未だ暫く出生までに日がありますので、某の製造元であります優々ママと陽々パパの話をしておこうと存じます。
優々ママが結婚の相手としての絶対条件として考えていたのは、頭脳明晰、抜群の頭の良い男性が第一でありました。言い寄る男は山ほどいたのですが、何れもこの条件に適わず、振りに振って三十路に至った次第です。
何故かというと、優々はどちらかというと音楽の才能はあって、某私立の音楽大学を卒業し、今はチェロの教室を主宰するようになってはいますが、他の事はと~んと分からないという、良く言えば芸術肌なのであります。
そこで子孫の為を、つらつら鑑みるに、やはり遺伝子としては、抜群の頭脳を取り入れる必要が生じたのは当然であります。
優々が陽々とめぐり合って、くら~と来たのは先ず、そこそこのイケメンであったこともさることながら、某名門大学、大学院卒の学歴であったことは容易に想像がついております。
前置きが相当に長くなって申し訳けありません。本論の土筆ん坊の話であります。
某が男子たることが判明した、ある春のことであります。優々の姉のフルート演奏会に、賑やかしに関係者一同が打ち揃い、演奏会の後、陽々の親御さんの奢りで、フランス料理をご馳走になることになったときのお話です。
前菜として、付け合せに、青やかで、しなやかな、細長き野菜が付いてきたのであります。シェフが早口で何か説明したのではありますが理解できず、我々にとっては少し珍しい付け合わせではありましたが、なんとなく細めのアスパラガスのように思って食べていたのです。
一番端のほうで向かい合わせで座っていた優々と陽々が、ひそひそと喋っているのを、姉が漏れ聞いておりました。
優々「これって土筆ん坊でしょう?割と美味しいわね~」
陽々「ほ~んと!フランス料理になると土筆も見事な味を出すもんですね~」と答えているのを聞いていた姉が思いました。
この二人、同じレベルで良かったわ~。将来もこの調子で行けば、トラブルこともないのでは?と・・・・・・
このことは、実は某も優々の腹の中で漏れ聞こえたのではありますが、某は更に、こうも思ったのであります。
さすが陽々パパは偉い!大学院卒にとって、この野菜がどうして土筆に見える筈もない。多分陽々は優々に恥を掻かせない為に話を合わしたに違いない。
従って、この夫婦、取り敢えず言い争いになって、トラブルことはないものと、今のところは某、安心して出生の日を心待ちにしているという次第であります。
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