安倍晋三首相は十五日、就任後初の終戦記念日を迎えた。首相就任後の十一カ月間、中国、韓国両国との関係に配慮し靖国神社参拝を控え、参拝への言及は「あいまい路線」を堅持した。
首相は「戦没者への尊崇の念」から靖国参拝を重視する姿勢を持ち続けるが、参院選惨敗により、政局混乱を招きかねない参拝の実現は一層、困難な状況だ。
首相が就任直後から掲げる憲法改正など「戦後レジーム(体制)からの脱却」も壁にぶつかり、「安倍カラー」退潮を印象づける日になる。(東京政経部 堀井友二)安倍首相は十四日、首相官邸で記者団に対し、十五日の靖国参拝について「今まで申し上げてきた通り」と述べ、従来の「行くか行かないか明言しない」との見解を踏襲した。
首相は就任後、一貫して靖国参拝に積極姿勢だった持論を封じ、その是非に踏み込んだ発言を避けている。一方で首相は参拝を控えながらも、今年四月、靖国神社の春季例大祭に「内閣総理大臣」名で真榊(まさかき)を奉納。七月にも「みたままつり」にちょうちんを献灯した。
あいまい発言の裏には、靖国参拝の正当性を主張した自身の過去の言動との矛盾を回避し、首相の思想信条に共感する有権者や一部議員の支持をつなぎとめたい狙いもある。だが、こうした微妙なバランスを取りながら保ってきた「安倍カラー」は参院選の惨敗によって一気に色あせている。
与党内では敗因に関し「首相の右に傾いている思考への有権者の警戒感が劇的に作用したのではないか」(自民党谷垣派議員)、「生活や格差など国民が不安に思っているところにしっかりと取り組むことが大事」(公明党・北側一雄幹事長)などと理念的な主張にこだわる首相に方向転換を迫る意見が続出した。
この状況で終戦記念日以降も首相が参拝に踏み切ることがあれば、世論や、再び中韓両国をはじめとするアジア諸国から批判が集中するのは必至で、与党内の亀裂に発展する可能性が高い。全閣僚が参拝を見送る方針を表明したのも政権立て直しを優先するためだ。
62回目の終戦記念日となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で開かれた。
安倍晋三首相は式辞で「先の大戦で、わが国はアジア諸国の人々に多大の損害と苦痛を与えた」と日本の加害責任に言及した上で「不戦の誓いを堅持し、世界の恒久平和確立に積極的に貢献していくことを誓う」と述べた。追悼対象は戦死した軍人、軍属約230万人と、空襲や原爆で亡くなった国民約80万人。天皇、皇后両陛下をはじめ、全国各地の遺族、各界の代表ら約6000人が参列した。安倍首相の参列は就任後初めて。
式典では、安倍首相の式辞に続き、正午の時報を合図に参列者全員が1分間の黙とうをささげた。
天皇陛下は「全国民とともに、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に心から追悼の意を表し、世界の平和とわが国の一層の発展を祈ります」とお言葉を述べられた。今日の62回目の「終戦記念日」は、ここ最近になく特別な意味を持っている気がします。
「安倍独断・暴走内閣」が強引に進めてきた「戦後レジームからの脱却」や「憲法改定」・「教育基本法改訂」、「国民投票法」の制定や「集団的自衛権での憲法解釈の変更」などは、戦後政治のあり方を右傾化する方向へ導こうとしたことが明らかです。
「沖縄での集団自決」への軍の関与の否定、「原爆しょうがない」発言にみられる核兵器容認と核廃絶への敵対、在日朝鮮人のかた方などマイノリティーへの差別問題とそれへの無反省、相変わらずの「靖国賛美路線」、
そして何よりもあの侵略戦争への反省が、誠実な行動を伴って行われていないのが現状ではないでしょうか。 今回、参議院選挙での歴史的敗北に鑑みて一時的に「右傾化路線」を衣に隠した安倍首相は、全国戦没者追悼式で「不戦の誓い」を堅持と世界の恒久平和への積極的貢献を宣言しました。もし、それが文字通り真実であるならば、それを誠実に行動に移すべきではないでしょうか。
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