倒れる長井さんの写真、ピュリツァー賞に(2008年04月08日 朝日新聞)
【ニューヨーク=真鍋弘樹】米国の優れたジャーナリズムを対象としたピュリツァー賞が7日、発表され、速報写真部門で、ミャンマー(ビルマ)の反政府デモを取材中に射殺されたジャーナリスト長井健司さん(当時50)の写真を撮影したロイター通信のアドリース・ラティーフさん(34)が受賞した。
受賞写真は、ヤンゴン市内のデモ現場で、ビデオカメラを手にしたまま銃弾に倒れる長井さんと逃げまどう市民、至近で銃を向ける兵士らを撮影したもので、全世界に配信された。同通信によると、ラティーフさんは「この写真が歴史に残り、あの日起きたことが人々の記憶に刻まれることをうれしく思う」と感想を述べ、長井さんのことを思い出して欲しいと語った。
今期ピュリツァー賞の速報写真部門でミヤンマーの反政府デモを取材中に当局に射殺されたジャーナリスト長井健司さんを報じたロイター通信のアドリース・ラティーフさんが受賞されました。
ピュリツァー賞と言えば、これまで数々報道写真を世界中に発信してきました、いや、逆に言えば、知らされなければならない事実を写真を通して全世界に報じる重要性を訴えてきたのかもしれません。
長井さんをめぐる事態は、即座に写真やVTRを通して世界中に発信され、それを目にした私たちは、ミヤンマーにおける軍事政権の暴挙のひどさを認識させられました。
旧くは、ベトナム戦争での数々の衝撃的な写真がありました。「乳飲み子を抱いて河を泳ぎわたる母と子」、「炸裂する爆弾のなかで泣きながら逃げまどうベトナムの裸の子供たち」などは、当時のベトナム戦争反対の世論の盛り上がりに大きな力を発揮しました。
たった一枚が大きな影響を及ぼすことがあるほど「写真」の力は計り知れないときがあります。先日、伺ったヨルダン・シリア、ダマスカスのリトルバクダッドなどにも、多くの人々にもっと知らせるべき事実がありました。
こうしたことは、一部の報道機関だけでなく、より多くの人々が自由に世界中に「事実」を発信する必要性を感じています。
インターネットやブログの発達は、世界中の出来事の共有を少しは容易なものにしてくれたのかもしれません。
しかし、それ以上に、発信する側の誠実な努力が求められているのも事実だと感じています。
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