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大学院の博士課程を修了してくる人は、年間約16000人です。しかし、なんらかの形で就職出来るのは、ほぼ半数といわれています。

 

その他の「博士」は、「高学歴難民」と言われ、場合によっては専門学校の時間講師で生活費を稼がざるを得ない状態になってしまいます。

 

一方で、研究者をめざして短期契約の非常勤研究員「ポストドクター」(ポスドク)や大学の非常勤講師についてもその後の将来は保障されていません。

 

文科省の調査によるとポスドク(15000人)の4割は社会保険に加入していません。

 

また、大学の非常勤講師を専業にする人(25000人)の4割が年収250万円以下で、社会保険の加入は1割以下です。

 

こうした、不安定のままの「博士」が大幅に生み出された背景には、国の科学技術政策がありました。

 

1990年代に大学院の倍増計画を推し進めながら、大学教員の枠を抑制してきた結果なのです。

 

独立法人化させられた国立大学は、大学の運営交付金を一律に1%カットされたり、人件費の5%削減が押しつけられてきました。

 

そもそも我が国の高等教育費はGDP比0.5%で、OECD加盟国(30ヶ国)中、最下位なのです。

 

このままでは、日本の科学技術の発展をになう若手研究者の育成には赤信号が灯ってしまいます。 

さて、日本の臨床医学の発展にも黄色信号が灯りつつあります。 

勤務医・開業医がこれ以上過酷な労働条件に置かれると、日常診療の中での臨床医学の研究にも時間をかけることができなくなって当たり前です。 

このように、『高学歴難民』問題と、医師の過酷な労働条件は、科学や医学研究の発展という側面から共通するところがあります。 

その根本には、医療や社会保障、教育や科学研究へ十分な予算を配置しない我が国の政治のあり方が反映しているのではないでしょうか。

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朝日新聞の1月28日の社説を引用します。医師不足や医療制度について的外れどころか、国民のための医療をつかさどる医師や医療機関にとって容認できない「提案」をしています。

映画「シッコ」に描かれたアメリカ医療を反面教師として、「国民皆保険制度」の維持を主張しつつも以下の点を問題にしなければなりません。

1)  医師の地域的配置や科の選択を公的責任で決めるというものです。プロ野球のドラフト制度まで引き合いに出しています。

  そもそもの医師不足の原因は、政府・厚労省の「医師定数削減」政策にあるのです。その根底には、「医師亡国論」による「医療費削減政策」のあることはすでに多くの方々が明らかにしている、いわば常識であります。

その根本を抜きにして、少ない医師数を前提にして実用主義的に考え、夫々の医師の希望や将来展望を制限ないし無視してその配置やかの選択を決めるなどと提案してくるのです。

提案しているプロ野球のドラフト制にも「職業選択の自由への侵害」多くの矛盾があります。また国民の生命と健康や人権を守る医師という職業とプロ野球を同一視するきわめて乱暴な思考方法といわざるを得ません。

医師における地域的不足や科の「偏在?」を解決するには、医師の絶対数を増加させなければなりません。

その上で、どの地域にも、どの科にも医師が自発的に所属することができる条件を作るのが国や自治体の役割ではないでしょうか。国や行政の「公権力」では、医師の配置は不可能ですし、医師そのものへの希望者が減少するかもしれません。

2)  診療報酬体系を都道府県単位にして、「競わせる」ことも提案しています。それも、差別医療として悪評の高い「後期高齢者医療制度」を引き合いに出している始末です。

これは、国民の医療に責任を負うべき国の責任を地方に押し付ける絶好の機会を提供することになります。国の「医療費削減政策」もさらに地方自治体の責任で進められることになります。

その行き着く先は、医師不足・経営難から来る「病院崩壊」であり「地域の医療崩壊」であることは、多くの例が示しています。

3)  これらの財政的保障として消費税の増税を訴えています。

 

そもそも、 低所得者ほど負担の大きく、逆進性の強い「消費税」を所得の再分配としてある社会保障の財源とすること自体に大きな矛盾があることはいうまでもありません。

また、今ある税金の無駄使いもたくさんあります。そうしたことをしっかり検討しないで、社会保障費の財源は消費税=社会保障費税の創設というのは短絡的過ぎるのです。

朝日新聞が日本を代表するマスコミを自認するのであれば、もっともっと深く、謙虚に医療と社会保障について研究すべきではないでしょうか

近く結成される『全国医師連盟』では、そうした事を丁寧に学ぶことができます。是非、足を向けてほしいものです。
以下に「社説」の全文を紹介します。

希望社会への提言(14)医療の平等を守り抜く知恵を

・ドラフト制をヒントに、医師を公的に配置 ・運営を県単位にして、診療報酬を決める権限も     社会保障の各論として、まず崩壊が心配されている医療から考えたい。  「薬指だけなら1.2万ドル、中指は6万ドル。どっちにします?」。事故で指を2本切断した無保険者は手術に入る前、医者からこうたずねられる……  昨夏、米国の医療の実態を描いたマイケル・ムーア監督の「シッコ」は、日本でも大きな衝撃を与えた。  公的な医療保険は高齢者と低所得者に限られ、民間保険に入れないと無保険者になる。米国ならではの光景だ。  日本では、すべての人が職場や地域の公的医療保険に入る。いつでも、どこでも、だれでも医者に診てもらえる。「皆保険」は安心の基盤である。シッコの世界にしないよう、まず医療保険の財政を確かなものにする必要がある。  患者負担を除いた医療費は、高齢化で06年度の約28兆円から25年度には48兆円へ跳ね上がる、と試算されている。それをまかなうため、保険料と税金がともに10兆円前後増える計算だ。  試算では、サラリーマンの月給にかかる保険料率は平均して約1ポイント上がる程度だが、自営業者や高齢者が入る国民健康保険は、いまでも保険料を払えない人が多く、限界に近い。患者負担を引き上げるのはもう難しかろう。皆保険を守るためには、保険料と患者負担の増加を極力抑え、そのぶん税金の投入を増やさざるを得ないのではないか。  社会保障を支えるためには消費税の増税も甘受し、今後は医療や介護に重点を置いて老後の安心を築いていこう、と私たちは提案した。医療は命の公平にかかわるだけに、優先していきたい。  もちろんムダもある。治療が済んでも入院を続けて福祉施設代わりにする。高齢者が必要以上に病院や診療所を回る。検査や薬が重複する。こんなムダを排していくことが同時に欠かせない。    医療保険の財政基盤が固まったとして、医療の現場は大丈夫か。そこが最近は怪しくなってきた。  病院から医師がいなくなっている。患者のたらい回しもよく起きる。このままでは産科や小児科だけでなく、外科や麻酔科も足りなくなる。近ごろ医師の不足や偏在が目にあまる。  医師は毎年40000人ほど増えているが、人口1000人当たりの医師は2人だ。このままいくと韓国やメキシコ、トルコにも抜かれ、先進国で最低になるともいう。先進国平均の3人まで引き上げるべきだ。医師の養成には10年はかかる。早く取りかからなければならない。  医師が充足するまではどうするか。産科や小児科など、医師が足りない分野の報酬を優遇する。あるいは、医師の事務を代行する補助職を増やしたり、看護師も簡単な医療を分担できるようにしたりして、医師が医療に専念できる環境をつくることが大切だ。  そのうえで、診療科目の選択や医師の配置に対して、公的に関与する制度を設けるよう提案したい。  医師の専門分野が偏らぬよう、診療科ごとの養成人数に大枠を設ける。医師になってからは、一定期間、医師の少ない地域や病院で働くことを義務づける、というものだ。  配置を受ける時期は、研修時や一人前になったとき、中堅になって、といろいろありうるだろうが、義務を果たさなければ開業できないようにする。  医師は命を預かるかけがえのない仕事である。だから私立医大へもかなりの税金を投入している。収入が高く、社会的な地位も高い。たとえ公立病院に勤務していなくても、公的な職業だ。  自由に任せていては、医師の偏在は解消できない。社会の尊敬と期待にこたえて、このように一時期の義務を受け入れることはできない相談だろうか。    以上の制度ができたとき、医師を計画的に養成するのは中央政府の仕事だ。しかし、それ以後は思い切り分権を進め、地域政府にまかせるべきだ。  前述した配置も、都道府県が地元の病院や医学部、医師会、市町村などと相談しながら決める。医師の多い県から出してもらう必要も生じるだろう。  その際には、プロ野球のドラフト制度をヒントにしてみてはどうだろうか。新人だけでなく中堅の医師を含めて、医師不足の県が、医師の多い県から優先的に採用できるようにするのだ。  4月からは、75歳以上の高齢者が入る県単位の高齢者医療制度が始まる。中小企業のサラリーマンが入る政府管掌健康保険は全国一本だったが、これも10月から県ごとに運営される。市町村の国民健康保険や小さな健保組合も、県単位への統合を進めている。  したがって、医療の負担と給付を決めるのも県の仕事にするのが自然だ。  医療への診療報酬は政府の審議会で決めている。これを、政府が決めるのはその基準にとどめ、知事が最終的に決めるようにしたっていい。必要とされる医療は地域によってさまざまなので、地域の実情に合わせやすくなるだろう。
 長野県は、予防に力を入れて高齢者の医療費を全国最低に抑えつつ、長生きを実現している。県が責任をもつことで、そんな工夫が広がるよう期待したい。

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外科、婦人科も内科診療 士別市立病院 医師不足解消へ4月から試み01/30 北海道新聞)

 【士別】士別市立病院(十一診療科、常勤医十七人)は、症状の安定した内科の再診患者を四月以降、同病院の外科、麻酔科、婦人科でも診療する方針を決めた。医師が減り続ける内科の外来診療体制を、他の医師で支えるため、「診療科の垣根を越えて病院と地域医療を守る」(吉川紀雄院長)試みだ。   

道医療政策課によると、内科患者を他の診療科で受け持つ体制は、市立病院クラスの道内自治体病院では珍しい。  

 同病院の内科は、最大時九人いた常勤医が六人に減り、二○○六年春から午前診療のみに体制を縮小。さらに今春、医師がさらに一人減る見通しだ。このため同病院は、投薬治療などに通う内科患者に同市内の民間医院への転院を依頼。

しかし「夫婦で通院中なので不便」などの声が多いことから、通院を望む患者を三診療科で受け持つこととした。  

  同病院は「外科だけでも内科患者を一日二十人ほど担当できると思う」(吉川院長)としており、医師減員後、内科の診療待ちが長時間化しないよう努める考えだ。

 北海道では、「僻地」の町村のみならず、地方都市でも医師不足は深刻な事態になっています。

 根室市に始まり、北見市の「北見日赤病院の内科医師全員退職」、それと前後して北見の近くの紋別市にある「道立紋別病院、内科医師退職」。 

それ以前にも「日鋼室蘭病院救急部の休止」など。 

札幌と隣接する江別市や小樽市でも市立病院の医師不足が深刻で、病院の経営そのものに大きな影響がでています。

札幌の隣町でさえもです!! 

すでに北海道では、地方中核都市の公的病院が「医師不足」によって倒れかかっているのが現状です。 

今回の士別市立病院の苦肉の策もそう長く続くものではありません。

 地域の医療崩壊は、「地方センター病院」のある地方中核都市にまで押し寄せています。

こうした状態で、地域医療の再編計画もその中心病院が潰れてゆくようでは、計画そのものが成り立たなくなります。 

起きていることは、重大で深刻、そして急を要することです。

 国・厚労省は、いまだに、閣議決定として残されている「医師削減政策」と年間2200億円の「社会保障費削減政策」を直ちにあらためることが、こうして「医師不足」と「医療崩壊」にストップをかける第一歩になることを肝に銘じるべきではないでしょうか。 

北海道で発生している「地域医療の崩壊」が、全国に波及する前に!!!

 

 

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  診療報酬改定、勤務医対策に1500億円・開業医向け移譲

 厚生労働省が検討中の病院の医師不足解消対策の原案が28日、明らかになった。2008年度の診療報酬改定で勤務医に関する報酬を総額1500億円規模引き上げる方向。財源は診療報酬本体の引き上げによる収入増に加え、開業医向けから400億円程度を移譲する。財源として開業医の再診料引き下げが焦点だったが、与党や開業医が主体の日本医師会の反発に配慮し、再診料を下げない中途半端な決着になる可能性が出てきた。

 厚労省は与党などと調整したうえで、30日の中央社会保険医療協議会(中医協)に勤務医対策を示す。中医協ではこの案をもとに財源などを決める見通し。勤務医は救急や夜間の産科などの激務も多いが、一般に開業医より収入が低い。勤務医が減り開業医に流れる一因となっている。 2008年1月29日/日本経済新聞)  
やはり、厚労省のやることは、姑息な手段に終始しています。

2200億円を押し込んだ「医療費抑制」には全く変わりはありません。

「開業医の報酬を削って勤務医の報酬を増やす」などと、一見、現状の矛盾に対応しているようですが・・・・

1)       この結果、「開業医と勤務医の間での矛盾?」を生じさせて、日本の医師の間に分断をもちこませるというあわよくば、「漁夫の利」を考えているのかもしれません。

2)しかし、私達医師には、そのような姑息な手段はもう通用いたしません。特に「全国医師連盟」が本格的に動き出しているの現在、開業医も勤務医も心ひとつになって行く流れが大きくなっています。

3)       もし、総額1500億円を勤務医に廻したとしても、医療現場で苦闘している勤務医にどれほどのゆとりがもたらされるのか、殆ど期待できないものです。

4)       やはり、「医療費抑制政策」の抜本的な解決と医師養成の大幅な増加を提示しなければ根本的な解決にはなりません。

「後期高齢者医療制度」の中止・撤回も含めて、医療問題を次期総選挙の重要な争点にしてほしいものです。

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塾講師の特別授業開始 受験対策、異例の月謝制 東京杉並区立中(1月26日北海道新聞)

学力向上と受験対策を目的に2万円前後の月謝を取り、進学塾講師が学校内で教えることから論議を呼んだ有料特別授業が26日、東京都の杉並区立和田中学校(藤原和博校長)で始まった。

 公立中学が私塾とタイアップする全国でも異例の取り組み。1年間開講する学校内私塾の効果や行方が注目を集めそうだ。

 この日は、学力把握の事前テストを受け、入塾した2年生13人のうち11人(女子10人、男子1人)が、午前9時すぎから英語の授業を受講。

 特別授業は、同中の保護者らでつくる「地域本部」が都内の進学塾と協力して開いた。平日夜間に数学と国語を学ぶ週3日コースと土曜午前の英語を加えたコースに2年生計19人が参加する。

 当初は今月9日のスタートを予定していたが、都教育委員会が「義務教育の機会均等の観点から問題」と疑義を示したため延期。杉並区教委が「地域主体の学校教育外の活動」などと回答し、開講にこぎつけた。

塾の講師が、公立中学で時間外を使って有料特別授業が行われ始めました。

こうしたことは、公的義務教育に対するまったくの無理解か、意図的に施行している「教育の規制緩和」なるものではないでしょうか。

1)  機会の公平性が求められる効率中学校で、成績上位者と月謝支払い可能者に限って(選別して)「夜スペ」を実施することは、教育の機会均等を教育の現場自体が破壊する行為ではないでしょうか。

2)  社会的に「格差と貧困」の進行する現在、たとえ一月2万円の月謝とはいえ、それが支払いできないご家庭の生徒の可能性に門戸を閉ざすことになります。  これは、明らかに公教育の中に「貧富の差」を公教育自身が持ち込むことになるのです。

3)  こうした、経済条件による機会均等の破壊による「学校内塾授業」は、学校当局により、学校内に成績の格差を人為的に作り出すことになります。

4)  学校内に作り出された人為的格差が学区内の生徒たち全員に与える、「歪んだっ優越感」と被差別感が長期間蓄積される結果、生徒たちのに抜き差しならぬ分断をもたらすことになるになるのかも知れません。

5)  マスコミにとりあげられてる藤原和弘校長は、「成績の良い子を伸ばすと、悪いこの学力も上がるから・・・」と今回の「夜スペ」の意義を強調していましたが・・・。これは、「夜スペ」を合理化する詭弁に聞こえてなりませんでした。

6)  学校教育の一部を内容的にも物理的にも進学塾という『民間私的企業』にわけわたし、教育者自ら生徒への責任を放棄してしまうことになりました。

7)  あえて言えば、今回の「夜スペ」は、義務教育である公教育の世界に「教育の民営化」を浸み込ませる第一歩となるものです。

8)  すべての生徒の学力を底上げするには、成績の良くない子供にこそ「夜スペ」ならぬ「無料の昼スペ」が必要なのではないでしょうか。

9)  そもそも今回の「夜スペ」の処置が、子供たちの学力向上を真剣に考えるのであれば、公的学校教育の条件そのものを良くしなければ、根本的な解決にはなりません。

10)国際的にOECDの中でも最下位クラスにある日本の教育予算をもっともっと引きあげることが第一に必要です。

11)そうした条件の下で、学校の教員を大幅に増やして、すべての子供に十分な学力が身に付くような学校教育を実現すべきなのです。

12)「国民医療の民営化」と「義務教育の民営化」の共通するところのあることがわかります。

13)規制緩和の名の下に医療も教育も国の責任がどんどんん削られようとしていることです。それは、財政的裏づけの欠如と同時に国民への責任そのものの放棄につながってゆくのではないでしょうか。

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 北見赤十字病院 内科医全6人退職へ 一時休診の可能性01/24 北海道新聞)

 【北見】網走管内の中核病院で救命救急センターとなっている「北見赤十字病院」(小沢達吉院長、六百八十床)の内科の医師六人全員が、三月末に退職する意向であることが二十三日分かった。同病院の内科はリウマチ・膠原(こうげん)病を治療できる管内唯一の医療機関。病院側は医師確保に努めているが、内科が一時的に休診となる可能性も出ており、患者への影響が懸念されている。

 同病院には内科のほか小児科や循環器科、消化器科など十六の診療科があり、医師数は百一人(二○○八年一月現在)。内科の一日当たり外来患者数は約二百五十人で、入院患者は約七十人に上る。

 関係者によると、研修医一人を含む内科医六人が退職すれば四月以降の診療体制の見通しが立たなくなるため、二月から内科の新規患者の受け入れを一時休止する方針。従来の入院・外来患者に対しては、北見市内外の他病院の紹介や転院あっせんを検討するという。

 大量退職の背景について関係者からは、勤務医の就労条件の悪化や次期院長の人事をめぐる対立などを指摘する声が上がっている。小沢院長は「地域医療に混乱が生じないよう医師の確保に最大限努力している」と話し、道内の医療機関などに医師派遣を要請する考えだ。
  昨年は、室蘭日鋼病院が医師の大量退職を契機に「救急医療」部門を一次閉鎖に追い込まれました。

同病院は、北海道で「カレスグループ」を形成して医療展開を進めてきた有力な医療団体です。

また、卒後臨床研修や「家庭医医療」などのプライマリーケアへの取り組みを行っていました。 

今回の「北見日赤病院」も北海道オホーツク地方最大の基幹病院です。同病院が中心となって中小病院・診療所との連携で北見市とその周辺の地域医療をになっています。

また、北見日赤病院は、新卒後臨床研修指定病院として全国から研修医が応募されたことでも有名でした。しかし、3年目以降の後期研修へも参加する研修医は減少傾向でもありました。 

そうした中での内科医師全員退職のニュースです。取り敢えず、内科を当面閉鎖するとのことですが、それこそ臨床の基幹診療科である内科が揃わずして、病院とそこでの医療が成り立つかどうかです。 

何とか、「医師集め」だけは成功したとしても診療レベルの低下は否めません。 

さて、問題なのは、「北見日赤病院」ほどの基幹病院でも、医師不足による病院崩壊がいつでも起こりうる事態になっていることなのです。 

地方の自治体病院が、医師不足や経営困難で診療内容を低下させることが続いてきました。

しかし、今回は「基幹病院」そのものも容易に崩壊の対象に陥ってしまうほど医師不足とそれに基づく「病院崩壊」が深刻化していることです。 

さて、今年にも行われるであろう総選挙では、医療問題を大きな争点のひとつに鳴らざるを得ない気がしています。

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 11病院が搬送断る 胸の痛み訴え95歳女性死亡 東京

2008年01月23日朝日新聞) 東京都清瀬市で今月8日夜、自宅で体調不良を訴えた無職女性(95)を清瀬消防署が救急搬送する際、近隣の11の病院に受け入れを断られていたことが分かった。女性は12番目の病院で応急処置を受けたが、まもなく死亡した。通報から病院到着まで52分かかっていた。

 東京消防庁などによると、女性は胸の痛みを訴え、8日午後9時34分に通報があった。救急車が通報の3分後に女性宅に到着し、病院の選定を始めたが、清瀬市や小平市などの病院から「満床で対応できない」などと断られ続け、選定開始から38分後に12番目の病院に決定。病院に到着したのは午後10時26分だった。女性には心疾患の既往症があったという。

 受け入れを断った病院の一つの公立昭和病院(小平市)は、生命の危険のある患者を処置する3次救急医療施設だが、「要請があった時は担当の医師が別の患者の処置中で、待たせては命にかかわると判断し、他の病院への搬送を求めた」と説明している。

中核救急病院、2年で174カ所減 搬送遅れの要因に

2008年01月14日朝日新聞) 地域の救急患者を受け入れる中核的存在の「2次救急病院」が、この2年間で174カ所減ったことが、朝日新聞の全国調査でわかった。深刻化する医師不足や経営難が影を落とした結果、減少傾向が加速しており、新たに救急を掲げる病院がある一方、救急の看板を下ろしたのは、2年間で全体の5.6%にあたる235カ所に上る。急患の収容先選びが困難になり、搬送遅れが続発するなど市民生活への打撃は大きい。国の医療費抑制政策が救急医療の根幹を揺るがしている実態が、色濃く浮かんだ。

 日本の救急医療機関は、開業医らが軽症患者を診る「1次(初期)救急」▽入院や手術の必要な患者を治療する「2次救急」▽救命救急センターなど重篤患者に対応する「3次救急」に分かれ、中でも、多くの市にある公立・民間の2次救急病院が地域医療の中心的担い手となっている。調査は、救急医療計画を策定する各都道府県を対象に、05年10月~07年10月の増減状況を尋ねた。

 全国の2次救急病院は05年10月時点で4170カ所あったが、2年後には3996カ所となり、174の純減。救急対応をやめた235カ所に加え、21カ所が3次救急に移行するなどした一方、新たに82カ所が2次救急病院になった。04年以前のデータがある自治体の多くで、05~07年の年間減少数がそれ以前を上回り、減少率が高まっている。

 2次救急病院の減少数トップは福岡県の26カ所。県東部の京築地区で市町村の補助金が打ち切られた結果、当番制で急患を受け入れる「輪番制度」がなくなり、10病院が一気に救急から外れたのが響いた。東京都の15カ所、大阪府の14カ所がこれに続き、診療報酬の改定に伴う収入減などで、診療体制を縮小する病院が都心部で増えている実情を裏づけている。当直の確保で人件費がかさむ救急が不採算部門になっている例も多く、東京では、5病院が破産や廃院に追い込まれていた。

 地域別では、四国の落ち込みが著しく、全体の11%にあたる22カ所の減。北陸・甲信越でも8%(22カ所)減少し、激務などから救急勤務医の退職が相次ぐ地方病院の苦悩が際立っている。

 こうした状況を背景に、各地で救急患者の搬送先探しが難しくなっており、兵庫県姫路市では昨年12月、吐血して搬送された男性が17病院に受け入れを拒まれた後に死亡。大阪府富田林市でも下痢や嘔吐(おうと)で搬送された女性が30病院に断られた翌日に亡くなった。福島市では同11月、交通事故に遭った女性が4病院に計8回搬送を拒否された後、死亡している。

 このほか、2次救急に指定されている診療所も同時期に57カ所減り、404カ所になった。2年間で12%が消えたことになる。

 調査と並行して、救急対応をやめた235病院のうち、自治体が公表しなかった病院などを除く227病院に撤退の理由(複数回答可)を聞き、204病院から回答を得た。

 最多は「医師や看護師の不足」で66病院。次いで「診療所への変更」(40病院)が多く、「療養型病院などへの転換」も28病院あった。「地域の輪番制度がなくなった」が24病院、「倒産・廃院」は20病院だった。

 スタッフ不足を挙げた病院は地方に顕著で、「大学の医局による医師引き揚げで常勤医が10人以上減った」「医師が半減し、当直態勢が取れなくなった」などと事情を説明。「看護師が給与の高い都市部へ流れ、夜間の救急体制が築けない」との声も多かった。

 都市部では、人手不足を訴える病院が多い一方で、「救急での収益が期待できない」「病院の収支が厳しい中で続けるメリットがない」など、経営上の理由も目立った。中には「当直医の専門外の患者が来る救急は、訴訟リスクが高い」と回答した病院もあった。

毎週のように、救急患者さんの残念な報道が国民の中に流されています。 

救急患者さんが発生後、何軒もの病院で受け入れを断られ(私は、「たらい回し」という表現に反対です)結局は、手遅れになって、場合によっては生命を落とすことになってしまいます。 

何故?こうした事態が日常的になっていきたのでしょうか? 

後段の朝日新聞の記事が、「国の医療費抑制政策が救急医療の根幹を揺るがしている実態が、色濃く浮かんだ。」と結論づけています。 

全国で、この2年間で172箇所の中核救急病院が救急医療から撤退しているのです。各都道府県で平均すると、3~4箇所の救急病院が救急患者さんを扱わなくなっています。 

その原因は、医師・スタッフ不足と経営的困難からであることも今回の調査が明らかにしています。 

とすると、今も救急病院として頑張っている病院でも受け入れ患者数には限りがあるので、新発生の救急患者さんの受け入れを断らざるを得ない現状となります。 

また、そこに働く救急担当医もこのままの激務では、いずれ救急医療の現場から立ち去らざるを得なくなるのです。 

こうして、我が国の救急医療を崩壊の瀬戸際まで追いつめてきたのは、他ならぬ政府・厚労省の「医療費抑制政策」に他なりません。 

政府が国民の目線で政策を考えるのであれば、
    医師の絶対数の増加のために医学生の定員を抜本的増やすべきです。
    現在ある救急病院へ、その継続が可能なように財政的な裏付けを保障すべきです。
③消防庁・消防局・消防暑などと安全・救急な搬送体制を再構築すべきです。 

 

これ以上、救急患者さんが「手遅れ」とならないように国と行政の責任で対策を進めてほしいものです。

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民間資本活用「PFI方式」の病院が経営難 滋賀

2008年01月20日朝日新聞)

 自治体の財政負担を軽減する目的で、公共施設の建設や運営に民間資本を活用するPFI方式を取り、06年10月に開院した滋賀県近江八幡市立総合医療センターが経営難に陥ったことがわかった。

改善策を検討する市長諮問機関が、市財政の破綻(はたん)の恐れが出てきたとして、民間とのPFI契約の解除を視野に入れた抜本的見直しを21日、答申する。内閣府によると、PFI事業は昨年10月現在で全国に290件あるが、解除されれば全国初。

 センターは旧市民病院の老朽化に伴い、前市長時代の01年、PFIによる移転、新築を決定。設計から民間が関与し、建設・運営まで携わる全国初のPFI病院として、04年10月に着工された。

 契約では、大手ゼネコン大林組が出資した民間会社(特別目的会社、SPC)が病院を建設し、所有する。開院から30年間、給食や滅菌など医療行為以外の業務を担った後、建物は市に無償譲渡。SPCとの契約総額は682億5000万円で、市は、市による建設、運営より56億円減らせると試算した。

 しかし、開院から1年半となる今年度末、24億円の赤字が見込まれ、8億円の一時借入金が必要とされるなど資金繰りが悪化。市は昨年12月、冨士谷英正市長の諮問機関「総合医療センターあり方検討委員会」を設けた。

 市長に答申される提言では、このまま放置すれば、13年度末には債務が約70億円まで膨らむと試算し、市が地方自治体財政健全化法上の財政再生団体(旧財政再建団体)に転落する恐れがある、としている。

 経営危機の原因については、市側が毎年度の収支計画を十分に検証せず、採算ラインを度外視した豪華な病院をつくったため、と指摘。赤字でも、銀行などからの一時借り入れで対応できるという安易な認識で建設を進めたと推測される、と市を批判している。SPCと交渉して毎年4億円以上の支出削減が不可能な場合は、契約解除も視野に検討すべきだとした。
 同様のことが高知医療センターでも噴出しています。高知では、特別目的会社の中に、オリックスが入り込んでいます。  そもそも、PFI方式が導入されるときから、それは「医療への株式会社参入の隠れみの」として批判してきました。  今回、明らかになってきた事態は、国による「医療費削減政策」の中で経営難に追い込まれてきた自治体病院に「甘い言葉」で民営化を持ちかけてた結果によるものです。 

彼ら「特別目的会社」の「方式」で増やした赤字を地方自治体の負担=住民尾の金から補填させるものなのです。 

その結果、「特別目的会社」には何の不利益がないとすれば、「医療」に名を借りた大企業の新たな税金の無駄使いになってしまうのです。 

その本質は、大手ゼネコンやオリックス等の民間大企業が、医療民営化の名の元に国民医療を企業利益追究の場にしょうとしたことです。 

しかし、問題なのは、こうしたPFI方式がこの後全国で9箇所計画・建設中である事です。 

神戸市立中央病院や筑波大学付属病院、

愛媛県立中央病院、島根県こころの医療セ

ンター、八尾市立病院、大阪府精神医療セ

ンター、東京都の多摩広域基幹病院・小児

総合医療センター、ガン・感染症医療セン

ター、精神医療センターなどがあります。  
「医療費削減」と医師不足で自治体病院の経営を悪化させておきながら、その救「いの手」を大企業が参加する「特別目的会社」に任せるPFI方式には、国とオリックスなど大企業との共同作業の影が見えてきます。

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 認知症 なぜ見過ごされるのか ~医療体制を問う^

 

去年12月に始まった認知症キャンペーン。
「歳だから仕方がない」、「絶望の病」といった古い常識を一掃するため、認知症は早期発見によって治療の可能性も広がっているという研究の最前線を伝えてきた。

 

しかし、NHKに寄せられた患者・家族たちの声からは、認知症の人々をめぐる「医療」の問題が、課題として浮かび上がってきた。
 

 

「年相応の物忘れと言われている間に症状が進行してしまった」、「どこに行けばいいのか?」という患者・家族の叫び。また、たとえ認知症と診断されても、在宅や施設での暮らしに医療がほとんど手をさしのべていないという実態。認知症は「診断までが医療、その後は介護」という意識が根強い中で、認知症の人々は必要な医療を受けられずにまさに見過ごされているのだ。

 

番組では、認知症を見過ごさないためには何ができるのか、診断・治療の現場をルポ、医療は認知症になにができるのか、国の施策を問いながらその道筋を考えていく。

1月20日NHKスペシャルは、認知症をめぐる医療体制がテーマでした。 

 

 番組冒頭は、医療体制への評価というよりは、認知症にたいする診断と治療における患者さんとご家族の不満が続きました。まるで「医師バッシング番組」かのようでした。 

 

確かに、「統合失調」と誤診されたり診断の遅れによる患者さんの苦痛は、痛いほど良くわかります。  

 

だからこそ、多くの医療従事者は、患者さん家族のために「医学と医療の充実」に心を砕いているのが現状ではないでしょうか。  

 

さて、今回の認知症に限らず、医療現場の矛盾の最大の原因は、「超多忙さ」にあります。  

 

番組の中で「認知症専門医」の不足が指摘されていましたが、不足しているのはこの分野だけではありません。

産婦人科や小児科医、外科医や救急医療など、日本の医師全体が不足しているのは言うまでもありません。  

 

こうした「日本の絶対的医師不足」を解決してゆく中で始めて、「認知症専門医」が充実してくるのではないでしょうか。  

 

もちろん、現在地域医療のど真ん中にいる私たちも、さらに認知症に対する研鑽を深めることは、医療水準の向上のために必要なことです。

これは、「全国医師連盟」でも提起している「医師の自律性の向上」に通じるものと考えています。  

 

「認知症医療」は、医師だけでは成り立たず、臨床心理士や介護現場の従事者、行政など病院と地域でのチームによる総合医療がときに求められる分野です。 

 

一方、こうしたチーム医療を前進させるためには、その財政的な裏づけとなる診療報酬上の手当てが絶対的に必要です。

現在、部分的に行われている「先進的な経験」は、現場の自発的ボランティア精神に支えらているのが現状ではないでしょうか。

れでは、根本的に患者さんの願いに応える体制を作ることは困難です  

 

一方、番組内で紹介されていた、北海道砂川市立病院を中心とした「地域医療連携」の経験は、行政もかかわっている豊かな経験と思いました。

しかし、砂川市を機軸とした北海道中空知地域の経験は、地域の医療・介護をただ「認知症」だけでなく、総合的に展開しているものです。 

 

大切なことは、行政と財政の裏づけを持った「地域医療連携」の充実です。(その詳細は、別な機会に報告します)