医師不足に予算枠 首相方針、社会保障抑制と別に(2008年6月17日23時8分 朝日新聞) 福田首相は17日、医師不足問題などに対応するため、来年度予算では社会保障費の抑制目標とは別枠で予算を確保する方針を明らかにした。財源は、道路特定財源の一般財源化や他分野の削減でまかなう。財政再建路線は守りつつ、社会保障の充実を求める声に配慮する狙いとみられる。 17日の経済財政諮問会議で表明した。今月末にまとめる経済財政運営の基本方針「骨太の方針08」の素案についての審議のなかで、首相は「従来の制度を前提とした経費については、これまでの削減を続ける」と述べた。そのうえで「医師不足や救急医療など、社会保障を中心とした重要施策に必要となる歳出は財源を捻出(ねん・しゅつ)したい」と語り、別枠で検討する考えを示した。 財源について「第1はこれまでの延長上にない徹底した無駄ゼロ。第2は生活者目線での道路特定財源の見直し」を挙げた。首相は来年度から道路財源を一般財源化し、「生活者財源」に回す方針。「全体の歳出は増やさない」(政府関係者)まま、こうしたやりくりで財源を確保する考えを示したと見られる。 首相は、さらに「それでもまかないきれないものについては負担と合わせて国民に選択していただく必要がある」と、消費税を含めた増税の可能性にも触れた。 政府は、07~11年度の5年間で「社会保障費の伸びを1.1兆円抑制」などの削減目標を設けている。社会保障費は年間1兆円前後増えるが、07、08年度予算は目標に従って1.1兆円を5等分した2200億円を抑制した。 だが、産科医不足や救急医療体制の弱体化などが浮上。後期高齢者医療制度への反発も強まり、社会保障分野について与党内では「抑制は限界」との声が強まっている。ただ、目標を棚上げにすれば「改革後退」と受け止められかねないため、新たな問題に別枠で対応するとみられる。 ただ、この日示した「骨太08」の素案は、約3.3兆円(08年度)に及ぶ国の道路財源からどれだけ生活者財源に回すかの結論は出さず、夏以降の予算編成に先送りした。自民党道路族の反発などで調整は難航する恐れもある。(庄司将晃)
医療崩壊や医師不足をめぐる医療関係者や国民からの声におされて、福田首相が「医師増」へ舵を切りつつあるように見えます。また、昨日の閣議後、舛添厚労相が、医師増へ向けて「医師数削減のための82年と97年の閣議決定」の見直しを表明しています。こうして、国政の流れが医療崩壊と医師不足の克服の方向へ向かうのは、これまでの医療従事者と国民からわき上がっている世論の結果であることは疑いありません。ところが、そうしたことを財政的に裏付ける段階になると、急にトーンが下がってきます。医師の増加の数値目標も不明確なままです。そうした「国民の声」を生かそうという姿勢と示しながら、「財源がなければ・・・・消費税の増税を・・・」という考えが、福田首相の口をついてきました。全く短絡的というか、むしろ「医療再生」という国民要求を逆手にとってこの際消費税増税をやってしまおうという戦略がありありです。政府・与党は、わずかな国民の要求に答えながら「消費税増税」という大きな身入りを確保症としているのかもしれません。
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