「若者の死」(8月29日 北海道新聞 卓上四季)

現地に行かなければ何も始まらない。若者は、アフガニスタンでの支援活動を望んだ理由を、志望動機にそう記していた日本の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)が武装グループに拉致され、変わり果てた姿で見つかった。こんなことがあっていいのか-。異国の人々に役立ちたいという夢を、理不尽にも断ち切られた心情を思うと、怒りとやり切れなさがふつふつと込み上げてくる学生時代に農業を学び、その知識を生かしコメやサツマイモの栽培を指導した。現地の言葉を話し子供たちからは「カズヤ、カズヤ」と慕われた。拉致された時には大勢の村人が犯人グループを追いかけたその一つ一つのエピソードが、この五年をアフガンにかけた若者の姿を物語っている。伊藤さんは現場で懸命に生きた。人々の輪に溶け込んで、復興に尽くしたこの夏、一時帰国した同会現地代表の医師、中村哲さん(61)にお会いした。ほんの二週間前のことだ。そのとき中村さんは「治安は悪化するばかり。しかし引き下がるわけにはいかない。復興のモデルをつくりたい」と話していた拉致現場となったブディアライ村付近では用水路が開かれ、干ばつで砂漠化した地が沃野(よくや)によみがえった。伊藤さんら同会スタッフと農民の汗の結晶だ。再び田畑を干上がらせてはなるまい。それが志半ばで逝った若者の心だろう。

伊藤和也さんの死が、アフガン復興支援、NGO活動、ボランティア活動、国際支援などについてこれから大きな議論が巻き起こるものと思われます。

そうした中での伊藤和也さんが記したペシャワール会への入会・志望動機を読むにつけ胸の中に熱いものがこみ上げてきます。

弱者への思いやり、アフガンの子供達への溢れるような愛情、何よりも現地の人々の生活にとけ込み、苦楽を共にしてきた伊藤さんの姿が目に浮ぶようです。

そして、伊藤和也さんの「死」という重大事態にあっても、中村哲先生の言葉・・・・「しかし、引き下がるわけにはいかない・・・・」の中に、彼らの本当の意志を感じ取ることができました。

札幌の地からでもできる限りの支援を彼ら「ペシャワール会」へ!!

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学生増なら教員も増やして 国立大医学部長会議が要望

 

 国立大医学部長会議は27日、政府が検討している医学部の定員増に関連し、それに見合った教員増員や教育経費の増加を求める要望書を福田康夫首相と関係閣僚に近く提出すると発表した。

 要望書では「教育に必要な人的物的措置がなければ、医学教育の質が低下するだけではなく、教職員の疲弊にもつながる」と指摘。学生定員増1人あたり1000万円の運営費交付金の配分や、定員増20人あたり12人の教員の純増を目安に、予算措置を求めている。

共同通信社更新:2008/08/29

 医学部定員増が実現するに伴い、教育環境の整備や教育体制の充実を求める声が出てくるのは、至極当然な事です。 

もし、学生数を1.5倍にするのであれば、教員数は1.5~2倍ぐらいは必要です。 

一方、この間進められてきた、国公立大学の「独立行政法人化」がそうした教育研究スタッフの充実の妨げになりはしないものでしょうか。 

色濃く教育的役割のある大学病院でさえ、いずれ独立採算を求められているのが現状です。

 そして、医学部も含めて「独立行政法人化」が進行する教育現場では、研究員や補助員の中に派遣職員の比重が増してきています。 

また、正規の職員でも、数年間の短期間での研究成果が求められ、長期的視野にたった研究が育ちづらくなっています。 

そうした中で、増加した学生達に良質な教育を提供するには、どうしても数多くの教育スタッフが必要です。 

こうしてみると、今回の「医学部定員増加」には、「文教予算」の増額を含め、国の進めている現在の大学政策そのものに手をつけなければならないことは、明らかではないでしょうか。

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