銚子市長が失職 市立病院休止 リコール成立
(2009年3月30日 東京新聞 朝刊)
千葉県銚子市立総合病院の診療休止を決めた岡野俊昭市長(63)に対するリコール(解職請求)の是非を問う住民投票は二十九日投開票され、解職への賛成票が有効投票総数の過半数を占め、岡野市長の失職が決まった。五十日以内に市長選が実施される。
当日有権者数は五万九千八百四人。投票率56・32%。 自治体病院休止をめぐるリコール運動で住民投票が実施され、市長が失職するのは極めて異例だ。
病院休止の責任を問い、約二万三千四百人分の署名を集めて住民投票を実現させた市民団体「『何とかしよう銚子市政』市民の会」は「公約違反」と主張。中核病院の休止で医療不安が広がる中、市民の幅広い支持を得た。
「敗北」を認めた岡野市長は「病院側から『患者の命を守れない』と聞いた時、病院休止を決断した。その考えは今も変わらず、間違っていなかったと思う」と語った。出直し市長選への出馬については「支持者と話し合って決めるので白紙」と明言を避けた。
市民の会の茂木薫代表(58)は「市民の力で銚子を復活させた。市長が市民の声を聞いていればこのようなことにはならなかった」と語った。
<解説> 千葉県銚子市の市立総合病院の休止問題をめぐり、二十九日投開票された岡野俊昭市長(63)に対するリコール(解職請求)の是非を問う住民投票で、市民は病院を存続させることができなかった市長に「ノー」を突きつけた。
岡野市長は二〇〇六年七月の市長選で、病院存続を掲げて当選したが、わずか約二年後に休止を発表。毎年の九億円の支援に加え〇六、〇七年度は計十三億円を追加支援。医師の確保にも奔走したが、かつて三十五人いた常勤医は十二人に減少。病院を取り巻く環境は悪化の一途で「やむを得ず決断した」と釈明した。
突然の発表に市民は猛反発。政治責任を求める声がリコール運動として広がった。 休止から半年近くの間、入院や救急の受け入れを市外の病院に頼るケースが増え続け医療不安は強まるばかりだった。だが、岡野市長は「通院などで不便をかけるが、医療難民は生じていない」と言い切り、リコール運動を批判した。その姿勢に多くの市民は疑問を抱き、解職賛成に傾いたといえる。
「病院休止問題」を問われていた岡野銚子市長が、市長リコール投票で市民から「解職」を言い渡されました。
当初、「市立病院の存続」を公約に掲げて市長に当選していた岡野銚子市長でしたが、主に市立病院の医師不足に由来する「地域医療の崩壊」に対して、住民と共に市立病院問題を考えようとせず、「経営管理者」の立場を前面に押し出し、病院休止と言う事態を招いたのでした。
市立病院がなくなることによる住民の実害と不安に対して、「不便をかけるが、医療難民は出ていない」などと公言するに至っては、住民の声に耳を傾けるべき市長としては、「失格」の判定を受けても仕方がありませんでした。
又、当初から主張していた「経営の委託先」さえも不透明のままでは、住民からの支持さえも受かることは出来ませんでした。
しかし、本当の問題点は、もっと掘り下げられなければなりません。
それは、「自治体病院の三重苦」・・・
つまり
「医師不足の原因は何か・・その解決策は!!」
「病院経営を困難にするもう一つの原因=診療報酬の引き下げ」
「地方交付税の減額による、地方自治体病院つぶし」など・・・・。
自治体病院のみならず、日本の医療そのものを崩壊・破壊に導いている(現在進行形!!)政府厚労省の医療費削減政策と総務省が旗振りしている自治体つぶしが根本原因であることは、自明ではないでしょうか。
ともあれ、銚子市の地域医療を守ろうとする市民の皆様の健全な意見が市政に反映される第一歩が歩み出されました。
これからの取り組みの推移を期待を込めて見守りたいと思っています。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
オバマ米大統領:アフガン戦略 米軍増派、さらに4000人 パキスタン支援強化も
【ワシントン草野和彦】オバマ米大統領は27日午前(日本時間同日夜)、外交安保上の最重要課題であるアフガニスタンの包括戦略を発表する。米メディアによると、アフガン軍訓練のため6月をめどに4000人の米軍を追加派遣することが盛り込まれる。また、武装勢力の事実上の拠点である隣国パキスタンへの支援を強化する。 アフガンは、旧支配勢力タリバンや国際テロ組織アルカイダの攻勢で治安が悪化。新戦略には、米軍の撤退時期など具体的な出口戦略は盛り込まれない見通しだが、治安安定や経済復興の達成度を測るいくつかの基準点が設定されるという。
大統領は先月、夏までに1万7000人の米軍増派を発表しており、4000人の追加増派でアフガン駐留米軍(現在約3万8000人)は6万人規模となる。
アフガン軍の訓練・増強を図ることで、将来の米軍撤退につなげる狙いもある。このほか、復興支援に向けて数百人の文民を派遣し、軍民一体の取り組みを目指す。
またパキスタンに対しては、軍事支援のほか、現在の3倍となる年15億ドルの非軍事支援を予定。政治、経済とも不安定な同国を支援する一方で、北西部の部族地域に潜む武装勢力掃討を促す。
オバマ大統領は既に、アフガンのカルザイ、パキスタンのザルダリ両大統領に電話で新戦略の概要を説明した。
オバマアメリカによる、アフガン戦争の拡大が本格化しょうとしています。
アフガンとパキスタンに展開するアルカイダの掃討を目的にブッシュアメリカが開始した戦争を、今度のオバマ大統領が後を継ぐ形でアメリカ軍の増派を決めました。
しかし、これまでのアフガンの現状を見ると、アメリカが主力をなす軍事力で解決することは、全く不可能な状態であることは、世界中が認めるところではないでしょうか。
現に、アフガンに続いて始めたイラク戦争では、アメリカはイラクからの撤退を余儀なくされています。
アフガンでこのまま軍事力主体の介入を続けても、アフガンの事態は、泥沼化の一途をたどります。
まず、アフガンからパキスタンへ、さらにはインドなど南アジア一帯へ戦場の拡大が予想されることです。
また、平穏化(?)しつつあるイラクから「イスラム原理主義者」たちが、続々とアフガンへと結集しつつあることが語られています。
イラクからアフガンへの兵力の移動は、アメリカだけでなく、イスラム武装勢力の側からも同様に考えられているのです。
従って、アメリカが軍事力を増強しても、軍事的優位を確保することは困難ではないでしょうか。
アフガン問題の解決は、軍事力ではなく、あくまでも非軍事的な方法で、アフガン国民の自主性に依拠したやり方でなければ根本的に解決することは出来ません。
たとえ、それが長い道のりであったとしてもです!!アメリカは、そろそろ「9.11事件」を口実に続けてきた「テロとの戦争」なるものからの脱却が必要です。
そしてそれが、パイプライン確保などのために地政学的に優位なアフガンをアメリカから手放すことになってもです!!そうしなければ、アフガン戦争がベトナム戦争と同じ道をたどらざるを得ないのです。
今までブッシュアメリカの言いなりになってきた日本政府も、今度こそは、日本独自にアフガンに平和をもたらすための諸政策・行動を起こすべきではないでしょうか。
日本国憲法に基づく、国際平和貢献の方法を確立すべき絶好の時期なのです。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (144)
現在進行している医療崩壊から我が国の医療制度を守り、さらに「日本の医療再生」に足を踏み出すためには、こうした全ての「医師の団結」が大切です。
日本医師会がこのような問題意識のもとに、方策を公表することは大変意義のあることだと思います。
しかし、あまりにも「日医の強いリーダーシップ」を強調しすぎると、それが「日医の医師支配」に転化する危険性も感じてしまいます。
もっと、他団体や他階層との「協同」をテーマにした方が、多くの国民からのしじを得ることが出来るのではないでしょうか。
しかし、地方都市とはいえ、現実の医師会活動の一部を経験していると、日医自身がより多くの医師たちの要求を受け止める組織とはほど遠い感じもしています。
医師会代議員会では、いつも発言の場を確保させて頂いて感謝していますが、提案する内容がなかなか取り入れられないことが多くあります。
また、日医の支部活動、班活動の活性化を提起されてもその成果が出てきません。 医師会の集まりで、もっともと議論を優先して、ひとり1人の医師の考え、思いを掘り起こすことが大切です。
他医療団体や職能団体、市民団体との繋がりもやはり強いものではなく、「孤高の医師会」の感を免れません。
こうしたことに留意して、医学生から勤務医まで対象を広げている今回公表された方策を実践されることを期待致します。
さらに、国政選挙になると「自民党支持」が半強制的に持ち込まれ、医師会の要求を国政に反映させる大切な時期にも末端の医師会会員は、半ば「しらけ顔」になっているのが実際ではないでしょうか。
もう、そろそろ「日医」による自民党一党支持も清算すべき時期に来ています。
今月、私の所属する市医師会の会長選挙があり、関連ある全ての政党とお話をすることを公約して、新会長に当選されました。
これは、未だ北国の局所的な現象かもしれませんが、「日本の医療再生」のために、これからも微力を尽くしたいと思っています。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
世界同時不況が進行する中、1週間前に、フランスでは労働組合が、サルコジ大統領の経済政策に対して、ゼネストが行われました。
サルコジと言えば、フランスの中でも「新自由主義的」経済政策を掲げて当選した大統領です。
現在の国際的経済上状況では、国民が要求する社会的セーフティネット確立など、サルコジ政策とぶつかることは容易に想像できます。
それにしても、フランスの労働者たちの怒りと要求を表示する方法が率直で、勢いのあることに感嘆してしまいます。
それに比べ、日本の労働者の大人しいこと・・・・・
全国的に広がっている「派遣村」行動にしても、まだまだ始まったばかりです。これこそ正規雇用の人々も含めて全国の働く人々が、意思表示に立ち上がっても良さ様なものなのに・・・。
「西松巨額献金問題」なども含めて、日本の政治がなお一層混迷状態になっているとき、労働者・学生たちが、もっと騒いでもいいような気がしてなりません。
以前、こんな経験があります。
南フランス、モンペリエ市にある整形外科病院で、脊椎外科が専門であるDr.Marneyの手術を拝見している時でした。
ちょうどその日、ガソリン代値上げ反対を掲げて、モンペリエ市内のタクシーがストライキに入りました。
市内の移動にタクシーを使っていた私は、気が気でなかったのですが、一緒に手術に入っていたフランスの研修医たちは、何故かは分かりませんが「ストライキ、ストライキ・・・・」とさかんに喜ぶ様子で話していました。
私は、Dr.Marneyのはからいで、移動手段を確保できましたが、働く人々の権利を当たり前のように受け入れる「研修医」たちの表情に、すがすがしさというか逞しささえ感じたことを思い出しました。
そういえば、同じ時期に卒後研修条件の改善を要求して、ストライキに入ったのもフランスの研修医でした。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
イラク開戦6年 米国からの自立を応援したい(2009・3・20 毎日新聞)
またイラク戦争「開戦の日」がやってきた。開戦といっても戦力互角な国同士の満を持した激突ではない。歴史的にも類例のない軍事大国が、中東で虚勢を張る独裁国家に本気で侵攻した戦争だった。03年3月20日午前(日本時間)、巡航ミサイル攻撃などで口火を切った米軍は、フセイン政権をやすやすと倒した。
しかし、米ブッシュ政権は、果てしない泥沼に踏み込んでいた。大義名分とした大量破壊兵器が見つからないうえ、著名な経済学者らの試算では、米国はイラクなどで少なくとも3兆ドルのコストを負ったという。
この膨大な戦費が米国経済の足腰を弱め、日本を含めて「100年に1度」ともいわれる世界不況をさらに重たくしているようだ。
ただ、時代は確実に変わっている。今年の「開戦の日」の特徴は、米国の大統領がブッシュ氏ではなく、イラク戦争に反対したオバマ氏であることだ。イラクの治安も著しく改善された。イラク戦争の歴史的評価はともかく、戦乱に苦しんだイラクの人々が平和を享受しうる環境が整ってきたことを何より喜びたい。
米軍のイラク撤退の枠組みもできた。オバマ政権は、現在14万人強のイラク駐留米軍のうち10万人前後を来年8月末までに撤退させ、残留部隊も11年末までに完全撤退させるという。
地方選挙などを通じてマリキ政権の基盤が強化されたことが背景にある。石油都市キルクークの帰属など波乱要素も少なくないが、「イラクはイラク人に任せる」というオバマ政権の基本姿勢を評価したい。
マリキ首相の出身母体であるアッダワ党の名は「イスラムの呼びかけ」という意味である。同じイスラム教シーア派のイラク・イスラム最高評議会ほどではないが、昔からイランとの関係が深く、イスラムの価値観に基づいて国家の尊厳を重んじる組織だ。
07年8月、クリントン米上院議員(現国務長官)が、マリキ首相は「国民融和を図れる人物」ではないとして更迭を求め、マリキ氏が「イラクを米国の村のように考えている」と猛反発したのも、むべなるかなである。アッダワ党の党是からみても、一日も早い米国からの自立が必要なのだ。
その目標達成のためにイラク自身が努力するのは当然だが、国際社会の援助も大切だ。国際協力機構(JICA)が今月、イラク北部で活動を始めたというのは喜ばしいことである。
「開戦の日」は、多くの犠牲者を悼む日でもあるはずだ。非政府組織「イラク・ボディー・カウント」の集計では、03年以来のイラクの民間人の死者は9万人台に達し、10万人に届こうとしている。
本日で、いわゆる「イラク戦争」が開戦6年目を迎えます。
1年前の開戦5年目に、私は、イラク戦争難民の実際を学ぶために、イラクの隣国ヨルダン・シリアを訪問していました。
それ以降、復興の絶対的条件となるイラクの治安の回復は、さほど進展しているとは思いません。
地方選挙の実施などで政権基盤の強化が図られていつかも知れませんが、実際には「自爆テロ」が横行し、私たちが体験している「安全な民主主義社会」とは雲泥の差であることには変わりがありあせん。
イラクの人口を2500万人とし、少なく見積もってもその中の10万人が死亡しています。それを日本に当てはめると40~50万人の人々がこの6年間に殺されたことになるのです。
それにも増して、戦傷者が100万人(同、400万人)、国内外の難民が400万人(同、1500万人)となっています。
さらに、イラク国内でアメリカ軍によって使用された「劣化ウラン弾」による放射の被害など、イラク国内での戦争被害は、これから長期間にわたり国の復刻のしうがいになるものばかりです。
オバマ米大統領は、イラクからの撤退を表明しています。それは、ブッシュ時代からの政策転換として前向きに受け止めることが重要ですが、同時に、ブッシュアメリカがイラク侵攻の理由とした「偽の大義」や「「戦争犯罪」などを徹底的に総括・検証することが必要です。
また、開戦時、直ちにブッシュ支持を打ち出し、盲目的にブッシュアメリカに追随してきた、小泉政権以来の歴代の安倍・福田・麻生内閣のイラク戦争における総括も大切です。
それは、これからもイラク戦争のような、アメリカの勝手な他国への侵略戦争とそれに無条件に従う日本政府の誤りを繰り返さないためにもです。
今後、一日も早くアメリカはイラクから手を引いて、多少の困難はあっても「イラクの問題はイラクの人々の力」で解決するように国際的平和創出環境や文民支援を作り上げることに全力を尽くすべきではないでしょうか。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
公的支援で破綻を回避した米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)幹部への高額賞与の支払いに関する批判が米国で広がってきた。議会では約1億6500万ドル(約160億円)の賞与のほぼ全額に課税する案が浮上。政府もオバマ大統領の意向を受け返還を求める方策を模索している。契約に基づいて支払い済みとするAIGとの間で、綱引きが続きそうだ。
ニューヨーク州のクオモ司法長官によると、今回の賞与はデリバティブ(金融派生商品)業務の担当幹部らが対象。73人が100万ドル(1億円弱)以上を受け取った。AIG側は過去の契約に加えて、デリバティブ業務の縮小を円滑に進めるためにも支払わざるを得ないとの立場だ。高額の賞与を受け取った11人は既に退職している。
AIGは、昨年9月以降、既に400億ドルの資本注入を含む1500億ドルの資金支援を受けています。
さらに、今回は300億ドル(約2兆9000億円)の追加増資を含む新たな支援を受けることにもなっています。
こうしたAIGが、実は、同社の幹部だけには、高額なボーナスを支払うというのです。
これまで、他人を蹴落としながら莫大な利益を上げてきながら、経営破たんを起こして公的支援で経営の立て直しを図ったばかりです。
しかし今回の事態を見ていると、AIGの経営幹部は、片手で政府資金を受け取りながら、もう一方の手でその中なら自分の懐にお金を着服している構図が想像されてくるのです。
もし、このような経営者の有り様が許され、放置されてゆくのであれば、経営者のモラルも破壊されてしまうのではないでしょうか。
まさに、「モラルハザード」といわれても仕方がありません。
アメリカ国内の状況は、国からの十分な支援を受けることができずに貧困にあえいでいる国民が増加傾向にあります。
同時に、今回のアメリカ発の経済不況が及ぼす影響は全世界の波及していることから考えると、この「AIG賞与問題」は、アメリカだけの問題ではありません。
現在世界同時不況からの脱出が焦眉の課題になっている時に、この象徴的な「AIG賞与問題」をアメリカ国民はもとより、国際的な納得がいくように解決されるようなオバマ大統領の指導力に注目しています。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (8)
国民の視点から介護保険制度について提言を行う「介護保険を持続・発展させる1000万人の輪(介護1000万人の輪)」は3月12日、舛添要一厚生労働相に来年度の介護報酬改定と要介護認定についての要望書を提出した。新たな要介護認定制度については、国民の理解が得られるまで、一時凍結するよう求めている。
「介護1000万人の輪」は、介護保険制度の立て直しを目的に、利用者や事業者、研究者などが集まって設立された任意団体。「高齢社会をよくする女性の会」の樋口恵子理事長、「認知症の人と家族の会」の髙見国生代表理事、大阪市立大の白澤政和大学院教授が共同代表を務める。
要望書では、プラス3%の介護報酬改定では、マイナスだった過去2回の改定の補てんにしかならないと指摘。改定内容も加算が中心であるために全体的な底上げとはならず、介護従事者の賃金が引き上げられる保証がないとしている。
また、改定のたびに介護報酬の体系が複雑化していることから、利用者やその家族などにも分かるような体系に見直し、シンプルで透明性のある仕組みとするよう要望している。
4月に改定される要介護認定制度についても、認定方法の変更によって多くの要介護高齢者がサービス給付の対象から外される可能性があるとして、新たな判定ソフトの信頼性などについて国民に説明し、納得が得られるまでいったん凍結するよう求めている。
また、次回の改定に向け、認定方法の再検討や仕組みの透明化、認定過程のスピード化を要求している。
「介護1000万人の輪」では、介護保険制度を変えていくための行動目標として、▽分かりやすくシンプルに▽利用者や市民の声が反映される仕組みに▽利用者に応じた切れ目ないサービス提供と費用負担による「介護格差」の拡大防止▽良質な介護人材の確保と介護職の地位向上▽介護を軸とした新しい地域づくり-の5点についても要望書に掲げている。
「介護1000万人の輪」では、次期介護報酬改定に向けて政策の提言や調査・研究を行っていく予定で、事務局では「分科会などを開催しながら、今年中に介護保険制度について何らかの提言をしたい」と話している。
全く、共鳴させられる内容です。私も以前から「新たな要介護制度の凍結」を主張していました。
「新制度」の決定過程の不明朗さや「新方式」の認定基準の不当さが、今回の改定方式を黙認するとこれからも同様の「官僚主導の改定」で規定事実化されてしまうことが危惧されるのです。
これでは、まさに国民不在の、厚労省の勝手気ままな「介護制度」をなし崩し的に作り上げられることになるのです。
以前指摘したように、今回の新認定基準では、介護利用者の「軽症化」が計られます。
具体的には、「要介護1」が要支援に軽症化されことに端的に表れるのです。
さらに根本的な問題は、「医療保険」に適応されている「現物給付」ではなく「介護制度」が「現金給付」によって制度が組み立てられていることなのです。
「介護現場で、国家資格者であるケアマネージャーや施設管理者が、それぞれの利用者の実状に基づいて判断し、用意された介護サービスの中から適切なものを選択して提供する」という、いわば現物給付による介護サービスを進めるべきではないでしょうか。
今後危惧されることは、介護保険で「現金給付」を浸透させ、あわよくば医療保険も「現物給付」から「現金給付」へと変更させられることです。
実は、医療給付の中で現在急ピッチで進められている日本型DPCも「定額医療」の亜型として定着化が図られようとしています。
もし、日本型DPCが、急性期病院の大半で導入されるならば、日本の急性期医療費は、一気に大幅削減されることは、火を見るよりも明らかです。
こうして、介護保険の中に導入された「現金給付」が医療保険の中にも席巻していると、日本の医療の優れた特質としてある「国民皆保険制度」までも破壊して来るのではないでしょうか。
従って、今日の時点での諸矛盾はありながらも、介護保険制度を出来るだけ国民のためになる内容に作り上げることは、日本の医療・介護保険制度の充実に大変重要な課題ではないでしょうか。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
2009年3月12日 村山みのり(m3.com編集部)
3月9日、日本経済新聞朝刊に掲載された社説「レセプト完全電子化を後退させるな」に対し、様々な医療関係団体より抗議文書・声明が上がっている。神奈川県保険医協会は3月10日に談話を発表、日本医師会も3月11日の記者会見で反論を述べた。
神奈川県保険医協会・保険診療対策部部長の入澤彰仁氏(レセプトオンライン請求義務化撤回訴訟・原告団幹事長)は、『財界のお先棒を担ぐ日本経済新聞3月9日付 社説「レセプト完全電子化を後退させるな」は、社会の現実を知らない「構造改革主義者」の戯言』とする談話を発表。
また、日本医師会・中川俊男常任理事も記者会見において「日本経済新聞の社説に対する反論」を発表し、「事実誤認に基づく内容であるだけでなく、全国各地で真摯に地域医療を支えている医師や医療関係者と患者との信頼関係を揺るがすものであり、断じて容認できない」と厳しく批判した。 問題となっている主な記述箇所と反論内容は以下の通り。
現在医療界が反対しているのは「レセプトオンライン請求義務化」である。しかし、同社説では、この言葉は一切使われず、「完全電子化」としている。入澤氏は、談話において「医療でIT化が遅れているために医療の質が向上しないとでもいうような文章。論点を“請求方法”から“医療データの活用方法”へすり替えている」と指摘。費用の請求方法と患者国民の享受する医療の質の向上を混同しているとした。
同様に、「電子請求があまねく行き渡れば、病気の種類ごとに治療方針を標準化する作業にも弾みがつく」との記述についても、「レセプトデータはあくまでも請求明細書なので病気の種類ごとの“標準的な値段”の整理には役立つかもしれないが、治療方針のエビデンスを得るのは不可能」とし、「社説は請求事務効率化・人件費圧縮による医療費抑制を主張するが、実際には病気ごとの標準的な値段をコントロールすることによる医療費の抑制を考えていることは明らか」と指摘した。
治療方針の標準化については、日本医師会・中川俊男常任理事も「医師の裁量権が失われ、さらに患者の特性に応じた医療が制限される恐れがある。新たな医療・高度な医療へのインセンティブが弱まり、医療の平均水準が低下する」と懸念を示した。
日本医師会・中川俊男常任理事は、「これ以上医療崩壊を加速させてはならないという切実な危機感からの反対を“言い訳”と歪められたことは極めて遺憾」と反論。
社説で言及されている「診療所のシステム投資には税制上の支援策」に当たる「情報基盤強化税制」は70万円以上が対象であり、かつ診療所が活用する製品で基準条件を満たすものがないこと、「独立行政法人による低利融資」は独立行政法人・福祉医療機構の「経営安定化資金融資」を指すと思われるが、これも医療機関の負担での借り入れであり、厳しい医療費抑制の中では医療機関をさらに困窮させること、「診療報酬政策でも電子化への加算制度を設けた」というが、診療報酬の電子加算はわずか3点(30円)、かつ初診時のみの加算であり、あまりにも実態とかけ離れていることなどを示した。
同記述については、入澤氏も「控除があろうが融資があろうが、余裕がない医療機関にとっては意味がない」と批判。「電子化加算は一月20日間の診療で新患10人で計算した場合、請求電子化に必要な費用300万円を充当するには500カ月、40年以上かかる」とし、「さらに、電子化加算はオンライン請求義務化導入になるとなくなる。現に昨年4月から400床以上のほとんどの医療機関がオンライン請求義務化となり、加算が廃止された」と指摘した。
入澤氏、中川氏ともに、そもそもオンライン請求義務化は、医療関係者の声を聞かずに規制改革・民間開放推進会議や官邸の主導で決定された「小泉構造改革の負の側面」そのものであると主張。入澤氏は「財界が医療を食い物にしようとすることに対して我々が声を上げ、患者国民に実態を伝え、訴訟を起こし、世論が動き始め、与党が問題視したことにあせって、財界の代弁者である日本経済新聞の社説で論陣を張ったに過ぎない」とし、社説の撤回を要求している。
中川氏も、日本医師会として今回発表した抗議文を日本経済新聞へ送付するとともに、オンライン請求完全義務化の根拠となっている2007年6月に閣議決定された、「経済財政改革の基本方針2007(骨太2007)」に基づく「規制改革推進のための3か年計画」の今月中の撤回を、引き続き強く求めていく考えを示した。
「レセプトオンライン請求義務化」は、全国の医師・医療団体から反対意見があがっています。
聞くところによると、与党内部からさえ反対意見が出ている始末です。
さて、この電子化を最初に正式に持ち上げたのは、あの有名な「規制改革・民間開放推進会議」であることは、すでにご存じのかたは多いと思います。2005年12月21日の第2次答申に明記されています。http://yb-satellite.co.jp/main/iryou/archives/mw2926.pdf
当時の座長は、オリックスの宮内義彦CEOでありました。
宮内氏と言えば、「かんぽの宿」問題で、郵政民営化の中で暴利をむさぼろうとしたことが明らかにされました。
しかし、宮内氏らは、郵政民営化だけではなく、「医療のIT化推進」の中で医療機関へのITメインテナンスやリース業務などでも自社への利益誘導を計ろうとしているのではないでしょうか。
こうした自己利益のためにだけ、国民の財産や国民の医療制度を明け渡すことは絶対に拒否しなければなりません。
「小泉改革」なるものの負の遺産(国民への背任?)の事実が、これからも明らかにしなければならないと思います。
固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
記事の引用が長くなりましたが、医学生や研修医が語る今回の厚労省や文科省が進めようとしている「研修医配置計画」への反対は、全く理にかなったことではないでしょうか。
元をただせば、2004年から開始された「新医師臨床研修制度」は、新自由主義路線に基づいた「聖域なき民営化路線」の一環でした。
それまでの大学医局を中心とした関連病院への医師配置を「封建的徒弟制度」とし、それに変わる「自由競争・自由選択」の名の下に導入されたのが今回の制度です。
それまでの医局講座制を中心とした医師人事・研修・研究制度を否定した側面もありましたが、一方でそれまでの医師人事システム自体が乱暴に破壊されてしまったのです。
そうして、厚労省の本当の狙いは、一度制度を破壊しておいて混乱を招き、それを「解決」する過程で全国の医師配置へ国家の意志を反映出来るシステムの構築(医師配置の官僚統制?)ではないでしょうか。
(余談ですが・・・医療費と医療内容の統制は、DPCの導入で始まっています)
今日、大学においては、「独立行政法人化」でそれまでの大学の自主性が蹂躙されて「経営的側面」が重視され、大学病院ではDPCの導入で在院日数と利益確保の経営を迫られ、「若手医師の研修」を受け入れる余裕さえ奪われているのが実態です。
また、地方の研修条件の完備出来ない病院に数合わせために研修医を配置しても、研修医も指導医も共倒れになることは、当事者が一番よく知っていることではないでしょうか。
大切なことは、現在の医師研修制度をさらによくするために、当事者である医学生と研修医の意見を取り入れることです。
大学病院であれ地方の研修病院であれ、現在の「絶対的医師不足」の解消策を徹底的に進めることなくして、「医師研修条件の向上」はありません。
今回のように、顕在化した「医師不足」を今度は研修医の配置で乗り越えようとする(誤魔化そうとする)厚労省の官僚的、実用主義的な方法では、全く問題の解決になりようがありません。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (5)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 | 31 |