厚労省は28日、75才以上の外来医療について、「定額制」を導入する方針を固めました。この外来「定額制」は、単に、75歳以上という局所的な制度にとどまらず、国民医療全体にとって大変重要な意味を持っています。10月19日のこのBLOGにも多少触れておきました。http://blog.m3.com/northcosmos/20061019/75_/trackback

 

 

1)これまでの「定額制医療」は主に入院医療で少しずつ導入されてきました。「療養病棟」や「回復期リハビリ病棟」「老人保健施設」[在宅医療の一部」などでは「定額制医療」が施行され、病状が悪化すると「一般病棟」へ転棟するか、転棟せずに赤字覚悟の「持ち出し医療」で過ごすことは少なくありません。また、日本型DRGと言われるDPCも急性期医療における「定額制医療」の亜型として急性期病院を中心に拡がりを見せています。

 

 

そして、今度は外来医療にこの「定額制」を持ち込もうとしているのです。今回は、75歳以上となっていますが、まもなく外来医療全体に拡げられることは明らかです。そうなると、日本の医療のかなりの部分が「定額制」におかれることになってしまいます。

これは、日本の医療が「出来高払い」から「定額制」へ移行される重要な転換点になります。

 

 

 

2)今回の方式では、患者さんは特定の慢性疾患の医療機関をあらかじめ選ぶ必要があると言うことです。患者さんは、選んだ医療機関に一定期間通い続ける事が求められるのです。これでは、日本の医療保険の優れた特徴である「いつでも、どこでも」の「医療機関へのフリーアクセス」が制限されてきます。この面でも、「国民皆保険制度」の崩壊の第一歩が踏み出されるのです。

 

 

3)さて、「定額制」をはみ出ざるを得ない診療はどうなるのでしょうか。それは「自己負担」・「自由診療」か赤字覚悟の病院負担となります。と、すると・・・次に出てくるのは、多くの先生が反対している「混合診療」が待っているのです。そして、「自由診療」部分には、「民間保険」が顔を出してきます。ここからも「国民皆保険制度」の破壊がはじめられる事になります。

 

 

4)こうして、「定額制」と「自由診療」を組み合わせて、患者負担を含む「国民医療費」は伸びても、国庫だけが負担する「医療給付費」は削減する方向に持ってゆこうとしているのです。

 

 

一度、「定額制」が持ち込まれるとその「定額」を操作する事により国の「医療給付費」の減額は思いのままではありませんか。

その結果、真面目に医療を進める医療機関の経営は厳しさを増し、この面からも倒産を含む「病院崩壊」が加速されてくるのではないでしょうか。これはつまり、「地域医療の崩壊」へと進み、強いては「地域の崩壊」を来すのです。  

5)一方、「自由診療」・「混合診療」の公認は、国民の中に「医療格差」を持ち込む以外の何者でもありません。お金のないものは「良い医療」を受けるなと言うことに繋がります。 

以上のような、日本の医療の根本的な問題に繋がる、今回の「75才以上、外来定額医療」の導入であります。また、その根本は国の「医療費削減政策」にあることはじめいのことです。年明け早々、多くの人々がこの課題に声を上げてほしいものです。

 

 

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スウェーデンではベビーブム」が沖縄の海先生から紹介されました。http://blog.m3.com/turedure  少子高齢化の社会の中で生活する昨今では羨ましい限りです。日本における「ベビーブム」は現時点で望むべきもありませんが、「決してあきらめない」事を自分に言い聞かせつつ、健やかにみ育てる事を阻んでいるものを考えてみました。 1)スウェーデンからの報告でも分かるように、子供を安心して育てることの出来る環境と社会保障制度の充実が大前提のようです。出産前後の医師、助産師の手厚いフォローから、十分な保育園、両親への産休と育児休暇の保障などが大切です。 2)また、何人かの子供を産み、育てる事の出来る経済的な保障が両親にあるのかどうか。今日の非正規雇用が増加する中で、若者の生活と将来への不安も高まっています。そんな不安定な生活の中で、子供を育てる事へのモチベーションは上がってこないのではないでしょうか。 3)それどころか、結婚そのものの成立、つまり家庭を創り出すこと自体が困難にされているのが現状です。年収200万円までも到達しない若者も多く、また「ワーキングプア」が再生産されつつある今日では、婚姻の成立自体が減少してくるかも知れません。 4)しかし、一方で結婚と出産が直接結びつかなくても良いのがスウェーデンの社会的合意です。日本でもいずれそれに似た文化が拡がってくるかも知れません。今からそうした事に備えを創ることも重要ではないでしょうか。 5)子供を送り出す先の「学校崩壊」「いじめ問題」も深刻です。学校教育の建て直しが急務ですが、どうか、官僚的な押しつけ改革だけは避けてほしいものです。特に、「改正教育基本法」の具体的な実施には注意が必要です。家族が安心して送り出す事の出来る学校を創りたいです、もちろん私たちも協力してです。 6)そして、子供達を「学校教育」だけでなく、地域ぐるみで育てて行く事を実践したいものです。「地域の中で子供の騒ぎ声が聞きたい」これが私のささやかな希望です。これからのスキーシーズンで、スキー場で子供の歓声を聞くと胸がワクワクしてしてくるのです。 7)大人は、長時間労働から解放され、家庭に関与できる生活を保障することです。いま、問題となっている「ホワイトカラーエグゼンプション」等は、全く逆行する経営者側の「利益追求だけの論理」です。これが導入されると、家庭に帰る時間が減少するどころか過労死に結びついてしまいます。 8)私たちの医療現場では、産科・小児科医療の崩壊が始まっています。医師・看護師・助産師の絶対的な不足と「医療費削減政策」のなかでその崩壊が加速されそうです。医師の偏在の是正等という姑息な手段でなく、医師そのものを増加させる事を実現させるべきです。また、診療報酬上もさらに手厚い政策が必要ではないでしょうか。産科・小児科医療をもっともっと充実させなければなりません。  以上、我が国にも「ベビーブーム」が到来することを夢みて思いつくままに綴ってみました。先生方のご指摘を宜しくお願いします。 

 

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