アフガニスタンでの伊藤和也さん死に当たり、以前現地で日本政府の特別代表として軍閥の「武装解除」に取り組んできた伊勢崎賢治氏の重要な指摘があります。

「アフガンの今は、国家が破綻に向かいつつあり、政府は、麻薬栽培も押さえることができないぐらい弱体化しているのです。

その根源には、アメリカによる出口のない戦争と掃討作戦があります。

また、この戦争を隠れ蓑にして、政治家の腐敗や、違法行為をしているグループが犯罪を犯しやすい環境がつくられてきました。

先日も米軍など多国籍軍の攻撃で90人の民間人が犠牲になりました。こうした中で、アフガンの人々は、米国よりのカイザル政権に不信を持っています。

今では、犯罪があっても警察ではなくタリバンに届けると言うことも起きています。」

昨年11月の国会の衆院テロ特別委員会での参考人質疑で、伊勢崎氏が警告したことは、「日本のテロ特措法にもとずく活動がアフガンで知られるようになって、(日本は武力で介入しないという)「美しい誤解」がくずれつつあるということ、だから、テロ特を延長すれば、そのリスクを覚悟しなければならないと言うことでした。

今こそ、「治安悪化」の根源を真剣に考えなければなりません。

アフガニスタンで活動する内外のNGOの連絡調整機関、ACBAR(100組織が加盟)が、8月1日に声明を発していました。

「我々は、軍事的手段によって紛争に終止符がもたらされることはないと強く確信している」 

インド洋給油や、ISAFへの自衛隊派遣など、アフガン支援を名目に自衛隊の海外派兵を画策している日本政府の政策は、こうした治安の悪化を加速することになるではないでしょうか。

また、これを機に、アフガンでもNGO活動を一律に規制しょうとする、政府の単純方針には、大きな疑問を抱きます。

現地のNGOスタッフや地元住民と協力しながらこれまでのNGO活動をより安全に遂行できるようぬするための方策をたてるのが政府の仕事なのです。

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医学部の定員1.5倍に 厚労省の検討会が提言

(200882832分 朝日新聞) 

厚生労働省の「安心と希望の医療確保ビジョン具体化検討会」(座長=高久史麿・自治医科大学長)は27日、医師の養成数について「将来的に現行の医学部定員(約7800人)の1.5倍の1万2千人程度まで増やすべきだ」とする提言をまとめた。病院勤務医の過重労働の改善や高齢化で増え続ける医療ニーズに対応するため、医師養成数の大幅増が必要と結論づけた。

  06年末の日本の医師数は27万8千人。提言では、日本の医師数が人口千人あたり2.1人(06年)と、米国の2.4人やドイツの3.5人より少なく、これを経済協力開発機構(OECD)加盟国平均の3.1人まで、引き上げる必要があるとした。

  厚労省によると、現在は医師国家試験の合格者は毎年7600~7700人。死亡などを除き、医師数は毎年3500~4千人程度増えている。検討会委員の試算では、医学部定員を今後10年間毎年400人ずつ増員し、10年後に総定員を1万2千人まで増やした場合、20年後に千人あたりの医師数がOECD平均並みに届くと推計している。

 医師養成数をめぐっては、厚生労働省が6月にまとめた「ビジョン」で医師総数の不足を認め、82年以降続けてきた抑制策を転換。厚労、文部科学両省で来年度から医学部定員を過去最大の8300人程度まで増やすことで合意している。具体化検討会は7月に新たに設置され、将来の医師養成のあり方を議論してきた。(立松真文)

 

厚労省の「安心・・・ビジョン委員会」から医学部定員1.5倍化の提言がでました。現在取り組まれている本田先生提起の「医師ふやせ署名」の立場からすると積極的な側面を持ったものだと思います。

しかし、そのためには、単なる「提言」ではなく、それを実現する様々な条件作りが必要ではないでしょうか。

まず必要なことは、教育環境の整備と共に、増加した「医学生の教育体制と教育内容の問題」です。

医学部に在籍する教育スタッフは、今でも学生教育の他に診療・研究と超多忙な毎日を送っていることは言うまでもありません。

そうしたことを緩和しながら、より充実した医学部教育を実践しょうとするのであれば、財源も含めて、現在の医学部スタッフを1.5~2倍ぐらいに増やすことも同時に提案すべきです。

国公立大学を「独立行政法人」化し、貧弱な大学行政にしてきた文科省の大学政策のあり方も検討されなければなりません。

また、医学教育の内容を検討するに当たり、現場の教育部門はもとより、当事者である医学生自身の声・要望をしっかり受け止めることが大切です。(官僚まかせでは、絶対ダメ!!)

同時に、医学部は臨床部門ばかりではなく、医学の発展に重要な基礎医学部門があり、基礎部門の充実も重要な課題です。

医学を総合的に発展させることも充分視野に入れた「医学部定員1.5倍化」を検討すべきです。

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「治安悪化を見通せず」 ペシャワール会現地代表が会見

20088272116分 朝日新聞) 

【バンコク=柴田直治】「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)が拉致され、遺体で発見された事件で、同会の現地代表、中村哲医師が27日、アフガニスタンに向かう途中のバンコクで記者会見した。「政治的背景はないと思う」としたうえで「治安の悪化に対する認識が甘かった」と話した。日本人は早急に撤退させ、現地スタッフで事業を続けるという。

  中村氏は、伊藤さんが活動していたダラエヌールに28日にも入る予定。同日、伊藤さんの葬儀に参加するという。

  アフガンで長年活動を続けてきた同会も、治安悪化を受けて、約20人いたジャララバードの日本人スタッフの半数を4月に帰国させ、残りも年内に出国させることになっていた。「用水路の事業があり、何とか突貫工事でやり遂げようとしていた」という。「以前は日本人なら大丈夫だったが、4月ごろから対日感情も急速に悪化していた。伊藤くんをとどめた私が悪い」と中村氏は悔やんだ。

  伊藤さんについて、中村氏は「砂漠化する農地をなんとかしようと最前線で働いていた。他の人が狙われても彼だけは大丈夫というほど現地になじみ、人々に好かれていた。大勢の村人が捜索に加わり、みんな悲しんでいる」と話した。

  伊藤さんの遺志を継ぐためにも、現地の人たちで事業は継続するという。「ソ連が来た時も、米軍の空爆時も活動を続けた。治安の悪化は武力では解決しない。空腹を満たす環境をつくることが大切だ」と持論を述べ、「アフガンのために働いたのにアフガン人に殺されたと断罪しないで欲しい。ほとんどの人は我々の事業に感謝している」と訴えた。 =====================================

 

アフガンで武装勢力に拉致されていた伊藤和也さんに、あってはならないことが怒ってしまいました。

アフガンの復興のために、住民の中に溶け込んで、住民お支持を受け、農業振興のために『水』を確保するために、多くの井戸を掘り、13Kmの用水路を作ってきたのが、中村哲先生を現地代表とする「ペシャワール会」でした。

そんな中での、今回の伊藤和也さんの拉致・殺害事件です。事態の真相は、これからより詳細になると思います。

治安の悪化が予想以上に深刻であったことは、中村哲先生も認めているところです。

だからといって、「ペシャワール会」が行ってきた理念と行動に誤りがあるわけではありません。

むしろ、治安の悪化を加速してきたこと事態が問題ではないでしょうか。

報道によれば、近年台頭してきた「パキスタン タリバン」なるものは、目的のためには手段を選ばない、凶暴な集団だということです。

また、数十年の戦乱の中で、少なからずの国民が、限られた宗教以外の思考回路からは遠ざけられている状態でもあります。

また、米国やISAFなどによる一般住民を巻き込んだ武力行使が、住民の反感を招き、タリバンやテロリストへの支持が国民の中に浸透していることです。

今夜のいくつかのニュースを見ていても、こうした「治安悪化の原因」とその「解決方法」を吟味し報じる番組はありませんでした。これは、アフガン報道の「片手落ち」といわざるを得ません。

伊藤和也さんの死を無駄にしないためにも、これからもできうる限りの努力が必要だと思います。

私は、中村哲先生の語った「反省」とこれからの「決意」に賛同いたします。

伊藤和也さんにたいし、心からご冥福を祈ります。

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