「医療の質」追求の観点から、医療のIT化推進、医療制度の仕組みの再構築、産業としての医療の高度化・活性化などを図るとした。
具体的な取組みとして、医療のIT化では、(1)レセプト請求完全オンライン化に向けたレセプト様式の見直し(2)標準的医療の検討・確立―などが示され、医療制度の仕組み再構築については、(1)医師と看護師の役割分担(2)医師養成のあり方の見直しやDRG/PPS(診断群別定額払い)の拡大(3)Pay For Performance(質に基づく支払い)の導入―などが示された。介護分野では、(1)資格要件のあり方や有資格者の活用など、介護人材の養成と確保に係る対策の見直し(2)介護報酬改定の効果分析と次期改定に向けた更なるインセンティブの付与(3)民間事業者の参入促進による利用者の選択・需要に応じた施設・在宅サービスの供給システムの構築―などが盛り込まれた。
規制改革会議の今年度医療版の骨子が提示されました。
これらを何度読んでも思い出すのは、毎年出されるアメリカによる「対日年次改革要望書」ではないでしょうか。
これまで、医療経営への株式会社の参入や混合診療の導入など、使い古された「官から民へ」のスローガンのもとに日本の歴史の中から作られてきた日本の医療がズタズタに引き裂かれるところでした。
多くの医療関係者や国民からの反対で、不十分ではあっても「全面民営化」への道を何とか阻止しているが現状です。レセプト請求完全オンライン化は、大多数の医師の反対でその義務化が撤回されるかもしれません。
それは、重要な一歩としても、オンライン化のもたらす弊害は、解決されているわけではありません。
又、「便利」と言われているIT化が医療現場にもたらす混乱や過剰業務の強制は、現在の診療報酬体系の下では、まったく解決する見通しはありません。
ただただ、IT化への投資で、IT産業に多大な利益をもたらすような仕組みが出来上がっているに過ぎません。
そして、DRG/PPS(診断群別定額払い)の拡大にいたっては、現在、日本では、急性期病院を中心にDPCの導入との関連が重要です。
すでに多方面から指摘されているように、厚労省が部分的定額医療として導入を推進しているDPCには、実はその先にアメリカ式DRG/PPSが待っていることは明らかではないでしょうか。
その根本は、DRG/PPSの導入の暁には、厚労省が病院の医療収入=経営を完全に掌握する野望のあることは明らかです。
つまり、病院収入=病院経営から、さらにそのあとには、国の医療政策とその実行への官僚支配体制の構築です。
しかも、それは、すでに大破綻をきたしている「アメリカ型民間医療」の日本への導入以外の何者でもありません。
IT化や「包括医療」など、一見、「医療の近代化」の装いをとりながら、実は、「医療の官僚支配」が着実に進行させられようとしているのがよくわかります。
昨年度末に、決定された「対日年次改革要望書」をもう一度読み返す必要がありそうです。
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