地域医療に重要な役割を果たしてきた公立病院の「改革」が進められる中、地方を中心に全国で〝無医地域(医療空白地域)〟が続出する可能性が浮上している。全国に約1,000ある公立病院の3分の2以上が赤字経営に陥っていることに対し、国は「経営効率化」や「(病院の)再編・ネットワーク化」などを図ろうとしているからだ。改革によって、例えば、北海道では大阪府に匹敵する面積を持つ複数以上の地域から病院がなくなることになり、「住民の命綱を守ってほしい」という切実な声が広がっているという。
公立病院は、民間の医療機関では取り組みにくい高度・先進・特殊医療や僻地(へきち)医療、救急、精神、リハビリテーション医療など不採算部門といわれる分野を担ってきた。現在、全国に約1,000病院あるが、日本自治体労働組合総連合(自治労連)によると、3分の2以上が赤字経営になっている。
このような公立病院の経営構造を〝改革〟するために、政府・総務省は昨年12月、「経営効率化」・「(病院の)再編・ネットワーク化」・「経営形態の見直し」の3つを柱とする「公立病院改革ガイドライン」を発表。2008年度から自治体に実行を求める計画を進めている。
ガイドラインに関連して、自治労連は「医師不足解消・地域医療再生に向けて」という冊子を発行。「再編・ネットワーク化」については、「一つの医療圏で中心となる病院(中核病院)に医師を集約化し医療機能を充実させるとともに、周辺の病院は医療機能を縮小して〝後方支援〟病院・診療所にする狙い」と指摘。「経営形態の見直し」に関しては、「自治体が財政難等のために赤字の病院を支えきれないことから、現在の病院を地方独立法人化することや運営主体を民間の法人に移す民営化などを差す」としている。
ガイドラインをめぐっては国会でも質疑。2月5日の参議院予算委員会では紙智子議員(日本共産党)が北海道を例に公立病院改革問題を取り上げた。
紙議員は、国のガイドラインを先取りする形で北海道が打ち出した「自治体病院等広域化・連携構想案」を提示。現在94ある道内の公立病院のうち、38病院が診療所化され、9病院が規模縮小となる問題を挙げた。また、北海道の地図を指しながら、紙議員は「大阪府に匹敵する(複数以上の)地域から病院がなくなる」と批判。道の案で、診療所化の対象になっている上川町立病院に触れ「町立病院がなくなれば、上川町から(病院がある)旭川市までは列車で1時間20分、車で1時間かけて行かなければならなくなる。病院は住民の命綱で、町長を先頭に『守ってほしい』という声が広がっている」と訴えた。
医療空白地域が生じる問題は、青森県など各地でも起きている。同県の下北半島では不採算路線の廃止から交通事情が悪くなり、〝陸の孤島〟化が進む。半島を管轄する「むつ医療圏」の場合、半島西端に位置する佐井村から、地域の拠点となる「むつ総合病院」までは、バスで1時間半以上かかり、自宅からバス停までのタクシー代を含め、一回の通院に交通費だけで医療費よりも高い1万円超を要する高齢者もいる。国の方針を受けた県の計画では、佐井村と風間浦村が〝無医村〟になる問題が浮上している。
公立病院が財政難や医師確保の困難などで苦しい経営を余儀なくされている要因として、自治労連などは「相次ぐ診療報酬の引き下げや政府の低医療費政策に加え、不採算医療を担っていることに対する国の財政措置の削減が影響している」とし、「地域間の医療格差を助長するのではなく、地域医療のビジョンを住民とともに考えることが不可欠」と強調している。
国や一部の自治体が提案している「自治体病院」の再編案を忠実に「実行」すると、全国に新たに「作られた無医地区」が増加することになります。 その典型が北海道なのです。 しかし、北海道では道庁の案による地域拠点病院がすでに崩壊状態にあるのです。
以前、ブログしたように、オホーツク地方の北見日赤病院の内科医全員が退職、それと同じ医療圏にある道立紋別病院の内科医退職があります。
札幌の東に隣接するの江別市立病院では1年前に内科医退職による病院崩壊の危機がありやっと乗り越えたところです。
西に隣接する小樽市立病院でも大幅な医師不足で診療制限せざるを得ないところまできています。
室蘭日鋼病院は、昨年救急医療からてったいしました。
美唄市では、市立病院と労災病院の合併がうまくゆかず、双方の病院から医師の退職がで炊きました。
その他、多くの地域基幹病院が、『明日は我が身』と感じているのが実状なのです これらに共通するのは、医師不足と厳しい労働条件による「負のスパイラル」が連続することです。
また、その周りにある地域の第一線病院では、医師不足とうち続いてきた診療報酬の切り下げによる『経営困難』で、病院そのものの存続が日程に上ってきています。
本当に地域住民の生命と健康を守ろうとするなら、まずできることは、最低、今ある医療を存続することができるように、「自治体病院経営への緊急援助」を発動すべきではないでしょうか。
そして、自治体病院の再編には、地元自治体と住民、医療関係者の意見が十分反映される方法で行うべきことは言うまでもありません。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |
コメント
コメントはまだありません。
コメントを書く