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リーマン破たん(9月17日北海道新聞 卓上四季)

明治政府は日露戦争の際、資金不足に悩んだ。砲弾も足りず、作戦前にあわてて注文したほどだ。司馬遼太郎が書く。「これほど滑稽(こっけい)ないそがしさで戦争をした国は古来なかったに違いない」(坂の上の雲)

欧米から借金するため、日銀の高橋是清(これきよ)(後の首相)が派遣された。だが貸し手はなかなかいない。やっと引き受けたのがユダヤ人の銀行家だ。司馬の小説にも登場するこの銀行が、リーマン・ブラザーズの一つの源流である

綿花取引の時代から百五十八年の伝統を誇るリーマンは、ニューヨーク金融街の象徴だった。ライブドアがニッポン放送株を取得した時、資金を提供したのは記憶に新しい。経営危機は知られていたが、破たんまでは想定されていなかった

負債総額の六十四兆円は日本の国家予算の八割近い。「百年に一度の危機」「これまでに見たすべてを上回っている」。かつて金融の神様といわれたグリーンスパン前FRB議長も、驚きを隠さなかった

金融は、経済の血液と例えられる。資金の流れを保つシステムは公的だが、資金の持ち主は私的な利益を追求する。投資や投機の失敗で起きる金融不安の大波を、誰もコントロールできない。マネー社会の仕組みとは不可思議なものである

米国経済の血行障害は世界に響く。楽ではないわたしたちの暮らしが、ますます苦しくなるのか。とんだ災難、うんざりだ。

米、証券大手「リーマン・ブラザーズ」の破綻は、世界の金融不安を一気に加速しそうです。

企業の株式・債券の発行や合併・買収で稼ぐ「投資銀行」のひとつ(全米4位)であるリーマンは、以前からサブプライムローンの破綻で巨額の損失を抱えていたのです。

これまでも投機マネーは、「金儲け」をかぎつけて世界中どこへでも現れ、経済危機を作り出し、危なくなればそこを逃れて、次の「金儲け」に向かって動き出してゆくのです。

まるで、資本主義経済を極端な「金儲け」に特化した「カジノ資本主義」とでも言うようなものです。

ですから、今回の破綻は、すでに織り込み済みなのかもしれません。

しかし、それが及ぼす影響は、日本でも例外ではありません、むしろ、円高・株安の影響が、労働者の賃金抑制や国民の購買力低下で我が国にも本格的な不況が押し寄せてくるかもしれません。

また、我が国の金融機関からもリーマンへの直接投資(合計4400億円)もありますので、ここしばらくは予断を許しません。

さて、リーマンと日本の関わりは、日露戦争での戦費調達にまでさかのぼるのだそうです。

そのころから、リーマンは、お金儲けのためにはそれが戦争遂行のためでもかまわないと言う体質があったのでしょうか。    

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