(2008年04月03日 朝日新聞)
ドキュメンタリー映画「靖国 YASUKUNI」の上映中止問題で、大阪市淀川区の映画館「第七芸術劇場」が5月に予定通り上映することを決めた。同館は地元商店主らが出資する96席の市民映画館。松村厚支配人は「見たい人がいるなら提供するのが役目。映画館を議論の場にしてほしい」と話している。上映は同月10日から7日間の予定。
「靖国」は、靖国神社に参拝する戦没者遺族や軍服姿の若者らをナレーションなしで撮影した中国人監督の作品。トラブルや嫌がらせを警戒した大阪、東京の5館が3月末までに相次いで上映中止を決めた。大阪で唯一の上映先となった第七芸術劇場には、中止しないよう求める電話やメールが相次いだという。
社会派作品を多く扱ってきた松村支配人は「客観的に靖国をとらえている」と作品の感想を話し、「靖国がある東京はもう少し踏ん張ってほしかった」と話している。
一方、5月中の上映に向けて日程を調整していた名古屋市千種区の映画館「名古屋シネマテーク」は、同月中の上映を先送りすることになった。「上映するかどうかも含めすべて検討中」と話している。捜査当局によると、同館には政治結社から上映を見合わせるよう要請があり、2日までに話し合いをしたという。
今回の「靖国」上映中止問題は、「表現と言論の自由」という観点から大きな問題が含まれていることは、少なからずの報道がされています。
政治家と名乗る人々が、「まずい!!」と判断した映画「靖国」を公開前に「試写会」を開催して、「これは、偏向映画だ!!」と判断する。
そうすると、上映を予定していた映画館は、おそらく「靖国神社を敬う」人々や団体から「糾弾」される事が予想してしまいます。
その結果、映画館は、先回りして「上映自粛」になってまいました。 事実、名古屋では、上映に対して、ある政治結社から上映見合わせの要請があったとのことです。
これは、先日、日教組の教育研究集会の会場を、右翼の嫌がらせを回避するために、直前に契約を破棄したプリンスホテルの行動と同じではないでしょうか。
今回の映画「靖国」問題に見られる自主規制は、我が国の「言論の自由」がまた一歩後退させられてきたように感じてなりません。
以前、東大教授高橋哲哉先生が出演した従軍慰安婦問題のNHK番組で放送内容が改変された「NHK放送内容への政治介入」事件は、政治家の直接的な介入事件として問題になりました。
しかし、その後の「解決」はうやむやにされたままです。そうした、曖昧な解決が、「言論の自由」を抑圧しょうとする勢力に力を与えている事に疑いはありません。
今回の映画「靖国」の上映も普通どおりに実施してほしいものです。それ自身が、「言論の自由」を守る事に通じる重要なことではないでしょうか。
札幌での上映も心待ちにして・・・・・・。
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