夕張希望の杜 社会医療法人化に意欲 収益事業展開も 2007/02/22 07:59(北海道新聞)
【夕張】財政再建団体となる夕張市で、市立総合病院を診療所として引き継ぐことが決まっている「夕張希望の杜(もり)」代表の村上智彦医師は二十一日、夕張市内で記者会見し、今後の運営構想を発表した。
将来的には社会医療法人を取得した上で、医療支援付きの集合住宅や保育所、温泉施設を経営するなど収益事業を展開する方針を明らかにした。
社会医療法人制度は、地域医療の安定的な提供を目的に四月に施行される。医療法人にへき地・救急医療が義務付けられる一方、債券発行や収益事業が認められる。
診療所の資金調達では、証券大手・野村ホールディングスの子会社「野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー」(東京)と提携。社会医療法人債の発行などで支援を仰ぐ。
収益事業ではコンビニエンスストアや喫茶店も開業し、雇用の創出にも役立てる。
また、村上氏は日本赤十字看護大と東京の医師求人会社から、それぞれ看護師と医師の確保について協力を受けていることも報告した。会見で村上医師は「志ある医師を探し、住民を守りたい」と抱負を語った。
地域の医療崩壊が進む夕張で、「夕張希望の杜」をたちあげた村上先生にエールを送ります。
その情熱と行動力、それに裏打ちされた病院運営にこれからも、出来るだけの応援をしたいと思います。
しかし、昨日明らかにされた「社会医療法人」取得について、多少の疑問が湧きました。
社会医療法人制度は、今までに原則禁じられてきた医療法人の収益事業を認める内容になっています。
さらに、税制上の優遇処置に加えて、債権の発行を認めることです。
今回は、野村ホールディングス(HD)が資金調達で協力するそうです。
当の野村HDは、社会の高齢化が進み医療分野のビジネスチャンスが拡大すると判断して支援を決めたそうです。
野村HDは、当然支援の見返りを求めてきて当たり前です。
ここに、医療への「実質的な株式会社の参入」が始まります。
こうしたことは、以前からありましたが、今回は、夕張再生の中で「否応なし」に、「市場原理主義による医療への株式会社の参入」がセンセーショナルに行われているのです。
私は、いろいろな形で夕張再生支援が必要だと考えています。
しかし、医療と教育については、まず第1に、道や国も含めて自治体・行政が責任を持って再建の道筋を建てるべきと思います。
これから、第2、第3の「夕張」=破綻自治体が出てきたときに、「医療・介護分野は、民間に・・・」という方程式になってしまう可能性も危惧されます。
そうなると、住民を守る自治体の責任は曖昧になってしまいます。
そして、その間隙をぬって、、「市場原理主義による医療への株式会社の参入」がそうした地方からもしみこんでくるのではないでしょうか。
地域医療の崩壊に「ビジネスチャンス」を見つけて、「混合診療の導入」とあわせて、医療をお金儲けの道具にする「はげたかファンド」の動向に十分な注意が必要です。
市場原理主義に荒らされた「アメリカ医療」の後を追わないために・・・・。
コメント
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はじめまして。iryouhouと申します。
株式会社参入につながるとの見解には異議がございます。
1 社会医療法人債
利息は定額であるため、株式と異なり利益に応じて配当されない。利益に応じて社会医療法人債の時価が変動することはないため、増収増益といった経営の動機とはならない。
社債を取得したとしても議決権を行使できないため、経営に参画することはできない。
2 収益事業
収益事業を実施できることのみでなぜ株式会社参入につながるのか?医療法人でもMS法人により収益業務を行っているところはたくさんある。
社会医療法人は役員に親族や株式会社グループ等の特殊関係者が3分の1以上占めることを禁止している。制度的に株式会社が役員に参画することは難しい。
3 社会医療法人の取消
仮に株式会社参入により公益性が著しく害される可能性があるのであれば、社会医療法人の認定は取り消される。
以上、ご参考にいただければと存じ上げます。
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