医師不足で診療科を休廃止する病院が相次いでいる。銚子市は9月末で市立総合病院の全面休止に踏み切るが、新臨床研修制度が導入された2004年4月以降、同様の理由で診療科を廃止した病院は県内で54(4月末現在)を数える。医師確保に向けた特効薬はなく、地域に不可欠な診療体制の確保は、一段と困難な状況になっている。
県医療整備課によると、54病院が廃止した診療科数は92。最も多いのは産科(産婦人科含む)の9で、小児科(8)や放射線科(7)、整形外科(6)などが目立つ。廃止の理由として、医師やスタッフの不足を挙げたのは、54病院中37病院と約7割に上る。
休止に関する正式なデータはないが、県医療整備課が把握しているだけで11病院・16診療科に上る。すべて医師不足が原因だった。地域の中核となる公立病院がほとんどで、産科(8)や呼吸器科(4)が多かった。
医師不足で病院自体が廃止になったところもある。市原市の国保市民病院は07年11月、国保診療所に廃止・縮小された。今年4月に公設民営化した鋸南町の国保鋸南病院は、同病院の医師らで組織する医療法人を指定管理者に選定した。
民営化するケースも出ており、地元医師会が運営する館山市の安房医師会病院は、鴨川市の亀田総合病院系列の社会福祉法人に移譲され、安房地域医療センターとして再出発。市川、浦安両市の一部事務組合が運営する浦安市川市民病院は、09年4月の民営化に向けて移譲先を公募している。
今回の銚子市立総合病院も、医師不足による診療体制の縮小で収益が悪化。受け皿が決まる前に休止を決断せざるを得ないほど、市は財政的に追い込まれていた。既に市立としての存続はあきらめ、民営化や指定管理者制度の導入を模索している。
堂本知事は今月11日の記者会見で、「県もドクター探しに奔走したが、いったん崩れ出すと止めるのは難しい。これ以上続けると、さらに問題が大きくなってしまうので、市長も決断したのだと思う」と、有効な打開策のない現状を憂慮した。 (2008年7月17日 読売新聞)==================================================================
こうした、病院や診療科の廃止は、千葉県だけに限ったことではなく、今や全国的な「医療崩壊」の実態なのです。
先日お聞きした、ある大学の脳神経外科でのここ10年間の入局医師は、7人ということでした。
こんな状態が続くと、今後ますます、医師不足による診療科の廃止や病院閉鎖にストップがかかることはありません。
その一方で、教育・研究・高度医療を担っている大学病院での医師不足は、医師増加政策の出発点となる医学教育の充実としても、日本の医学と医療の進歩・前進のためにも大変否定的な影響が出ているのです。
医師数増加のため、医学部定員を増やしても、大学で教えるスタッフの充実していなくては、貧弱な医学教育が待っているだけではないでしょうか。
そして、公立病院同様に、大学病院でも「黒字経営」が要求されるようでは、十分な医学教育や医学研究ができないかもしれません。
こうして、「医療費削減政策」は、医学と医療のあらゆる分野で「悪魔のサイクル」を形成しているのです。
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