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ソマリア沖海賊 なぜ「海自艦」派遣なのか

20081227 西日本新聞)

 麻生太郎首相がきのう、アフリカ東部ソマリア周辺海域の海賊被害対策として海上自衛隊の護衛艦派遣を検討するよう浜田靖一防衛相に指示した。

 この海域で多発する海賊被害の深刻さや日本関係船舶の被害、国連安保理の制圧決議を考えれば、日本が海賊取り締まりに協力するのは当然だろう。

 しかし、なぜいきなり海自艦派遣なのか。自衛隊の海外活動にはさまざまな法的な制約がある。派遣には納得いく説明と国会での慎重な論議が必要だ。

 そのうえで、日本が取り得る有効な手だてを講じるべきではないか。拙速な海自艦派遣は、慎重であるべき自衛隊の海外派遣の範囲を、なし崩し的に広げることにもなりかねない。

 首相が海自艦派遣の検討を指示したソマリア海域は、紅海からインド洋への出口にあたる。年間に各国の商船約2万隻が行き交う海上交通の要路である。日本の船も2000隻以上が通航する。

 同海域での海賊発生件数はことし100件を超えた。昨年の2倍以上だ。被害は1隻数億円の身代金だけではない。国際貿易ルートの不安定化や船舶保険の高騰などで世界経済への打撃も大きい。

 国連決議に応じて、米欧を中心に20カ国近くが軍艦を派遣し、海上での監視活動や船舶護衛に乗り出している。貿易に依存する日本が手をこまねいているわけにはいくまい。国際社会と連携して有効な海賊対策を急ぐ必要がある。

 政府は海賊対策のための新法を制定して海自艦船を派遣する方向で検討に入っているが、「ねじれ国会」の下では法整備に時間がかかる。

 そのため首相は当面の措置として、現行法令でも公海上での活動が可能な自衛隊法の海上警備行動による海自艦派遣の検討を防衛相に指示したとみられる。

 しかし、海上警備行動による海自艦の活動には疑問や問題が多い。

 警護の対象が日本籍船や日本人が乗った船舶に限られるため、外国船が海賊に狙われても警護できない。海賊に攻撃された場合、どこまで応戦できるのか。武器使用基準もあいまいだ。

 本来、日本近海での危機に対応する目的で設けられた条項であり、アフリカ東部のソマリア海域での長期の警備活動は法の趣旨を逸脱するのではないか。政府内にも慎重論がある。

 浜田防衛相が海上警備行動に基づく派遣に慎重姿勢を見せたのも、派遣しても的確かつ十分な任務遂行ができるかどうか、疑問と不安があるためだろう。

 日本には、かつてマラッカ海峡で多発した海賊行為を海上保安庁が中心になった訓練支援や情報共有、技術提供などで沈静化させた実績がある。

 自衛隊だけが何も国際貢献ではない。ソマリア周辺海域でも「初めに海自艦派遣ありき」でなく、有効な国際協力は可能なはずだ。拙速は禍根を残す。 2008/12/27 西日本新聞朝刊===============

ソマリア沖の海賊対策への海上自衛隊の派遣は、やはり唐突の感は否めません。

しかも、国会休会中のドサクサに紛れて、自衛隊の海外派兵の規制事実作りかも知れません。

何度も問題となっていますが、自衛隊派遣だけが国際貢献ではないことは明白です。 

海賊被害を根絶するために、当面する「犯罪予防」と被害船舶の救出はもとより、国家が「崩壊」し、海賊が発生するソマリアに対する国情安定への支援など、根本的・総合的な政策も検討すべきではないでしょうか。

以下のコラムは、海賊への確かな見方だと思いました。

海賊(12月27日北海道新聞 卓上四季)

海賊を奨励する時代があった。たとえば英国は十六世紀、敵国の船を略奪する免許を国王が与えている。

戦利品は海賊と国王で山分けだ。平和が訪れ海賊が不要になると、「失業者」たちはアメリカ海域に渡り、カリブの海賊となった。

アラビア半島周辺の海域も、昔から海賊が出没した場所だ。コーランに「すべての船を分捕る王」が出てくる。きのうの朝刊に登場したソマリア沖のソコトラ島は、有名な根拠地のひとつだった

国土が海に突き出したソマリアは、アフリカの角(つの)と呼ばれる。紅海とインド洋を結ぶ航路が近い。内戦で無政府状態になり、海賊が多発している。今どきは、ロケット砲や衛星測位システムを備えた高速艇で人質を取るという

麻生首相が、海上自衛隊の護衛艦をソマリア周辺の海域に派遣する考えを示した。「事は急いでいる」と、本来は日本の領海内を想定した「海上警備行動」として送る意向だ。浜田防衛相は、これに慎重な姿勢でいる

国連安保理で海賊対策について決議されたのは六月と十月だ。なぜ今になって急ぎだしたのか、十分な説明はない。国会の合間だ。暮れのどさくさ紛れのような、唐突な印象もある

海賊は、いわば復活した「伝統産業」だ。被害を防ぎ根絶するためには何が必要か。自衛隊の海外派遣自体を目的とするのでない限り、そこから論議を重ねるのが筋道というものだろう。

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■海賊対策で海自艦派遣 首相、来週にも手続き開始―公海上での防衛は当然のことか?
こんにちは。海賊対策で、自衛隊の護衛艦を派遣できるよう麻生首相が手続きを開始します。当然といえば、当然の措置だと思います。このままだと、日本の艦船は、海賊の格好の標的になってしまいます。そうなると、原油でも、食料でもいつもあてにならなくなる危険に晒されます。また、去年のように、原油や食料品の高騰にいつ悩まされるどころか、一時的に枯渇ことになるかもしれないのです。そんなことは、到底許容できません。ただし、船の国籍便宜上というより、節税のためリベリア船籍などもありますが、この場合も当然対象となるのだと思います。ただし、各国との話あいと協調が必要になってくると思います。いずれにせよ、海賊は全世界の国々にとって危険で迷惑な存在です。これに対して、断固たる措置をとることは日本国憲法の問題とは直接関係はありません。日本も、海賊に対して断固たる措置がとれるように万全の体制を築いていただきたいと思います。詳細は是非私のブログをご覧になってください。
written by yutakarlson / 2009.01.19 10:22
yutakarlsonさん
コメントをありがとうございます。
「海賊」に断固たる処置をとることは必要です。
しかしそれが、海自の海外派遣となれば話は別です。
防衛省のとまどいを隠せないでいるのです。
というのは・・・・
自衛隊の海外派兵に関しては、相当伸長にしなければなりません。ましてや「海賊」に対してでも武器使用となるとなおさらです。
「海賊」には、まず海上保安庁の出番です。かつてマラッカ海峡での「海賊対策」に実績があるからです。
それを捨象して周りがびっくりするほど海自の派遣を急ぐ麻生政権には、なにが何でも「自衛隊の海外派遣と武器使用」の実績作りに血道を上げている様でなりません。
written by 北のCOSMOS / 2009.01.19 18:33

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