療養病床22万床存続 厚労省、削減幅4万床縮小の方針
(2008年7月25日朝日新聞)
高齢者の医療費を抑えるため、長期入院患者が多い療養病床を削減する計画について、厚生労働省は、35万床を12年度末までに18万床に減らす計画を修正し、22万床程度存続させる方針を固めた。受け皿となる介護施設が不足し、「患者が行き場を失う」と見直しを求める自治体や医療現場の声を受け入れた。
削減幅の見直しで、医療現場の不安は緩和されそうだが、削減方針は変わらず、受け皿整備が引き続き課題だ。
厚労省は全国の病院アンケートの結果をもとに「療養病床の患者の約半数は医療の必要性が低い」と判断。06年の医療制度改革で削減計画を打ち出した。削減分は介護保険の老人保健施設や在宅介護を受け皿とする方針で、療養病床を廃止した病院には介護保険施設への転換を促している。実現すれば年間約4千億円の医療費が抑制できるとしていた。
現在、国の指示を受けて各都道府県が療養病床の削減計画を作成中だが、作業中の新潟、奈良、佐賀の3県を除く44都道府県の計画数を合わせると、国の目標より3万多い約21万床。3県分を加えれば22万床となる見通しだ。
都道府県の計画数が国の目標を上回った背景には、療養病床を出た高齢者を受け入れる介護施設が大幅に不足していることや、病院が収入減につながる介護保険の施設への転換に消極的なことが挙げられる。自治体側は「介護施設の受け皿が整わないまま削減を進めると、行き場のない高齢者が大量に発生する」と懸念する。
06年、政府与党は、医療・介護改悪案で、38万床あった療養病床を15万床まで減らす計画を立てました(介護型13万床を全廃、医療型25万床を15万床へ削減)。
今回、各都道府県から提出された「医療費適正化計画」の基づき、作り上げてきたのが今回の「22万床程度を残す・・・・」となりました。
このことは、都道府県段階とはいえ、政府・与党がこれまで、「医療費削減」ありきのもとで進めてきた、療養病床削減計画に手直しをせざるを得ない状況になってきたことを示しています。
この療養病床の削減は、「後期高齢者医療制度」と並ぶ06年、医療改悪の柱であり、これにより政府は、4000億円のい医療費削減をもくろみました。
これらにたいして、多くの国民や医療・介護現場から、「多くの医療難民や介護難民がでる」との批判が噴出し、その撤回運動が広がっていました。
また、政府・与党は、06年、08年の診療報酬改定で、療養病床入院患者さんへの補修を減額し、病院経営面から病床削減をねらいました。
そもそも、今回発表された「22万床存続」でも、その基礎となるのは、厚労省からの「指導」が入っている都道府県が作成したものであります。
実際の医療・介護の現場では、在宅の条件の整っていないところへ「在宅介護」をせざるを得ない場面が数多くあります。
患者さんのつらさと同時に、医療・介護従事者にとっても「断腸の思い」で決断を迫られることが増加しています。
さらに、やっとできる「在宅療養」でも、多くの「利用者負担」が待っています。経済手金ゆとりのない高齢者には、すでに、何とも不自由で貧弱な「在宅介護」が押しつけられているのです。
今後、高齢者が増加してくることを予想すると、少なくとも現在ある療養病床は、温存し、最低、日医が主張する「26万床」は確保すべきではないでしょうか。
一方。「与党内部から2200億円の削減撤回」なる声も出てきていますが、本当はその基礎となっている「5年間で、総額1兆1000億円の削減計画」撤廃を政府に確約させなければなりません。
「選挙が終われば・・・・」「内閣が替われば・・・・」、その後は「医療費削減政策」が復活してくることは否定できないのですから!!!
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