厚生労働省の有識者会議「生活扶助基準に関する検討会」(座長・樋口美雄慶応大教授)は30日、生活保護費のうち、食費や衣料費など日常生活にかかわる「生活扶助」の基準が、低所得者の生活費よりも「高め」だとする報告書をまとめた。これを受け、舛添厚労相は同日、閣議後の記者会見で「(基準は)若干、引き下げる方向の数字が出ると思う」と述べ、来年度以降の引き下げを明言した。
生活保護は、厚労相が定める最低生活費から、収入を引いた差額を支給。住宅や教育など8種類の扶助がある。夫33歳、妻29歳、子ども4歳という3人家族を「標準世帯」として基準額を設定しており、今年8月現在の受給者は153万6176人。
報告書では、5年に1回実施される全国消費実態調査の結果を基に、低所得世帯の生活費と生活扶助基準を比較。3人世帯の場合、低所得世帯が14万8781円だったのに対し、生活扶助は15万408円と1627円高かった。生活保護を受けている世帯の7割超を占める一人暮らしのうち、60歳以上の高齢者で比べても、低所得者の6万2831円に対し、生活扶助は7万1209円と8378円の差があった。
報告書を受け、厚労省は年末までに引き下げ額を決める予定だが、生活保護受給者の支援団体や労組などを中心に反発の声も根強い。
生活保護を巡っては、70歳以上の高齢者に上乗せ支給していた「老齢加算」が04年度から段階的に廃止。15歳以下の子どもを育てる1人親世帯に支給される「母子加算」の段階的廃止が今年度から始まるなど、引き下げ傾向にある。
小泉・安倍内閣時代を頂点?とした市場原理主義的政治の横行で、「格差問題」が叫ばれて久しい時です。 「ワーキングプア」という言葉が完全に社会的市民権を得て、「社会的貧困層」が増えてゆく中で・・・・今度は、まがりなりにも社会のセーフティネットとしてあった「生活保護制度」が崩されようとしています。 働く人々の収入が下落を続け、それが「生活保護水準」よりも下がってしまいました。こうした事実を持って、政府与党は、下落した収入にあわせて今度は、「生活保護基準」を下げるのだというのです。 国が、低賃金層を作り、下がった水準に生活保護基準を合わせる・・・生活保護から追い出された人々が、さらに低い貧困層を形成する・・・そうするとまた、その低い水準に生活保護を下げてゆく・・・。これが「貧困のスパイラル」です。 既に、生活保護家庭での「母子加算」や「老齢加算」が廃止され、それらの対象家庭では、実質的に切り下げが実施されているのにです。 いよいよ今度は、「生活保護基準」本体に手をつけてくるのです。 話は、全く逆ではないでしょうか。 「生活保護基準」以下に下がった労働者の年収をどのように上げてゆくのかということが大切なのです。 このまま放置されるのなら、日本にも「貧困のスパイラル」が完全に出来上がってしまいます。 雇用の拡大や非正規雇用から正規雇用へ、雇用の安定や最低賃金の保障などは、民間任せではなく、国の方針として、政治が責任を持つべき課題です。
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