「混合診療の解禁と、その拡大は、保険がきかない医療行為を永続的に容認する」などとして、全日本民主医療機関連合会(肥田泰会長)は12月17日までに、「医療差別を促進し、国民皆保険制度を形骸化させる〝混合診療の拡大・容認〟に断じて反対する」という声明を発表した。
健康保険が適用される「保険診療」と適用されない「自由診療(全額患者負担)」を併用する混合診療については、腎臓がんの治療のため、保険の適用対象となるインターフェロン治療と保険適用外の「活性化自己リンパ球移入療法」を併用して受けた患者が「インターフェロン治療も含めた全額が自己負担とされたのは不当」として提訴。東京地裁の定塚誠裁判長は11月7日、「混合診療を禁止する法的な根拠はない」と、混合診療を認める判決を下している。
この判決に対し、日本医師会や全国保険医団体連合会などは1989年2月23日に下された東京地裁の「混合診療禁止は妥当である」とする判決に反すると批判。一方で、政府の規制改革会議などは混合診療の全面解禁を求める声を強めている。
こうした情勢を踏まえ、全日本民医連は「混合診療は『健康保険で受けられる医療はここまで、それ以上の医療は自費で』というもので、医療保険給付の範囲を制限することを目的にしている」と指摘。
背景には、政府や日本経団連が「軽度医療」や市販類似薬品の保険給付はずし、保険免責制度の導入を主張し続けているとともに、米国から日本政府に示される「年次改革要望書」には、必ず株式会社による医療経営参入や混合診療の解禁が盛り込まれていることを挙げている。
その上で、全日本民医連は「市場原理にゆだねた米国の医療の現実はマイケル・ムーア監督の話題作『シッコ』に示された通りであり、国民皆保険制度を持つ日本にとって断じて容認できない」と批判し、貧困と格差が拡大し、年収200万円未満の人が1,000万人を超える中、混合診療を解禁すれば、「所得が少ない人は必要な医療を受けられず、救える命が救えなくなる事態となってしまう」と危惧している。
厚労省が、『混合診療』の容認・拡大へ舵を取りつつある現在、あらためて「混合診療」解禁反対への世論の高まりが望まれています。 「混合診療」の解禁で、一見その瞬間、医療費は一時的に安くなるかもしれません。
しかし、その自費診療部分の医療費は、支払い可能な人と、支払いできない人の間では、医療へのアクセスに「作られた不平等」を生じることになります。
つまり、お金のないひとは、有効と思われる「自費診療」を受けることが出来ません。これが、『医療差別の拡大』に繋がって行くことになります。
また、薬事法認可抜きの自費診療における「質」と安全性の確保が不明確だと言うことです。現在、薬害肝炎訴訟が進行中ですが、そうしたことの再発も十分予想されることではないでしょうか。
従って、「混合診療」などといわないで、「安全で有効性のある」治療法は、国と厚労省が責任を持って、素早く保険適応とし、一般保険診療とするのがいいのです。
そうではなく、「混合診療」の全面解禁か部分解禁化は、「医療費削減政策を掲げる厚労省」と「利潤追求のために皆保険制度を崩そうとする日米民間保険会社」の議論の産物のような気がします。
今こそ、「混合診療」の議論そのものに日本の医療の中から退場してほしいものです。
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