本年6月28,29日に東京大学大学院高橋哲哉教授による、「憲法について、今考えること」の講演をお聴きする機会がありました。
高橋哲哉教授と言えば、あの著書「靖国問題」で展開されている歴史・哲学的な論証があまりにも有名です。
しかし、今回は、ひとつの内容として、日本国憲法をその前文にある「平和的生存権」を基点にして、第9条と第25条について述べられたところに大きな意義を感じました。
憲法が提起している「平和的生存権」は、狭義の意味でとらえられると、武力行使や戦争からの心理的・身体的安全の保障の様に考えられがちでした。
しかし、「平和的生存権」が恐怖や欠乏からの解放というし視点から詳しく検討する必要性があります。
恐怖や欠乏からの解放となると、戦争を拒否する事はもとより、アフリカなど開発途上国での食糧難や飢餓、HIVによる健康破壊、部族紛争による殺戮など、およそこの地球上で起こっている否定的な事態がすべて包括されてきます。
さて、眼を国内に向けるとそれらの問題は「ワーキングプア」の、状態に落とし込められている人々や「後期高齢者医療制度」に象徴的な医療へのアクセスを阻害される人々が作り出されています。
さらに、沖縄では、戦後63年経つ今もアメリカによる事実上の占領状態が続いているのです。
この沖縄は、日本の中で、もっとも「平和的生存権」が侵害されている地域ではないでしょうか。
以上の様な事から、高橋哲哉教授が、誰にでもわかる言葉で「みんなの平和」「みんなの幸せ」と言う概念を提起されました。
「私だけの平和」や「私だけの幸せ」ではいけない、自己のみならず他者の平和や幸せを求めてこそはじめて、「自己の本当の平和や幸せ」が実現できることを述べていました。
今まさに開催されている洞爺湖サミットで議論されている、地球環境問題、食料・原油高騰問題、貧困・健康問題、核問題などは、日本国憲法がその前文で述べている「平和的生存権」の視点が重要な示唆を与えてくれています。
日本国政府は、議長国として日本国憲法をもっと全面に出すべきだと感じています。
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