国民の視点から介護保険制度について提言を行う「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪(介護1000万人の輪)」は3月12日、舛添要一厚生労働相に来年度の介護報酬改定と要介護認定についての要望書を提出した。新たな要介護認定制度については、国民の理解が得られるまで、一時凍結するよう求めている。
「介護1000万人の輪」は、介護保険制度の立て直しを目的に、利用者や事業者、研究者などが集まって設立された任意団体。「高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子理事長、「認知症の人と家族の会」の髙見国生代表理事、大阪市立大の白澤政和大学院教授が共同代表を務める。
要望書では、プラス3%の介護報酬改定では、マイナスだった過去2回の改定の補てんにしかならないと指摘。改定内容も加算が中心であるために全体的な底上げとはならず、介護従事者の賃金が引き上げられる保証がないとしている。
また、改定のたびに介護報酬の体系が複雑化していることから、利用者やその家族などにも分かるような体系に見直し、シンプルで透明性のある仕組みとするよう要望している。
4月に改定される要介護認定制度についても、認定方法の変更によって多くの要介護高齢者がサービス給付の対象から外される可能性があるとして、新たな判定ソフトの信頼性などについて国民に説明し、納得が得られるまでいったん凍結するよう求めている。
また、次回の改定に向け、認定方法の再検討や仕組みの透明化、認定過程のスピード化を要求している。
「介護1000万人の輪」では、介護保険制度を変えていくための行動目標として、▽分かりやすくシンプルに▽利用者や市民の声が反映される仕組みに▽利用者に応じた切れ目ないサービス提供と費用負担による「介護格差」の拡大防止▽良質な介護人材の確保と介護職の地位向上▽介護を軸とした新しい地域づくり-の5点についても要望書に掲げている。
「介護1000万人の輪」では、次期介護報酬改定に向けて政策の提言や調査・研究を行っていく予定で、事務局では「分科会などを開催しながら、今年中に介護保険制度について何らかの提言をしたい」と話している。
全く、共鳴させられる内容です。私も以前から「新たな要介護制度の凍結」を主張していました。
「新制度」の決定過程の不明朗さや「新方式」の認定基準の不当さが、今回の改定方式を黙認するとこれからも同様の「官僚主導の改定」で規定事実化されてしまうことが危惧されるのです。
これでは、まさに国民不在の、厚労省の勝手気ままな「介護制度」をなし崩し的に作り上げられることになるのです。
以前指摘したように、今回の新認定基準では、介護利用者の「軽症化」が計られます。
具体的には、「要介護1」が要支援に軽症化されことに端的に表れるのです。
さらに根本的な問題は、「医療保険」に適応されている「現物給付」ではなく「介護制度」が「現金給付」によって制度が組み立てられていることなのです。
「介護現場で、国家資格者であるケアマネージャーや施設管理者が、それぞれの利用者の実状に基づいて判断し、用意された介護サービスの中から適切なものを選択して提供する」という、いわば現物給付による介護サービスを進めるべきではないでしょうか。
今後危惧されることは、介護保険で「現金給付」を浸透させ、あわよくば医療保険も「現物給付」から「現金給付」へと変更させられることです。
実は、医療給付の中で現在急ピッチで進められている日本型DPCも「定額医療」の亜型として定着化が図られようとしています。
もし、日本型DPCが、急性期病院の大半で導入されるならば、日本の急性期医療費は、一気に大幅削減されることは、火を見るよりも明らかです。
こうして、介護保険の中に導入された「現金給付」が医療保険の中にも席巻していると、日本の医療の優れた特質としてある「国民皆保険制度」までも破壊して来るのではないでしょうか。
従って、今日の時点での諸矛盾はありながらも、介護保険制度を出来るだけ国民のためになる内容に作り上げることは、日本の医療・介護保険制度の充実に大変重要な課題ではないでしょうか。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 | 31 |