医療・介護費、2025年度に90兆円超 消費税4%上げ必要

 

政府の社会保障国民会議(座長・吉川洋東大教授)は23日の医療・介護・福祉分科会で、将来の医療・介護費用の財政試算を公表した。医師、看護師の増員など医療体制の強化を最も進めた場合に追加的に必要になる国と地方の財政負担は2025年度時点で14兆円。消費税率に換算して4%分に相当する。消費税増税を含めた社会保障制度の給付と負担に関する議論に影響を与えそうだ。

 試算は65歳以上の人口割合が25年に30%に達する高齢化社会に備え、あるべき医療・介護の姿と国民負担の関係を示す狙い。医師不足などの問題に積極的な対策を打たない「現状維持のケース」と、医療サービスなどの改善をめざす「対策強化のケース」に分けて算出した。

 対策強化の具体策は(1)医療従事者の増員(2)入院が必要な患者のベッド数確保――など。在宅・訪問診療の促進など医療費抑制につながる政策も進めるが、それでも「医療・介護制度の維持には負担増は避けられない」との方向を強く示す結果となった。(23 日経新聞)

消費税3~4%分必要=医療・介護の追加費用-25年時点で試算・政府

 政府は23日、高齢化が進行した2025年時点の医療・介護費用の試算をまとめ、社会保障国民会議(座長・吉川洋東大大学院教授)のサービス保障分科会に提示した。公的な医療・介護のサービス提供体制について「あるべき姿」を設定し、その実現に必要な費用を明らかにしたもので、同年には消費税率に換算して3~4%程度の追加財源が必要になるとの見通しを示した。消費税率の引き上げを含む税制の抜本改革に向けた論議に影響を与えそうだ。
 

 医療・介護のサービス提供体制については具体的に、(1)現状で推移(2)穏やかな改革(3)大胆な改革(4)さらに進んだ改革-との四つのケースを設定。07年に385万人の医療・介護職員は、(1)の現状推移ケースでも551万~563万人程度に増加し、(2)(4)の改革ケースでは、627万~684万人必要になるとした。
 

 改革ケースでは、医療・介護職員を大幅に増やして救急患者らに対する急性期医療を充実し、平均入院日数を短縮するなど、医療提供体制を効率化。介護では、在宅サービスを充実するなどの体制整備を図る。
 

 この結果、各ケースの25年時点の医療・介護費用は、07年の41兆円程度に対して、(1)で85兆円程度、(2)(3)は91兆~93兆円、(4)は92兆~94兆円程度になると試算した。公費については、(1)では消費税率換算で3%程度、(2)(4)では同4%程度の追加財源が必要になる。さらに、保険料負担も(1)で消費税換算2%程度、(2)(4)で同3%程度増やす必要があるとした。(2008/10/23-20:06 時事通信)

今回の「医療・介護費用の205年試算」によると、急性期には、医師や看護師など人的充実を図り、「人もお金も」投入するのですが、高齢者が多い慢性期医療にはできるだけ「人もお金も」出さずに病床削減や「在宅」を推し進めようとする内容です。

こうした「急性期」と「在院日数短」を重視した内容では、病院から出たあと、行き場のない「医療・介護難民」がたくさん生み出されてきます。

また、先日の東京都での「妊婦死亡」のように、全国で現れている救急患者さん受け入れ困難の現場の変革も十分ではありません。

これでは、今日まで推し進められてきた「医療削減政策」の結果生じさせられた「医療崩壊」を止めるどころか、いっそう加速されてゆく内容ではないでしょうか。

そもそも社会保障には多額の費用がかかります。毎回、厚労省の出す「費用試算」は、かなりの高額設定となるのが「常識」です。

今回も、同様な手口で「多額の医療・介護」として公表し、「医療費削減政策」の根拠作りとし、また、消費税増税など国民負担を不可避になるとの方向に国民世論を誘導する意図があることが否めません。

日本の社会保障費が、先進国の中で最低水準にあることは、事実です(GDP比、日本17.4%、イギリス22.4%、ドイツ28.8%、フランス28.5%)

これからに向けて、今まで社会保障費を抑制し、医療と介護を崩壊に導いてきた「構造改革路線」からの転換なしに国民が求める「豊かな社会保障」はあり得ません。

近く出される最終報告では、こうしたことをしっかり注視したいと思います。

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