米大統領選後、私の地元のローカル紙である北海道新聞に以下の座談会が掲載されていました。

 出席者は、手嶋龍一氏(ジャーナリスト、慶大教授、元NHKワシントン支局長)、堤未果氏(ジャーナリスト)、佐藤勝氏(作家、元外務相主任分析官)の3人です。

 それぞれが、アメリカ経験が長く、これまでも独自の視点でアメリカを語ってきた方々です。 

 

その全てを紹介できませんが今回は、私の目が止まった箇所を報告させていただきます。

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米大統領座談会

(2008年11月7日 北海道新聞)

 

変革なるかオバマ氏 

 

(金融・経済上)貧困大国はチェンジできそうか? 

堤:貧困大国とは米国型経済モデルの結果。戦争経済を続けている限り、変えるのは難しいと思う。ただ、金融も製造業もダメとなると戦争しかない。そうなれば医療など守るべきものが守られなくなり、貧困大国が拡大する。

 佐藤:心配されるのは、戦争によって処理してゆく方向だ。

 手嶋:米国が大恐慌から脱したのは、第二次世界大戦があったからだ。まさに新しいタイプの戦争に突入してゆく可能性がある。戦争好きのブッシュの時代が終わり、対話路線のオバマが来たと楽観できない。

 堤:オバマ氏の「変革」に期待をした人たちは雇用確保や格差是正を望んでいるが、私は疑問がある。この8年間で軍事費は増大し、オバマ氏はアフガニスタン派兵も明言している。金融危機対策も必要だ。弱者への対策費はどこからという不安がある。 

 

(外交・安保上)イラク・アフガンの問題は?

 手嶋:アフガンに主力を注ぐことになる。従来は、一国主義で日本に多くを求めなかったが、インド洋の給油は言うに及ばず、もっとリアルに実力部隊を求めてくる。日本の民主党には「オバマ政権は日本にとって良い」と考える向きもあるがそんなことはない。小沢民主党は国連中心主義、オバマ氏はそうではない。全体ではチェンジの風が吹いているかもしれないが、安保分野は必ずしもそうならない。 

 堤:米国は徴兵制ではないが「経済徴兵制」になっている。社会保障費削減などで貧困そうがつくられ、生活のために軍に入ったり、戦地に行ったり、効率よく戦争が続いている。そういう戦争経済が続くなら、もっと貧困層を戦争に行かせる政策が続き、日本も兵を出せと必ず言われる。

 

オバマ新大統領の思想と理想、様々な政策など、これからが始まりです。

 ただ、これまでとは違い、彼はアメリカただ一国の指導者ではなく世界全体に影響を及ぼす立場にある者として、ますます注目してゆかなければならないと思います。

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 DPC新係数で社会的役割を評価-厚労省提案

 厚生労働省は117日、中央社会保険医療協議会(中医協)のDPC評価分科会(会長=西岡清・横浜市立みなと赤十字病院長)に、現在の調整係数を廃止した後に導入する新たな機能評価係数で、DPC対象病院に社会的に求められる役割や、地域医療に対する貢献度などを評価する考えを示した。これらの方向性自体への反対意見はなく、同分科会は、今月中旬に開く中医協基本問題小委員会に報告する。

 同省はこの日の分科会に、新しい機能評価係数に関する基本的な考え方の案を提示。その中で、DPC対象病院を「『急性期入院医療』を担う医療機関」と位置付け、新しい機能評価係数について、「『急性期』を反映する係数を前提とするべき」とした。

 具体的には、社会的な機能や地域医療への貢献度のほか、医療の透明化や効率化など、患者のメリットにつながると考えられる内容を新しい評価係数に盛り込むことを提案。また、係数による評価は減点式ではなく、加算式を原則とする考えも示した。

 社会的な機能・役割への貢献度を係数に反映させる提案は、救急医療に積極的に対応している場合などに評価を求める意見を受けたもの。ただ、具体的な内容に関しては意見集約ができておらず、次の診療報酬改定に向けて引き続き議論する。

 同省はまた、新機能評価係数について、一定の症例数などに応じて段階的に評価するだけでなく、DPCデータを活用して一件ごとなど、より細かく評価する仕組みも提案した。この場合、診療内容が過度に変容しないよう、「係数には上限を設けるなど考慮が必要ではないか」としている。

 一定の症例数などに応じて段階的に評価する従来の仕組みでは、必要以上に症例数を増やす方向にインセンティブが働く可能性があり、症例数ごとの評価をよりきめ細かくすることで、こうした状況を解消する狙いがあるとみられる。

更新:2008/11/07 15:58   キャリアブレイン

医療の中に「定額医療制度」を導入するために、これまで実施されてきたDPCが新たな段階を迎えつつあります。

これまで、「調整係数」によって、急性期病院の前年度の医療収入を確保させ、定額医療制度へ多くの医療機関を誘導してきました。

それまでのやり口は、診療報酬を引き下げて殆どの病院の経営を悪化させ、DPCの導入によって、経営をなんとか安定させることができました。

つまり、DPCに急性期病院を追い込んできたのです。

しかし、その実態は、調整係数の操作によって、「安定化させてもらえた」にすぎませんでした。(事実、経営のために自ら進んでDPCに手上げをした病院が数多くありました

事実、すでにあるDPC適応病院の中でもかなりの割合で、経営的に赤字に転落か、転落しそうな病院が出ているのです。

と言うことは、政府・厚労省の「基準」の設定いかんで、DPC病院の経営が左右されてくることは、これまで以上に明確になっています。

今度は、「調整係数」に代わって、各病院の「社会的役割」や「地域への貢献度」を評価して、「機能評価係数」なるものを設定し病院経営の命運を握ろうとする側面が強く出てきました。

つまり、今度は、厚労省に「社会的役割」や「地域への貢献度」が評価されなければ、DPC病院になれないかなっても低い「機能評価係数」が設定される可能性が出てきました。

「調整係数」は、医療収入の前年度割れを防ぐという比較的客観性がありました。

しかし、今回の「機能評価係数」は、「社会的役割」や「地域への貢献度」など、客観的評価が乏しく、厚労省が進めるその時々の政策で、恣意的になんとでも変更可能なものではないでしょうか。

となれば

第一に、医療抑制政策を推進する厚労省が、多くの病院を「機能評価係数」の翼下に治めた後は、急性期病院の殺生は、思いのままになると言うことです。

DPCの新たな展開は、「後期高齢者医療制度」のようになにが何でも医療費削減に突っ走る厚労省に、急性期病院再編へのフリーハンドを与えるようなものではないでしょうか。 

第二に、その地域での「社会的役割」や「地域への貢献度」を厚労省に認めて貰うために、ある限られた地域での「病院間の競争」が仕掛けられることになります。

これまでも地域での病院間の連携は、各病院がその医療活動方針や病院経営を互いに尊重しあいながら積み上げてきました。

しかし、これからは、高い「機能評価係数」を得るため、病院間での「競争」が持ち込まれる可能性が出てきました。・・・今や、過去のものになりつつある「市場原理」「競争原理」です。

これからは、「00病院は、DPCでのライバル病院だ」なる言葉が飛び交うかもしれません。

そんな「競争原理」を働かせるところで、本当の病院連携が構築されてゆくとは思いません。

となれば、医療を受ける側、つまり国民に一番の被害が強いられることになるのです。

医療界に持ち込まれる「競争」が、いずれは医療界の分断を招き、「医療従事者の力」は、弱められることになります。

すでに多くの急性期病院がDPCを導入し、次の「機能評価係数」で有利なポジションにつくための準備に入っていますが、こうしたことが実は、自らの墓穴を掘っていることを自覚すべきではないでしょうか。

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