「大事件起こせばマスコミに名前」=2、3日前からむしゃくしゃ-菅野容疑者
7月23日18時49分配信(時事通信)
女性2人が死傷した東京都八王子市の京王八王子駅ビル殺傷事件で、会社員菅野昭一容疑者(33)が警視庁捜査1課と八王子署の調べに「人間関係を含む仕事の関係で2、3日前からむしゃくしゃしていた」と供述していることが23日、分かった。
その上で「親も話を聞いてくれないので、大きな事件を起こせば、自分の名前がマスコミに出るようになると思った」と説明。同課は詳しい経緯を追及している。
6月8日に起こった秋葉原無差別殺傷事件から、およそ7週後に今度もまた無差別殺傷事件が発生しました。
今年に入り、3月23日の土浦市JR荒川沖駅事件、3月25日の岡山市JR岡山駅事件、4月22日の鹿児島県姶良町タクシー運転手刺殺事件、6月8日の秋葉原無差別殺傷事件、そして今回の八王子無差別殺傷事件と続いています。
これらすべてが若者で、姶良町での少年自衛隊以外は、不安定な雇用状況の下で、自ら存在意義を感じ取ることができずに自分の心の中だけに閉じこもり、「いらいらしたり」「むしゃくしゃしたり」・・・・。
そして、無差別殺傷という「もっとも他人を傷つけ、他人の存在そのものを否定」する行為に及ぶのです。それがもたらす「意味と結果への想像」を全く抜きにしてです。
それぞれには、様々な生い立ちや、経歴、家庭環境、教育があり、それらが複合的に重なり合って、こうした「事件」を起こしたのですが、もう一つ「多くの若者にとって、夢や希望」に胸を膨らまし、語り合える社会ではないことも大きな要素と思います。
これらの否定的な要素が、複雑に絡み合って、今回の様な「異常事態」が起こるとすると、それらの要素をできるだけ取り除くことが重要ではないでしょうか。
非正規雇用という不安定な雇用状態に置かれている若者の大多数は、真剣に仕事に取り組み、その日、その日の暮らし乗り切っているのです。
非正規雇用者と言うだけで、「色眼鏡」的に判断するのは、全くのお門違いです。そもそも、本人自体が望んでいる雇用形態ではないのですから!!
しかし、非正規雇用という不安定や生活や先の見えない人生を強要されていると、ほとんどの人々は、社会における「自らの存在意義」を喪失し、従って他者の存在意義をも感じとれなくなるのでしょうか。
もしかしたら、それが「殺すのは誰でもよい・・・」と言う感情を創出するのかもしれません。まさに人道的モラルの崩壊を作り出してしまっています。
こうしてみると、非正規雇用、派遣労働、成果主義などを推進してきた、新自由主義的市場経済万能論は、単に経済政策的のみならず、社会的にも相当な悪影響をもたらしていることは間違いありません。
一時も早く、そうした条件の克服へ向けて進まなければ・・・・・です!!
以下に今回の経過を毎日新聞から引用しておきます。
<八王子殺傷>製造業の「派遣」転々…菅野容疑者
7月23日12時28分配信 毎日新聞東京都八王子市の駅ビルで22日夜起きた刺殺事件で、殺人未遂容疑で逮捕された菅野昭一容疑者は、勤務先の板金加工会社(八王子市)によると、この数年間、八王子市内の製造業数社を派遣社員として転々としていたという。
4月下旬に同社の求人広告を見て応募。5月8日から15日まで1週間働いた。仕事は主に板金加工を担当。黙々と作業をこなし、他の従業員とのトラブルはなかったという。
4月下旬に菅野容疑者と面接した専務(30)は「受け答えもしっかりしていて誠実という印象だった。『以前は組み立て作業をやっていた。できることはなんでもやります』とハキハキと答えていた」と振り返る。採用を決め、1カ月の試用期間を経て正社員として採用することを伝えると、菅野容疑者は「わかりました」と答えていたという。
ところが、菅野容疑者は5月15日午後、作業中に作業台に誤って右手をはさみ中指など3本を骨折。市内の病院に搬送され手術を受け入院した。菅野容疑者の父親は「以前に勤めた会社でも作業中に転落して足を骨折したことがある」と落胆した様子だったという。
専務によると、5月下旬に社員4人で見舞いに行った際には、菅野容疑者は「皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ない。早く治したい」と冗談も交えながら談笑していたという。見舞いに行った男性社員は「けがで悩んでいる様子には見えなかった」と話す。
菅野容疑者は6月中に退院し、7月17日には退院後初めて社長と面談した。「9月くらいには復帰できそうです。また働きたい」と再起に意欲を見せていたという。労災の手続き中で、休業補償の支払い方法を話し合っている最中だったという。専務は「今週に具体的な日程を調整する予定だった。仕事でプレッシャーがあったのか……」と言葉をつまらせた。【神澤龍二】
◇「頭が真っ白」容疑者の父謝罪
菅野容疑者の父親(69)は23日朝、八王子市内の自宅前で取材に応じ、「被害者と遺族の方には本当に申し訳ない」と頭を下げた。菅野容疑者が「家族と仕事のことでトラブルがあった」と供述している点については「何も相談はなかった」と否定した。
父親によると、菅野容疑者は姉2人と弟1人の4人姉弟。市内の小中学校を卒業後、高校に進学したものの中退した。性格は内向的で、電気会社などでアルバイトをするなど仕事を転々としていた。
また菅野容疑者は25歳ごろ、当時交際していた女性と暮らすために家を出て以降、実家にほとんど戻らなくなった。居場所を聞いても住所を答えず、携帯電話にも出なかった。その女性とは数年前に別れたという。
父親が最後に会ったのは約1カ月前で、突然自宅に訪ねてきた。指の骨折は完治しかけており、「もうすぐ正社員になれるかもしれない。けがが治ったらまた働くんだ」と普段と変わらない様子だったという。
事件は22日夜、報道陣の取材で知ったといい、「頭が真っ白になった。小さいころから気が小さく、あんな事件を起こす人間ではない」と淡々と話した。【古関俊樹、川崎桂吾】
◇成人と思えぬ供述
ジャーナリスト大谷昭宏さんの話 大人になれない子どもだ。「むしゃくしゃして」「仕事がうまくいかなくて」などの供述は、33歳の成人の言葉とは思えない。会社との面談に父親が同席するなど自立できず、社会に溶け込めなかった。こうした自分本位な人間が増えているのではないか。自分一人で生きていける力をつけさせるという教育のあり方が、失われたことに起因する。社会全体で、取り組むべき問題だ。
◇疎外感募らせた末
小宮信夫・立正大教授(犯罪社会学)の話 最近の通り魔やバスジャック、上越新幹線の落書きなどの事件には、共通した傾向がある。容疑者が社会からの疎外感を募らせた末、その打開を狙い犯罪に走るという構図だ。事件後の展開に想像が及ばない点も共通している。子供の時に家庭、学校、地域で他人にもまれる機会が減り、コミュニケーション能力が育たない世代が増えている。欧米では個人と社会のつながりを意識させる「市民性教育」が始まっており、日本でも同様のシステムを教育に取り込む必要があるだろう。
コメント
コメント一覧
無差別犯罪の多発に日々心痛めています。
先日も書きましたが企業の非正規雇用増加の問題は、本当に大きな社会問題だと思います。
25日には4野党での時期国会での派遣法改正の話し合いがもたれたそうが、単なる日雇い派遣の原則禁止のみならず、1999年に改悪された一般労働者対象への登録制度拡大そのものを廃止していただきたいです。
それ以前の派遣は、通訳などの高賃金の専門職に限り、決して今の企業が行っている常用雇用の代替ではなかったはずです。
戦前は、非合法の搾取組織が(たこ部屋など)存在したと聞きますが、企業要求のもと国会で、工場などの単純労働者の登録派遣制度を原則自由化にし、国公認のもとで公然と大企業のの搾取が合法的に認められるような社会ほど恐ろしい、虚しい社会はないと思います。
幸い民主を除く3野党は、派遣の登録制度そのものを廃止する、抜本的改正に向けて前向きです。
民主は、派遣会社の正社員の組合が支持母体のためか?いまひとつ登録制度廃止には消極的です。
しかし民主党にもメールしましたが、いつ首になるかわからない、同一労働なのに待遇がまったく違い、何年勤めても収入も上がらず保証もなく更新を繰りかえし、年齢が上がれば自然に仕事がなくなる・・そんな不安定な日々が、人間の生き方として、許されますか?
企業側の都合だけで、人としての幸せを否定されるような現行の派遣法は断固として時期国会で抜本的に改正されるべきです。必ず多くの国民は支持すると思います。
民主もどうか私利私欲に走らず、一時的な混乱を恐れず経団連の反発に対抗し、最大野党として国民のために真剣に闘ってほしいです。
鋭いコメントをありがとうございました。
今日のニュースで「派遣労働原則廃止」の答申が流れていましたたが、私は楽観視することは出来ません。
「派遣労働」を解禁した1999年以降、大企業は、これを人件費削減の主要な手段として利用してきました。
こういう「甘い汁」をそう簡単には手放すことは出来ないと思います。
民主党もしっかりした立場で対処してほしいと思います。
・・・ちなみに、昨日名寄市で、20歳の青年による無差別傷害事件が発生しています。
この青年の行為は絶対に許すことは出来ませんが、ある意味子に青年も「誤った国政」の犠牲者のような気がしてなりません。
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