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2008.08.06 11:07 |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 10

大野病院事件判決に際して

「福島県立大野病院事件判決に際して、全国医師連盟の声明」

はじめに、今回の手術でお亡くなりになられた方、そして御遺族の皆様方に心より哀悼の意を捧げます。

平成十六年十二月十七日、福島県立大野病院で、患者さんが帝王切開術中の大量出血によりお亡くなりになりました。この手術を担当した産婦人科医は、業務上過失致死罪(刑法211条1項)および異状死の届出義務違反(医師法21条違反)容疑で逮捕、起訴されました。本年八月二十日には、一審判決の言い渡しが予定されています。

予期しない医療事故が生じた場合、後遺症を負った患者さんや御家族、あるいは患者さんが不幸にして亡くなられた場合の御遺族には、耐え難い悲しみが襲いかかります。同時に、現実生活の上で経済的困難が大きく立ちはだかります。
現在の医療技術や診療環境の実際においては、どうしても不幸な医療事故をゼロにすることは出来ません。

不幸な医療事故が起きたときには、それが医療従事者による過失によるものだったのか、あるいは人の力では如何ともし難い結果だったのかを問わず、こうした患者さんや御家族・御遺族を社会的に慰撫し、経済的に救済する必要があります。

私達医師は、国によってその制度が設立されることを望み、また制度設立のために協力を致したいと思います。

もう一つ重要なことが有ります。
この事件では、担当医の逮捕、起訴という衝撃もあり、多くの医療団体及び医学系の学会から「これでは医療が出来ない」との抗議声明が出ております。
多くの医師達は、本件訴訟において検察側・弁護側の立証から明らかになった診療経過を検討し、本件担当医と同じ診療条件に置かれた場合、最善の医療を施しても助け得なかったのではないかと判断しています。
また、日常診療における予期しない死亡事故が起こったとき、最善の医療を行っていても、不幸な結果のみで過失犯として断罪される危険を強く感じました。
私達は、本件の逮捕、起訴が誤りであったことを確信しています。

私たち医師は、救命救急活動中や日常診療中に予期しない事態に遭遇することはまれではなく、その際、判断を瞬時に行わなければ患者さんの死に直結します。その一連の医療行為を後で検証すれば、正しい判断であったかどうか不明な部分は必ず出てきます。
しかし、それは後方視的検討によって浮かび上がる問題点であり、今後の医療の改善に役立つ情報ではあっても、その当時に通常の医師として為すべきことを為したかという過失認定とは異なるものです。従って、救命活動などの緊急時の医療行為は、多くの場合、業務上過失致死罪の成立が阻却されると考えます。

医療事故に対して無闇に刑事訴追を行うことは、国民と医療者との対立を深め医療現場の荒廃を生み、その結果が国民には、十分な医療を受けられないという不利益となってはね返ります。
福島大野病院事件のような事件を、二度と繰り返してはなりません。国民に必要な医療を守り医療事故から救済するために、全国医師連盟は以下の事を主張いたします。

医療過誤の有無を問わず不幸にして予期せぬ医療事故に会われた患者さん、御家族、御遺族への社会的慰撫と経済的救済を行う制度の設立を強く望みます。私達医師は、その救済制度実現に協力いたします。

また、救命活動時の医療行為に対する刑事罰適用は限定し、刑事訴追を回避する法的整備を望みます。

これらの救済制度の実現と刑事訴追回避のための法整備は、国民と医療の未来の為に、是非とも必要な措置であると信じます。

平成二十年八月五日
全国医師連盟

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 ◆全国医師連盟設立集会を6/8(日)1300時~ 東京FMホールにて開催します。参加の事前登録を開始しました。 
〒102-0080 東京都千代田区麹町1丁目7番 FMセンター
 
参加費2000円
定員300名

参加資格は医師新組織の結成に賛同される方。事前登録が必要です(先着順)。
医療関係者以外に一般の方、メディアにも公開します。
■主催者からの挨拶
■来賓挨拶、および挨拶紹介
■役員紹介
■設立集会プレゼンテーション(予定)
○佐藤一樹先生 【被告人の立場からみた東京女子医大心臓手術事件の経緯】
○川嵜真先生 【被告人支援者医師の立場からみた杏林大学割り箸事件の経緯】
○中原のり子様 【医師の過労と医療の改善~あなたの子どものいのち、疲れ切った小児科医にまかせますか?~】
○江原朗先生  【医師の長時間勤務で医療安全は低下】
○澤田石順先生 【受診制限問題に関する行政訴訟(仮題)】
○木田博隆先生 【いまこそ医師の自律性が求められているー実践的倫理と作法ー】

 今回は、佐藤先生、川嵜先生の各先生方が発表されることになり、医療裁判の経験者と、医療刑事裁判の支援者の生の声が聴けるまたとない機会となります。
 また、中原のり子様は、過重労働による小児科医の自死で知られる中原医師の奥様で、現在、医師の過労と医療の改善の為に活動されております。
 また、小児科医として労働環境への積極的な提言があり、日本の医師の過重労働の実態を英文有力誌に発表されている江原先生のお話が聞けます。
 昨今は医療制度改悪の酷いニュースが続いておりますが 、患者の立場に立った医師の活動が重要となっております。澤田石先生は、受診制限に対して反対する行政訴訟を起こしており、勇気ある戦いに注目が集まっております。
最後に、福島県立大野病院産科医逮捕に早期に疑問の声を上げたグループのメンバー木田先生からは、事故調論議などを通してみえてきた「医師の自律と実践的倫理」についてお話しをされます。
 
 このように、設立集会では、医師の医療裁判や、過労の問題に加えて、患者さん救済の運動や、医師の倫理実践へのアプローチについても発表がなされ、設立集会にふさわしい内容となっております。

事前登録はこちらからお願いします。

http://www.doctor2007.com/recommend4.html

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2008.03.06 21:02 |  開業 / 病院経営  |  研究  |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 5

平易な言葉で患者目線

予後は余命の方が分かり易いのか?いやいや予後=余命ではないからこれは駄目!日本語だけではありません、英語だって予後=prognosisですがアメリカ人にprognosisと言っても一般人には通じません。

病理よりも組織を顕微鏡でみる、とか解剖とかならOK


合併症、これは被害者意識の問題だけでなく一般人には分かりにくいでしょうね。ただ医療訴訟にならない防衛医療の立場からも言葉の問題は重要ですし、医師―患者間の信頼関係を築くことは重要。 

痰=sputumも通じません。wet cough, mucusとか別の表現が必要です。
日本語の医学専門用語をどう言い換えるか、皆さん決めていらっしゃると思いますが、いかがでしょう。
 

英語圏の人達、アメリカはジミーカーター大統領の頃からPlain Englishがブームになり、医学用語をいかに一般人に分かり易く説明するかは国家試験の面接でポイントになっています。日本でも医学生の頃に受験するOSCEで今時の研修医は教育を受けているかもしれませんよw 

Plain Medical Terms

http://www.plainenglish.co.uk/medicalguide.pdf

 

予後・合併症患者に通じない736語、国語研が言い換え例
3
61432分配信読売新聞

 「予後」や「病理」といった医師が使う専門用語について、国立国語研究所が全国の医師を対象に調査した結果、患者に意味が伝わらなかった言葉が、736語に上ることがわかった。

 同研究所は来年春をめどに、医療用語をわかりやすく言い換える例などを示した「病院の言葉の手引」(仮称)を作成する。

 日本語の調査研究をしている同研究所が、ある特定の分野の専門用語についての用語集を作るのは初めて。同研究所の杉戸清樹所長は「医師の説明を理解できず、不安を感じながら治療を受けている患者は多いことがわかった。医師と患者さんの橋渡しをしたい」と話している。

 調査は昨年11月、全国の医師約2000人に、患者に理解してもらうことが難しいと感じた言葉や、言葉が通じずに困った具体的な経験などを尋ね、364人から回答があった。

 このうち最も多くの医師が誤解された言葉として挙げたのが「予後」。一般的には、病後の経過や病気のたどる経過についての医学的な見通しを指す言葉だが、がん診療の際には「余命」の意味で使うことが多い。これは医師側の言葉遣いが日本語として適切さを欠くケースとみられる。77人の医師が「意味が通じなかった」などと回答していた。

 「合併症」も40人が「通じない」などと答えた。多くの医師は、「手術後に最大限努力しても起こってしまう可能性のある副作用の一部」などと言い換えているとしたが、「いくら説明しても『医療ミス』のことだと間違われる」といった声もあった。

 「陰性」の場合は、「『インフルエンザは陰性でした』と言うと、『やはりインフルエンザでしたか』と言われた」。本人や家族にショックを与えないよう「がん」を「悪性腫瘍(しゅよう)」と言い換えたところ、「『がんでなくてよかった』と誤解された」という回答も。
 同研究所は、言語学者や医師、看護師など約20人による「病院の言葉委員会」を設け、今年秋までに中間報告をまとめる。最終的には、医療用語50~100語を選び、公表する。患者側にも広く公開したい考えだ。 

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2008.02.15 16:00 |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 5

法的意味ある生前意思を!

終末期医療:延命治療の有無、「生前意思」に診療報酬 75歳以上対象--厚労省方針
http://mainichi.jp/select/science/news/20080210ddm0010401...

よっしぃの独り言『生前意志』に診療報酬!http://blog.m3.com/yosshi/20080214/1 より制度は、75歳以上の患者が、治癒の見込めない終末期と診断された場合が対象になる。
医師や歯科医師、看護師などが病状や予後などを説明。患者と医療者双方が終末期と納得した上で、
生活支援のあり方
急変時に延命治療を希望するか
急変時に搬送してほしい医療機関--などを決め、文書や映像などで記録する。~

私はこの厚生労働省の方針に概ね賛成です。よっしいさんがおっしゃるように75歳以上と年齢で縛る必要性はないと思います。

~新小児科医のつぶやき http://d.hatena.ne.jp/Yosyan/20080215 より 

75歳以上」と年齢による限定としていますが、、診療報酬改定には一言も「75歳以上」と書いてありません。その代わり後期高齢者医療制度にのみに新設された医療報酬なので、一般的に75歳以上が制度の対象のため記事ではアバウトに「75歳以上」としています。後期高齢者医療対象者は厳密には、

  • 75歳以上の方(75歳の誕生日から)
  • 65歳以上75歳未満で一定程度の障害の状態にあると広域連合の認定を受けた方(認定を受けた日から)

こうなっていますから、「75歳以上限定」ではなく「後期高齢者医療制度に移行している患者」と言うのがより相応しい表現になります。そういう患者には適切な情報の提供と説明を評価する その情報提供のための診療報酬が、後期高齢者終末期相談支援料200点(1回に限る) 対象は医師ないし歯科医師となっています。「1回に限る」というのがブラックジョークみたいな条件です。いちおう説明しておきますが「200点=2000円」の事です。~


80歳後半で特別養護老人ホーム入所中の方が意識障害で搬送されます。半昏睡、徐脳硬直をきたした脳幹出血です。この患者さんにLiving will(生前意思)がなくて家族と連絡がとれない場合、日本では気管内挿管して人口呼吸器まで付けてしまうことがよくあります。


重症の脳卒中患者で脳の回復が見込めない場合、生前意思で延命治療を望まないという意思表示があれば基本的に救急室(ER)で救急車から降りてきた時点で何もしなくていいのでは?と思いながら延命治療をしてしまいます。

さあ家族が到着して難しい選択をせまられると「何でもやってください」と結論を出してしまう家族が多いのが残念です。やはり日本では今でも【先生にお任せします】が多いんです。


老人ホーム、特養、施設に入所時、認知能力がある時に生前意思を文書で残し、弁護士さんのサインが入って、施設が保管します。認知能力が問題となれば精神科医の診察所見が必要なこともあるでしょう。その文書を救急車搬入時にあることを医療機関に提示して頂ければ極力ご希望に添えることができます。この厚生労働省の方針には珍しいですが(?)賛成です。ただ1時間で2000円ってこれだけの手間隙をかけた場合、少な過ぎです。ケチw 

本来なら弁護士さんも立ち会うか、サインがあった方が望ましいと思うのですが、どうでしょうか。厚生労働省の方向性は悪くないのですが、法的に意味のある生前意思にするべきではないでしょうか。


確かに脳卒中を主に診ている我々と癌患者を診ている方とでは考え方も違って当然ですし、医者の倫理感も影響します。お互いの立場を理解しつつ議論が深まることを望みます。

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2008.02.11 07:26 |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 8

Xたらい回し【正しい言葉使い】

先週末、国会討論をTVでみると社民党の阿部知子議員が【たらい回し】発言連発でした。舛添厚労相を相手にいい質問をしているな~と感心していたら、最後の救急医療で30年前に自分の母親が心筋梗塞でたらい回しされて死んだという過去の話を持ち出して、その後も【たらい回し】を連発。小児科医なんだから、少しは言葉使いも気を付けて欲しいですね。

国立病院では全員に領収書として医療費の明細を渡してくれと要望。ま、いいんですけど余計な検査がこれで減るのか?国立大学、病院はますます臨床研究をする上で難しい面が出るのでは?と愚考しました。
http://www.abetomoko.jp/
 

一般人が聴くと阿部先生の国会での質問は他の社民党議員に比べて淑女的と言いますか、現実的、実現可能なことから提案している面は評価できます。
ただ【たらい回し】という言葉を使わなくても【救急医療体制の不備】とか表現には気をつけて頂きたかったと思います。声が届くといいのですが。

阿部先生を応援することには賛成ですが、要望はしっかり出すべきですね。国会討論、たまにはみるべきだと思いました。
医師出身の国会議員さんには【正しい言葉使い】を国会ではして頂きたいと祈念します。NHKで日本中に伝わりますからその影響力は大であります!最後に年金問題もいいのですが、医師出身の国会議員さんには最後の救急医療に時間を割いてもっと問題の本質に迫って頂きたかったというのが率直な感想です。福田首相の決意表明だけ聞いても嬉しくありません。 

阿部さんのプロフィールを。

1974
年 東京大学医学部医学科卒業。小児科医としての修行に入る(在学中は東大闘争の 最中で、社会勉強が中心)。
1977
年~1980年 稲田登戸病院小児科勤務。裏の枡形山で入院中の子ども達と遊ぶことが日課。
1980
年~1983年 国立小児病院神経科勤務。難病の子ども達が一人で闘病している姿に疑問。
1983
年~1993年 東大病院小児科勤務。母子入院で死にゆく子らのケアにかかわる。
1993
年~1994年 米国メイヨークリニック疫学部に留学。ミネソタの広い大地で牛やうさぎに感動。
1994
年~1999年 湘南鎌倉総合病院勤務。2000年までの6年間で3回の国政選挙に立候補。
1999
年~2000年 千葉徳洲会病院院長。
2000
6月 衆議院議員選挙で初当選。衆議院議員となる。
2000
年~ 湘南鎌倉総合病院非常勤勤務(思春期外来担当)。
専門は新生児から思春期までの子ども達の診療

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2008.02.01 11:27 |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 7

医療再生を願う市民の会

http://saisei.aikotoba.jp/

医療再生を願うネット市民の会が誕生しました。この会は、次の3つのスローガンをこころがけることによって、医療崩壊からの再生を願う、ネットで活動する市民の会です。

1. コンビニ受診を控えよう
2. かかりつけ医を持とう
3. お医者さんに感謝の気持ちを伝えよう

こういう温かい市民の声は我々の背中を押してくださるようで嬉しく思います。応援させて頂きます。

Celine Dion-My Heart will go on

http://www.youtube.com/watch?v=uO_vFuzPJvc&feature=related

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 http://www.doctor2007.com/ks1.html

医療事故調査 - 厚生労働省試案や自民党案ではダメ !!

http://www.doctor2007.com/iken3.html

私たち医師は、厚生労働省の「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 - 第二次試案 -」をもとにした自由民主党の「診療行為に係る死因究明制度等について」の制度化が日本の医療崩壊を決定づけてしまう恐れが強いため、これに反対します。

今考えられている制度では、次のような問題があります。

1. 科学的な調査で真実が解明されるということは期待できません。

2. 現在の日本の医療資源からは、この制度に充分なマンパワーも予算も割くことはできません。

3. 不充分な調査結果は、患者さんや日本に暮らす皆様と医療との間の不信という溝を拡大します。

4. 不充分な調査しかできないにもかかわらず、厚生労働省は強大な権限を手にします。

5. 医師は、様々なリスクを伴う医療の現場で、働き続けることができなくなります。

- 反対する理由、不充分な検討で医療事故を調査する制度を創設する危険性について -

はじめに

こ のたび、厚生労働省は「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」を開いて、「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関 する試案 - 第二次試案 -」を作りました。それをもとに、自由民主党の「医療紛争処理のあり方検討会」が「診療行為に係る死因究明制度等について」という、医療に関わる事故で患 者さんが亡くなった時に、それを調査する制度を作る考え方を公表しました。

医療に関わる事故で患者さんが亡くなることは、大変悲しく残念なことです。患者さん本人にとっては無念でしょうし、ご家族もつらい思いをされるでしょう。同時に医師もまた、患者さんを助けられなかった悔しさに打ちのめされるのです。

医 療の中で起こった不幸な出来事について、科学的に原因を解明し、医学医療の発展と再発防止に役立てることを、患者さんやそのご家族はもちろん、日本に暮 らす皆さんが望んでいると思います。そうすることで皆さんが医療に抱いている不信感が消え、医療への理解が深まり、医師と患者さんとの間の溝が埋まるで しょう。そしてそれが医療の発展、つまり皆さんの生命や健康のためになるのです。

しかし、考えられている「医療に関わる事故で患者さんが亡くなった原因を調査する制度」は、その理想とは反対に、いま問題になっている医療崩壊を決定的なものにしてしまうかも知れないと、私たち医師は心配し、反対しています。なぜでしょうか。

1. 真実の究明にならないこと

一つ目ですが、厚生労働省と自由民主党が考えている制度では、医療事故の真実を解明することがかえって難しくなることを心配しています。

医 療の現場で、何か不幸な出来事が起こるとき、それは、それぞれの患者さんに様々な病気やけがの状態があり、そして医療現場の体制、医療の制度や政策、医 学の水準など、様々な要素が複雑に絡み合って起こります。一人の医師が悪いから、劣っているから起ったとは言えないことが多いということを、皆さんによく 知っていただきたいと思います。医師個人に原因や責任を追及しても、真実に迫ることはできないのです。

ところが、 現在考えられている制度では、医療事故が起こったとき、医師個人の責任を追求し処罰を加えることも有り得ることが前提で調査することになってい ます。その処罰は、たとえば医師免許の停止や剥奪などの行政処分というペナルティや罰金刑や禁固刑といった刑罰であり、さらに患者さんやそのご家族が医師 を訴えて損害賠償金を払わせるということも含んでいます。

医療では、確実な結果が得られるということは少なく、患 者さんごとに起こっている病気やけが、治療の効果や得られる結果は様々です。予想できないことは、 いつでも起こっています。医療に完全はありません。不幸な出来事が起こったとき、最善を尽くしていても、後から振り返ってみれば、反省できることはいくつ もあるでしょう。

不幸な出来事が起こったとき、医師も苦悩し反省します。そして学習し次に活かそうと努力します。 そのためには起こったことを正確に報告し、科学的に調査す ることが必要です。しかし、後から振り返って調査し反省したことが厳しい処罰につながるとしたら、不幸な事故が起こった現場から、正直な報告がなされなく なってしまうおそれがあります。

処罰を前提にしましたら、誠実な調査は期待できません。

2. 調査をする医師もいなければ費用もないこと

次に、忘れてはならないことですが、調査には医師が必要です。解剖を行い医療の記録から真実を見出すことを医師以上の能力をもってできる人がいますでしょうか。医師以上に医学や医療の技術、現場の実務に精通した職業の人はいますでしょうか。

と ころが、現在の日本の医療は、医師や医療スタッフが先進国といえないほど不足していて、医療にかける国全体の費用はぎりぎり以上に切り詰められた中で、 もう持ちこたえられなくなっています。今目の前にいる患者さんの医療だけで手一杯なのに、多数の不幸な出来事を調査する余裕はありません。調査のために必 要な解剖を行う医師は全国に少なく、調査検討の実務を行う医師など、今はわずかしかいません。

現在考えられている制度では、調査する組織を厚生労働省の下に置くこととされています。しかし、薬害や年金の問題で見られますように、厚生労働省が行う調査には大きな問題が生じることがあります。

もし制度を作ったとしましても、働く人がいなければ、かけることができるお金もない中で、厚生労働省が行う調査が不充分で不完全なものになることを心配しています。

3. 医療に対する不信感が大きくなること

今 までに述べましたことの結果、せっかく調査制度をつくっても不充分な調査にしかならず、真実は分からないままになってしまいます。患者さんやそのご家族 が調査の結果に納得することはないでしょう。医療側にとっても真相が分からないままでは、医療事故の再発防止に役立てられることはありません。皆さんが医 療に向ける不信感は強くなり、医療の現場は今よりももっと混乱してしまいます。

4. 役所の権力はものすごく大きいものになること

医療を治めている厚生労働省の力はものすごく強く大きいものになるという心配があります。

も ともと、厚生労働省の仕事は専門性が高い分野とされ、法律によって大きな裁量が与えられており、それだけ国会の統制が及びにくく、国民の監視が届きにく くなっています。それに加えてこの制度ができましたら、制度を管轄する厚生労働省は、医師を調査し様々な形での処罰につながる力を一手に握り、今まで以上 に大きな力で、医師を管理し支配することになるからです。

そうなりますと、医師が自分で勉強し、努力し、反省し、 倫理観を高めていこう、よい仕事をしようという動機よりも、医師を統率する厚生労働省の強い力が医 療を支配するでしょう。管理され束縛されるだけで自分の意思や努力が認められない世界では、志を高く持って仕事をする人はいなくなってしまうでしょう。

5. 医師が辞めてしまうこと

最後に、このまま制度ができますと、事故が起こる危険性が高い医療現場を辞めてしまう医師が増えることを心配しています。

憲法では、刑事事件の場合、「言いたくないことは、言わなくてもよい ( 黙秘権 )」という権利が保障されていて、これは基本的人権として世界各国で共通の考え方です。

こ の考えられている制度では、医師は、医療事故が起こったとき、自分に不利になることもすべて明らかにしなければなりません。この制度による調査の結果 は、そのまま刑事手続にも使われ、刑事責任の追及につながっていく場合があるとされていますので、実質的には黙秘権という基本的人権が奪われているので す。

またこの制度では、患者さんが亡くなったとき、それが異状なら届け出なければならず、届出を怠ると処罰されます。しかしその「異状」とはどういうものなのか、充分に議論されておらず、はっきりしていません。

医 療は不確実で、不幸な出来事は数多くあります。その場合に、何を届け出たらよいのか分からないままである上に、黙っていても、また調査に応じても、その 結果により何らかのペナルティが加えられるかも知れないのでは、医師は安心して、自信を持って医療を行うことができません。

医師の日々の仕事が綱渡りのように危険で、いつペナルティを受けるかも知れないとなれば、だれも危険を伴う、結果が不確実な、そういう医療を行おうとしな くなります。新しいことに挑戦しよう、人命を助けるために危険を乗り越えよう、そういう精神は失われていくでしょう。

医 師は、本来の使命である医療を行いたいという意欲も志も失い、そういう事故が起きる可能性がある医療の現場で働き続けようという医師が少なくなってしま います。病状が重い患者さんの医療や新しい医療の技術は敬遠され、助かるはずの患者さんが医療を受けられないということにつながるかも知れません。それ は、日本に暮らす皆さんにとって、よいことではありません。

まとめ

医療に関わる事故で患者さんが亡くなったり不幸な出来事が起こったとき、起こった出来事の科学的な解明が必要です。解明された結果は、医療での不幸な出来 事の再発防止と患者さんやそのご家族、日本に暮らす皆さんの理解、納得のために活かされなければなりません。

その目的は、1) 医療を提供する側と受ける側の間の溝を埋め、軋轢を減らすこと、2) 不幸な出来事の再発を防ぎ、医学医療を発展させることといえるでしょう。そしてこれらのことが、真に日本に暮らす皆さんの生命、健康のためになるのです。

人体は神秘に満ち、医療は高度に専門的で、事例ごとに千差万別です。医療に問題が起こった時、その原因や背景は複雑です。

1) 医療事故の調査解明、

2) 再発防止策の検討と確立、

3) 不幸な出来事に見舞われた患者さんとご家族の支援、

4) 医療を受ける側の理解と納得を得ること、

これらのための制度や組織を、充分に時間をかけ、広く医療の現場からの意見を集約し、検討を重ねて作り上げていかなければなりません。

現 在考えられている制度では、そういう理想にはほど遠いどころか、崩壊しつつある日本の医療の息の根を止めてしまうことを強く心配します。厚生労働省の 「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案 - 第二次試案 -」をもとにした自由民主党の「診療行為に係る死因究明制度等について」の制度化には、反対します。 

H18.1.15  全国医師連盟 設立準備委員会

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2008.01.12 17:31 |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 7

解剖の力

日本には死体に傷を付けたくないという考えの方が結構いらっしゃいますから、死亡診断書に原因不明と書かざるを得ない場合に死後の病理解剖をお願いしても断られることが多いです。脳神経外科医の立場から死因に疑問を持ち、病理解剖をお願いして渋るご遺族には「責めて頭だけでも解剖させてください。」と私はお願いします。何故かと言いますと、

 

1.       医師として死因を突き止めて今後の診療に役立てたい。

 

2.       死因をはっきりさせることはご遺族に病気への関心を生み、病気を早期発見出来るメリットが出てくる場合もある。

 3.       ご遺族が死後落ち着いてから死因に疑問が生じて医療機関を訴える場合、カルテ、証言、画像所見だけから裁判するよりも信憑性が高い

等メリットがあります。

 もちろん解剖したけど死因が分からなかったということもあるでしょうし、病理医も不足していますからどこの病院でも解剖に対応できるとは限らないと反論があるでしょう。夜間死亡の場合、霊安室でご遺体を冷蔵して翌朝解剖を開始することが多く、ご遺族の元へ遺体をお返しするのは一日遅れます。実際、解剖後は傷が見えないように覆いますから棺の外から傷が見えることはありません。 

実は医療裁判の記事を読んでいくうちに時々「あれ、どうしてこの症例は剖検(解剖)しなかったのかな?」と疑問に思うことがあります。医療側が積極的に勧めなかった?遺族が拒否した?もちろん、死亡宣告直後は気が動転して解剖まで考えることが出来なかったという言い訳は十分成立しますが、これだけ医療裁判が多いご時世ですから一般の方も医師から病理解剖を勧められた場合は一考頂きたいと思います。 

また我々医師も疑問に思う箇所が死亡時にあれば勇気を持って家族へ剖検の依頼をする気持ちを忘れてはいけません。医師不足で激務の医師には「解剖まで手が回らないよ~」と悲鳴が聞こえてきそうです。ここにも医師不足の暗い影が見え隠れします。 

不審死は基本的に行政解剖に回りますが、昨年日本相撲協会を揺るがした時津風部屋の力士死亡事件で、もしも解剖が行われなかったら、、、闇に葬られたかもしれません。この事件から解剖で死因が変更されることがあること、社会の病巣を暴露することができることを再認識しました。 

時津風部屋、力士死亡事件の深き闇より

http://www.news.janjan.jp/living/0709/0709283103/1.php

不可解な死亡原因の変更

 この事件とは、時津風部屋の若い力士が、名古屋場所前(07年6月26日)の稽古中に不可解な死を遂げたというものだ。はじめは事故として処理されようとしていたが、遺族の機転により、今回事件として立件されようとしている。

 それにしても、このような事実が、ほとんど3ヶ月間も放置されたまま、今このタイミングで公になったことは、まったく解せないことだ。1人の前途ある17歳の若者が亡くなったのだ。

 ここまで問題の処理が長引いてしまった原因は、愛知県警が、相手が国技の相撲界ということで、当初から事故として処理しようとした思いこみにあったのではないかと懸念する。

 各種報道によると、事件当日の6月29日に時津風部屋からの通報があり、救急車が向かった。到着したときには既に力士は死亡しており、全身には、稽古でできたとは思えないような外傷が残っていた。

 そして、ここからが闇の部分である。救急隊、病院、警察署間でどのようなやりとりがあったのかは分からないが、通常であれば、不審なケガとなれば、検死や司法解剖がなされるはずだ。ところが当初、地元の病院が発表した力士の死因は「急性心不全」であった。それが後に遺体が実家に運び込まれた後の行政解剖の結果、「多発性外傷によるショック死」と変更された。

 この死亡原因の変更には、相撲界を取り巻く、大きな構造的問題が横たわっているのを感じる。まず、急性心不全と診断結果を下した地元、愛知県犬山市の病院の問題だ。何故、正確な死亡原因を発表できなかったのか。国民的な人気のある相撲がらみであるとはいえ、法治社会であれば、犯罪の疑いのある遺体の取扱いは、もっと厳密でなければならないはずだ。

 もしも時津風親方が、電話で遺族に申し入れたという「荼毘に付して遺骨をお持ちしたい。ついては任せていただけないか」ということが現実に行われていれば、今回の問題は闇から闇へと葬られていたのかもしれない。

 だが親方の申し出を不信に感じた実家の父親が、遺体を火葬にすることを拒んだことから、この件は事故として葬られる寸前、異なる展開を見せることになった。新潟の遺族は実家に運び入れたわが子の余りの変貌振りに、6月28日、新潟大学医学部に行政解剖を依頼した。その結果、「多発外傷性ショックによる死」という死亡原因が浮上したのである。この発表を受けて、愛知県警も時津風部屋周辺の捜査に着手して、今日のように事故から事件の疑いが濃くなってきたのである。~
 

 

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医療危機を訴える!-個人責任追及か、医療安全か?-

拙速な医療調査委員会(医療事故調=医療安全調査委員会)の新設反対

大村秀章衆院議員(厚生労働部会長)を座長とする「医療紛争処理のあり方検討会」では、診療行為に係る死因究明制度として、新たに【医療安全調査委員会】を創設すると発表した診療行為に係る死因究明制度等について。新設の組織は、運営方針を定め、再発防止のため関係大臣への勧告、建議を行う中央委員会と、地方ブロック委員会ならびに、個別の評価を行う調査チームより構成され、この委員会を支える事務局を中央及び地方ブロック単位に設けるとしている。
副座長の西島英利(参議院議員)によると、これは、閣議決定によるものではなく、議員立法として提出し、補正予算で制度設計を行う参議院議員・西島英利氏に対するインタビューby m3模様である。

何故我々は、反対するのか?
診療中の不幸な死に関し、第三者機関が、科学的に原因を究明し、医学医療の発展と医療事故の再発防止に役立つよう機能すること、これは、我々の切なる願い である。この第三者機関の創設に関しては、医師の側でも、建設的な対案を提出する用意がある。しかし、調査結果が刑事事件の証拠となりうる第三者機関で は、死因究明の目的を果たすことはできず、ご遺族の求める真実解明も不可能となるのである。

医療調査委員会新設の問題点

■定義すら不明である医療死亡事故=診療関連死を口実に、刑事立件利用可能な体制で調査することは、良識ある医師に厳罰を与える可能性を強め、医療崩壊を呼び起こす。

一定確率で死に向き合わざるを得ない医師を、容易に容疑者扱いする体制は、間違っている。死因に関して明らかな解答が出るほど、現代医学は進歩していな い。調査と刑事手続きとの関係が整理されておらず、憲法上の保障である令状主義や黙秘権が潜脱されるおそれがあり容認できない。医師の基本的人権を守るこ とは、医療を守る ことである。この制度下で は、産科小児科や救命救急、外科領域、難病治療などハイリスク診療場面からの医師の離反を誘導することになる。医師職の離反の原因を取り除かなくては、医 療に未来はない。

■診療担当医師の個人責任の追求よりも、システム改善を重視して、医療安全をはかるべきである。

医学医療の技術者集団である我々医師は、日々医療技術を研鑽し、連日、尊い命と向かい合っている。国際的に評価の高い日本の医療は、先進国最低の医療費に よって賄われているが、これは、医師の初心と善意と体力によって到達した誇るべきものである。国は、医療事故とされるものに関して、被害感情の処理を優先 するのか、医療安全へ向けたシステム改善を優先するのか、正しく判断すべきである。

■莫大な予算計上を必要とする医療調査委員会(中央委員会、地方委員会、各事務局)の設置を決定するには、何よりも国民的論議を重ね、充分な検討を行うべきである。百年の計に拙速は許されない。

巷では、新設される医療調査委員会は、社会保険庁が解体されることによって生じる余剰公務員の受け皿、又は、年金官僚の受け皿であると噂されている。国民 のこのような 懸念が払拭できていない現状では、莫大な予算を伴う政府機関の新設には反対である。充分な時間を掛けて、国民の医療に役立つ方策を論議し、貴重な国費、医 療費が無駄にならないように制度設計をするべきである。

我々は、医療危機を深刻化させる拙速な医療調査委員会新設に反対する。

12月24日  全国医師連盟 設立準備委員会 執行部

◆賛同される方はこちらにご署名よろしくお願いします。◆

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2007.12.11 23:05 |  医療事故  |  侍脳外科医  | 推薦数 : 6

【肺炎】外来か入院か?

39度の発熱と呼吸器症状で救急外来を受診した81歳の患者さん。バイト当直医は、レントゲン上、右上葉の大葉性肺炎を確認してカルテにスケッチ、SpO2 85%、抗生剤を投与してから「明日、内科外来受診してね!」 

ある先生が某SNSに書かれた内容ですが、バイト当直医って上記のような無責任な対応をすることがあります。だって翌朝になったら自分の病院か自宅に帰りますからリスクを負いたくありませんよね。 

成人における市中肺炎の治療が行われる場は,自宅,診療所,病院の外来,一般病院や総合病院における内科,呼吸器科,感染症科などの病棟,ICUなど,さまざまです。外来,入院,ICU治療の目安を示していますが,社会的適応も含め,最終的には診察医の判断による訳でバイト医と言えども上記の対応には問題ありです。本邦と欧米諸国との間の診療実態の違いも含まれますが下記のアメリカ感染症学会の目安を紹介します。 

IDSA ガイドラインにおける入院,外来治療の基準

アメリカ感染症学会(IDSA)の市中肺炎ガイドラインでは,死亡率に相関する危険度を区分し,危険度毎に推奨される治療の場を決定するようなシステムがとられている.煩雑であるが,科学的なものであるとして使用を推奨する呼吸器専門医も多い.使用できる状況にあれば,使用されることが望ましいし,クリニカルパスを利用する場合には,使用しやすいであろう.危険度と死亡率に基づいた治療場所の決定は以下の表の如くである. 

成人市中肺炎診療ガイドライン

外来治療,入院治療の判断表 

肺炎患者における危険度と死亡率 

推奨される危険度 患者数  死亡率(%) 治療場所

I 点数なし    3,034    0.1     外来

II 70以下     5,778     0.6     外来

III 7190    6,790    2.8    入院(短期)

IV 91130    13,104    8.2      入院

V 130以上      9,333    29.2    入院 

危険度を算出するシステムは表の如くであり,19 の項目から点数を計算することになっている.本来PORT studyにおけるこの点数は,肺炎の危険度を知るためのものであり,危険度は次の表のように区分される. 

成人市中肺炎診療ガイドライン11

6-2 危険度算出システム特性

ポイント 背景 身体所見 

年齢:男性(50歳こえた) 年齢数  

精神状態の変化+20    

女性(  〃   ) 年齢数-10  

呼吸数30/分以上 +20 

ナーシングホーム居住者 +10   

収縮期血圧90mmHg未満 +20

体温35℃未満または40℃以上 +15 

合併症

脈拍数125/分以上 +10 

悪性腫瘍 +30 

肝疾患 +20 検査値 

うっ血性心不全 +10   

pH 7.35未満 +30

脳血管障害 +10  

BUN 10.7mmol/L以上 +20 

腎疾患 +10  

Na 130 mEq/L未満 +20 

グルコース 13.9mmol/L以上 +10 

Ht 30%未満 +10 

PaO2 60Torr未満 +10 (SpO2 90%未満) 

胸水の存在 +10 

6-3 スコアーの評価

危険度 軽度 1.点数なし

2.≦70

37190中等度    

491130重度     

5.>130 

さて、上記の81歳の患者さんは当然入院すべき患者さんですよね。こういう患者さんを帰してしまうバイト医の無責任さは今まで問題にされてきませんでした。しかし、バイト医の責任性も問われる時代です。医師が自分の襟を正す時代だと思います。全ての医師はバイト医を経験していると言っても過言ではありません。あなたがバイト医、バイト医から診られる患者だったどう思いますか?

 日本では患者さんを外来、入院いずれでみるかを判断する能力を養う訓練が今まで若干疎かにされていた傾向があります。このdepositionを研修医、医学生の頃から徹底して教育する必要があると思います。またバイト医に頼らざるを得ない日本の医師不足の現状を打破しませんと、今回のようなとんでもバイト医を失くすことは出来ません。

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