社会保障費「改革と国民負担の半々で」舛添厚労相

 舛添要一厚生労働相は717日、「安心と希望の医療確保ビジョン」具体化のための検討会でのあいさつで、社会保障費について、「半分は構造改革で捻出(ねんしゅつ)するから、『半分は国民の皆さん、税金でご負担願えないか』という形でないといけない」と述べ、厚生労働行政に関する改革を断行する意向をあらためて表明するとともに、「どこに政策のメスを入れればいいか考えている」と述べた。

 厚労相は、社会保障費の負担に関して、以下のような考えを示した。
 「仮にこういう『医療ビジョン』施策を実行するとして、年間2500億円の経費が掛かるとする。わたしは、半分の1250億円は構造改革(として)、今の厚生労働行政の間違っている点を正すことにより、1250億円は捻出しますと言う。しかし、残りの1250億円は、皆さん税金でご負担願えませんか、という形のプレゼンテーションでないと、この厳しい財政事情の中、税金や保険料負担もあるから、そういう形にしなければならない。

分かりやすく言うと、12500万人いるから、『国民の皆さん、1000円出してください。そうすると、皆さんの命を完璧に救えるようにやりますよ。2000円とは言いません。半分の1000円は、こちらが努力して何とか政策の切り替えをやります』というプレゼンテーションでないといけない」


「医者を信用しない国民として言う」

「医療ビジョンの中にも改革をやると書いている。今、医者の数を増やすということがテーマだが、どこに政策のメスを入れればいいのかと、漠然と考えている。例えば、ジェネリックという問題があるが、来年もやるとしたらどれだけやるのか。やらない方がいいと言う先生もいて、いろんな議論がある。医療費が高いといわれるが、どうすれば下がるのかという話もある。率直に言うと、『大臣は医師の話ばかり聞いている』と(国民から)言われている。『福島の大野病院の話も分かるが、おれたちは医者を信じていない。この医者に対する不信感をどうにかしてくれ。だから一刻も早く医療事故調査委員会をつくってくれ』とあるわけだ。一方で、医者からは『あんなものをつくられたら、医者になれない』とある。両方の板挟みで、(検討会委員の)圧倒的多数が医療提供側なので、率直に医者を信用しない一国民として、あえて言うこともある。それもお許しいただき、国民目線で闊達(かったつ)な議論をしていただいて、最後は国民の皆さんに納得していただいて、きちんと税金や保険料を払っていただくということ。そういう思いで頑張ってやりたい」


更新:2008/07/18 20:29   キャリアブレイン

 

 

舛添厚労相の発想そのものが、全くおかしな方向を向いています。

 『「医療ビジョン」を実現するため・・・半分の1250億円は、構造改革で、後の半分は、国民負担で・・・・高々、1人1000円です!!』 などと、あたかも国が半分、国民が半分などと言って、あの小泉元首相がいった「三方一両損」方式のごまかしを始めようとしています。

 よく考えると・・・「国が半分、国民が半分」などではなく、そもそも国民が税金という形で国に徴収されているのですから、どこから見ても国民が全部負担しているのです 

それを「半分は、国が負担・・・」といって、国民負担の増加を分からなくする詭弁以外の何者でもありません。

 赤ちゃんから高齢者まで、国民のすべてから平等(?)に、1人1000円の徴収なんて、とんでもない「税金」の徴収です。

 舛添厚労症の頭が良いのか、悪いのか・・・いや、良すぎるのかもしれません、国民を欺くためには遠慮がありません。 

仮に、国民への負担を求めるのであれば、その前に、

 1) 繰り返し明らかにされる行政当局による『公金の不正支出』(敢えて、「無駄遣い」とは言いません!!公金横領のたぐいですので!!)の廃絶、

 2)そして、空前の利益を上げている大企業や大資産家へのそれぞれからの応分の税金徴収を実施すべきではないでしょうか。 

さて、医師を信用しないのは,勝手ですが・・・、大臣としてもっと考察しなければならないのは、「何故、医師が様々な要求や意見を持っているのか」を真摯に考えることではないでしょうか。

 7月28日に「判決」が下される、「福島県立大野病院事件」についても日本の医療の進歩を保障すると言う立場からしっかりと考えるべきなのです。 

「圧倒的多数が医療関係者なので・・・、率直に医師を信用しない一国民として・・・。」となっては、厚省労働大臣としての資格が問われます。

 「医師を信用しない」と言って、医師か国民かといって、国民と医療従事者の間に無益な対立を持ち込んでしまう舛添氏の発想は、どこから見ても大臣の立場ではありません。 

従って、医療関係者を信用していない舛添氏は、日本の医療行政の責任者として適任者でないことになります。

 こうした不用意・不適切な発言が続き、その場しのぎの対応に終止しているのであれば、退場するか、次期内閣改造では、いち参議院議員へ戻るのが適切ではないでしょうか。

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非正規雇用頼み、生産性の停滞に 労働経済白書2008722日(朝日新聞)  

企業が競争力強化のために進めた正社員の絞り込みとパート・派遣など非正規雇用の拡大が、かえって生産性の上昇を停滞させている――。

厚生労働省が22日発表した08年版「労働経済の分析」(労働経済白書)はこう指摘した。その上で、日本型の長期雇用に戻って人材育成に力を入れ、1人の生み出す付加価値を高めることが、人口減少社会で経済発展を持続させるカギと提言した。

  今年の白書は、労働力がどれだけ付加価値を生み出したかを示す労働生産性の推移と、就業者数や非正規労働者の割合との関係に着目した。

  もともと生産性が低いサービス業での非正規雇用急増と、生産性が高い製造業での正社員削減の結果、「低生産性部門は温存され、全体の労働生産性にマイナスの影響を及ぼしている」と分析した。実際、全体の労働生産性の伸び(年率換算)は70年代の4%、80年代の3.4%に比べて、90年代は1%、00年代も1.7%と低迷している。

  サービス業では90年代から00年代にかけて就業者数が年率換算で2.6%増え、就業者に占める非正規労働者の割合は24.6%(92年)から39.4%(07年)に拡大した。この間、生産性上昇率は年1.9%から0.5%に低下。白書は「(非正規雇用の増加は)コスト削減には有効でも、労働者の職業能力の向上を通じた生産性向上にはつながりにくい」と指摘した。

  一方、製造業は90年代から00年代にかけて、総生産の増加率が年0.5%から2.9%へと加速。生産性上昇率も2.3%から4.5%に伸びた。だが、正社員の絞り込みで就業者数は年1.2%減から1.9%減へと減少が加速した(非正規労働者の割合は17.7%から22.9%に拡大)。白書は「生産性の伸びは就業者の削減により実現した」と分析したが、この手法には限界があり「持続性を持った生産性の向上としては評価しがたい」と苦言を呈した。

  また、「高い生産力を担う労働者は、企業の中で豊富な職務経験を積み重ねながら育成される」として、企業に長期的な視点に立った人材育成を求めている。(生田大介)

 

これまで、非正規雇用のマイナス面が多方面から指摘されてきましたが、今回は、厚労省自身が「生産性」の観点からその否定的な面を指摘しています。

端的には小泉内閣が主導してきた新自由主義的市場経済原理主義をベースにした労働市場の規制緩和が、大量の非正規雇用労働者を生み出してきました。

それがもたらした現実は、単に雇用状況に止まらず、若者を中心とした経済基盤や文化、社会全般に及ぼす否定的な影響は、図りしれません。先に発生した「秋葉原無差別殺傷事件」なども、こうした状況に置かれた若者の閉塞状況を抜きにしては考えられないものでした。

このまま行くと、不幸な若者の増加と共に、「ネットカフェ難民」や「ホームレス」にならざるをえない人々が後を絶ちません。

まさに時期を同じくして、厚労省が「批正規雇用による生産性の低下・・・」は、図らずも自ら推進してきた「雇用政策」を生産性の面から否定しているものではないでしょうか。

人間の労働は、けっして「生産性=経済性」のみから判断されるべきではなく、人間社会の生活や文化、個々人の成長や「生き甲斐」など多面的な彩りの中なら検討されるべきものであります。

今日では、非正規雇用制度の縮小・撤廃が政府・与党の側からも言われ始めていますが、今回厚労省が認めた事を充分考慮に入れて、、非正規雇用問題を日本の労働政策の中に位置づけて抜本的な改善を図ってほしいものです。   

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