長寿医療の年金天引き始まる、対象は832万人
長寿医療「高い」「分かりにくい」

 今月からスタートした後期高齢者医療制度(長寿医療制度)で15日、保険料の年金からの天引きが初めて行われた。自治体の窓口にはこの日も問い合わせや苦情が寄せられ、制度の周知不足が改めて浮き彫りになった。天引き額は事前に通知されているが、金融機関の口座に振り込まれた年金額を確認し、険しい表情を浮かべるお年寄りもいた。

 この日、年金から2か月分の保険料を天引きされたのは約832万人。新制度には約1300万人が加入しているが、年金額が少ない約300万人は天引きの対象外。システム整備が間に合わなかったことなどから、東京都新宿区など都内14区、横浜市、さいたま市など計31自治体が10月以降に先延ばしした。

 新制度への移行による負担の増減について厚生労働省は「一般的に低所得者層は負担減、高所得者層は負担増になる傾向になる」と説明しているが、周知不足も相まって、自治体などには問い合わせが殺到。東京都の広域連合では、3月10日に開設した問い合わせセンターにこれまで約1万2400件の問い合わせがあった。 「後期高齢者」とされたお年寄りは、天引きに様々な感想を漏らしている。 「もらうべきお金をもらっていないのに」。

東京都内に住む女性(79)は怒りが収まらない。 以前に会社勤めをしていたのに厚生年金が支給されないとして、昨年、年金記録確認東京地方第三者委員会に救済を申し立てたが、まだ結果が出ない。月約5万円の国民年金を受給しているが、介護保険料に加えて高齢者医療の保険料も天引きされることになり、「ずさんな処理をしておいて、持っていく時は有無を言わさずだなんて」と憤る。

 金沢市では15日、天引き開始に合わせて庁舎に問い合わせ用の特別窓口を置いた。窓口には業務開始前から5人が並び、電話は午前9時前から鳴り続けた。銀行で天引き額を確認してから窓口に来たという男性(87)は「天引きされていた保険料が高すぎて納得いかない」と話した。

 長野市役所を訪れた男性(82)は「保険料が1000円高くなった。制度自体はいいと思うが、周知などのやり方がまずすぎる」。86歳と82歳の夫婦も「パンフレットを見ても訳が分からないので、窓口に来た」と話していた。

 東京・江東区役所では、訪れた男性(76)が「保険料を引かれると月6万円くらいの年金収入になる。年寄りは早く死ねということか」と嘆いていた。

 自治体担当者からは「保険料が決まるのが遅すぎた」などと国の対応への不満も漏れる。東京都足立区では昨年12月以降、約40回の説明会を開いてきた。それでも、担当課には問い合わせが殺到。今月上旬は、窓口に直接相談に訪れた高齢者だけで1日平均約100人。保険料を通知した10日以降はさらに増え、「どれが保険料か分からない」という指摘もあったという。

 後期高齢者医療制度 75歳以上の全員と一定の重い障害のある65~74歳が加入する新しい医療保険制度。対象者は国民健康保険などから移行する。保険料の全国平均は年約7万2000円で、原則、年金から天引きされる。

2008415  読売新聞)

 

本日から「後期高齢者医療制度」の保険料の徴収が始まりました。当然、年金からの天引きが行われています。 

拙速に、国民への周知も徹底しないうちに「どさくさ紛れの見切り発車」です。 

多くの国民からこれだけ批判されながらも制度の導入を急ぐ福田内閣の姿をみていると、もっと「本質的な批判」をかわすために、「手続き上の批判」に問題を矮小化しているようにみえてなりません。 

1)国民への丁寧な説明もさる事ながら、一番問題なのは、75才で線引きして、「年齢による差別医療」を導入していることです。 具体的には、「高齢者外来包括医療」です。

1ヶ月6000円の医療包括医療費で75才以上の高齢者の医療を賄えというのです。 これでは、患者さんに充分な医療を提供することはできませんし、良心的な医療機関に対しては、赤字経営を強いるものなのです。

 結局は、高齢者への医療を不十分なものとし、高齢者を早死にへ向かわせようとするものなのではないでしょうか。

 2)また、医療費抑制政策の中で、診療報酬の引き下げ・据え置きとともに、国民負担を増加させる手段として、増えることが予想される高齢者医療に「高齢者への受益者負担」を押しつけていることです。

今回の保険料が見直しが行われる2年後には、「財政難」を理由に大幅に引き上げられる事が充分に予想されるものです。

 納入不可能のとなった「滞納者」からは、保険証を取り上げ、短期保険証・資格書を発行することになっています。

これまでも国民保険制度では、高齢者の滞納世帯からの保険証取り上げは、曲がりなりにも制限されていたのに、今度は公然と取り上げられることになりました。 

これは明らかに、「貧者」における医療機関へのフリーアクセスの阻害を恒常化するものなのです。 

こうして、日本の医療制度のあり方を左右する今回の「後期高齢者医療制度」は、高齢者の問題ではなく、医療と福祉、社会保障全般の関わる、まさに国民全体にかけられたものである事は言うまでもありません。

 反省・お詫びを繰り返す、福田首相は、この「後期高齢者医療制度」の撤回とともに、自らの自らの内閣の幕引きを決断すべき時期ではないでしょうか。  

固定リンク | コメント (3) | トラックバック (2)

北のCOSMOS
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/04 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着エントリー

新着コメント

新着トラックバック