雇用が不安定な「日雇い派遣」の原則禁止を打ち出した厚生労働省研究会の報告書がまとまったのを受け、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の部会は30日会合を開き、派遣法改正に向けた議論を再開した。厚労省は9月中に提出される同審議会の建議を踏まえ、今秋の臨時国会に改正案を提出する方針だ。
「日雇い派遣の原則禁止」に対して、労働政策審議会で経営側委員から早速反発する意見が出されています。
これまで指摘されたように、「日雇い派遣」で人件費を大幅に削減して、大きな利益を上げてきた経営側にとっては、「経営的死活問題?」になりかねません。
しかし、「日雇い派遣」などの不安定雇用の増大は、社会的にも重大な否定的影響をもたらしています。大企業もそろそろ、新自由主義的成果主義からの離脱を図る時ではないでしょうか。
そして、企業の社会的役割を果たすような経営体質を身につけるべきなのです。
ただ、労働側が違法派遣を受け入れた企業の責任だけを追求して、「原則禁止」から距離をおいている気がするのですが・・・・。
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産科医・救急医に手当支給 社会保障緊急対策を政府公表(2008年7月29日12時14分 朝日新聞)
政府は29日、社会保障分野の緊急課題をまとめた「五つの安心プラン」を公表した。医師不足対策として救急医療を担う医師や産科医への手当支給、ネットカフェ難民の就職支援措置など。着手可能な政策は09年度予算の概算要求に盛り込む。目玉とされた厚生労働省の組織改革の具体策は示されず、有識者による懇談会に委ねることになった。
この日の閣僚懇談会で了承した。「安心プラン」は福田首相が通常国会終了後の6月23日の記者会見で表明し、(1)高齢者政策(2)医療(3)子育て支援(4)非正規雇用(5)厚労行政の信頼回復、からなる。
中長期的な制度改革とは別に、短期的な改革メニューを示して政権浮揚につなげるねらいだったが、公表された政策メニューは既存の政策の列挙や、その延長線上にあるものが目立つ。政府は「1~2年の間に着実に実行に移す」としているが、必要な財源の総額は現時点では不明だ。町村官房長官は閣議後の会見で、「これはまだ出発点。緊急に対応が必要なテーマばかりで、さらに煮詰めていく課題はたくさんある」と語った。
子育て支援策では新機軸として保育所と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」への「こども交付金」を新設し、財政支援の拡大も検討するとした。
働く高齢者の年金額を減らす在職老齢年金制度の見直しや、最低保障年金制度などの年金改革については「財源と併せ大きな検討課題」と位置づけた。来年3月までに結論を出す。 ===================================
29日に政府がまとめた社会保障の「五つの安心プラン」は、医師不足など社会問題化しているテーマに幅広く目配りした結果、約150の施策が並んだ。
ただ、厚生労働省などの主張をそのまま盛り込んだり、過去の施策の焼き直しだったりと、付け焼き刃の側面が目立つ。財源も明示されておらず、完全な実現を危ぶむ声も上がっている。
「こういう施策をきちんとやっていけば国民が社会保障に安心できる」 舛添厚労相は29日の記者会見で胸を張った。
プランでは、医師不足対策として、夜間・休日の救急医や産科医、へき地に派遣される医師らに直接手当を支給する制度の創設を初めて打ち出した。救急医療機関が激務で救急患者を受け入れられないケースが問題となっていたためだ。
医師の給与原資となる診療報酬は医療機関に支払われるため、診療報酬の改定では、医師の働きに見合う給与を十分確保できないという指摘があった。厚労省幹部は「安心プランの要請がなければ、新制度創設は出せなかった」と語る。
一方、「在職老齢年金制度」の見直しや基礎年金の最低保障機能の強化検討は、政府の社会保障国民会議の中間報告をそのまま取り込み、新味は見られなかった。フリーターの正規雇用化では、すでにある25万人の目標にさらに10万人上積みしただけだ。
プラン全体に要する費用も確定していない。厚労省幹部は「財源を考えて作ったわけではなく、何が必要な施策かを考えた」と説明する。
費用は、2009年度予算の概算要求に盛り込むことになる。施策の大半を所管する厚労省は、政府全体で公共事業関係費などの削減を徹底して工面する「重要課題推進枠」(3300億円程度)の活用で予算確保を目指す。舛添氏は同日夜のテレビ朝日の番組で、厚労省分だけで1500億円に上るとの見通しを示したが、地球温暖化対策など他分野の施策との奪い合いになる可能性が高い。財務省も「予算編成過程できちんと査定する」としており、プランの実現に必要な財源がすべて確保できるかどうかは明確ではない。======================
支持率低下に悩む政府と厚労省が鳴り物入りで発表した『5つの安心プラン』、
列記されている内容は、これまで小出しにされてきたことを整理して並べたようなことばかりです。
今の段階ではあくまでも09年度予算編成への概算要求でしかありません。
その財源は、09年度予算の中で設定された3300億円とも言われている「重要課題推進枠」のなかに求めています。
しかし、「重要課題推進枠」には、その他の様々な要求への配分が予定されているものです。
もし、いくらかでも予算が獲得しても、それはあくまでも09年単年度のことであり10年度も継続される保証はありません。
産科医や救急医、僻地医師に対する直接予算としての応援予算が該当医療機関に与えられたとしても、それが医師の収入に結びつくかは別の問題です。医師の収入自体は、その医療機関の給与体系によるからです。
ですから、「応援予算」は、本来どおり医療機関に対する「診療報酬」として組み入れられるべきではないでしょうか。
こうして、他の財政的にも実現不可能と思われる項目の羅列は、どうしても政権浮揚策的な印象がしてなりません。
政府・厚労省が依然として改めない「医療費・社会保障費削減政策」からの根本的転換が示されない限り、問題の解決にはなりません。
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