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予後は余命の方が分かり易いのか?いやいや予後=余命ではないからこれは駄目!日本語だけではありません、英語だって予後=prognosisですがアメリカ人にprognosisと言っても一般人には通じません。
病理よりも組織を顕微鏡でみる、とか解剖とかならOK?
合併症、これは被害者意識の問題だけでなく一般人には分かりにくいでしょうね。ただ医療訴訟にならない防衛医療の立場からも言葉の問題は重要ですし、医師―患者間の信頼関係を築くことは重要。
痰=sputumも通じません。wet cough, mucusとか別の表現が必要です。
日本語の医学専門用語をどう言い換えるか、皆さん決めていらっしゃると思いますが、いかがでしょう。
英語圏の人達、アメリカはジミーカーター大統領の頃からPlain Englishがブームになり、医学用語をいかに一般人に分かり易く説明するかは国家試験の面接でポイントになっています。日本でも医学生の頃に受験するOSCEで今時の研修医は教育を受けているかもしれませんよw
Plain Medical Terms
http://www.plainenglish.co.uk/medicalguide.pdf
予後・合併症…患者に通じない736語、国語研が言い換え例
3月6日14時32分配信読売新聞
「予後」や「病理」といった医師が使う専門用語について、国立国語研究所が全国の医師を対象に調査した結果、患者に意味が伝わらなかった言葉が、736語に上ることがわかった。
同研究所は来年春をめどに、医療用語をわかりやすく言い換える例などを示した「病院の言葉の手引」(仮称)を作成する。
日本語の調査研究をしている同研究所が、ある特定の分野の専門用語についての用語集を作るのは初めて。同研究所の杉戸清樹所長は「医師の説明を理解できず、不安を感じながら治療を受けている患者は多いことがわかった。医師と患者さんの橋渡しをしたい」と話している。
調査は昨年11月、全国の医師約2000人に、患者に理解してもらうことが難しいと感じた言葉や、言葉が通じずに困った具体的な経験などを尋ね、364人から回答があった。
このうち最も多くの医師が誤解された言葉として挙げたのが「予後」。一般的には、病後の経過や病気のたどる経過についての医学的な見通しを指す言葉だが、がん診療の際には「余命」の意味で使うことが多い。これは医師側の言葉遣いが日本語として適切さを欠くケースとみられる。77人の医師が「意味が通じなかった」などと回答していた。
「合併症」も40人が「通じない」などと答えた。多くの医師は、「手術後に最大限努力しても起こってしまう可能性のある副作用の一部」などと言い換えているとしたが、「いくら説明しても『医療ミス』のことだと間違われる」といった声もあった。
「陰性」の場合は、「『インフルエンザは陰性でした』と言うと、『やはりインフルエンザでしたか』と言われた」。本人や家族にショックを与えないよう「がん」を「悪性腫瘍(しゅよう)」と言い換えたところ、「『がんでなくてよかった』と誤解された」という回答も。
同研究所は、言語学者や医師、看護師など約20人による「病院の言葉委員会」を設け、今年秋までに中間報告をまとめる。最終的には、医療用語50~100語を選び、公表する。患者側にも広く公開したい考えだ。
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t-PAが、脳梗塞の治療として使えるようになり2年くらいたちました。この薬により、症状の改善を認めた方も多くいらっしゃると思います。脳梗塞発症から3時間以内という縛りがあり、治療の適応にならない方もいらっしゃったと思います。(6時間以内であれば、条件がそろえばまだ血管内治療が残されていますが)
ただ、使う方にとってみると、使うか使わないか迷う症例があります。診察時に、あまり症状が強くないラクナ梗塞です。一応、NIHSS 4点以下は治療適応外となっていますが、入院後症状の進行を認める症例もあります。そういうとき、t-PAを使っておけば、と思う事もありますし、やはり副作用のリスクを考えると、従来の治療でもよかったのか、と考えることもあります。
先日、t-PAの経験の豊富な先生と少しお話をしたところ、NIHSS 4点では、使った方がいいと思う、とおっしゃっていました。3点以下では、使うリスクと、従来の治療も十分効果ある旨をお話してt-PAは使わない、ということでした。
また、IC閉塞では使った方がいいという事でした。もちろん、NIHSS 23点以上の重症例では慎重投与となっていますが。投与後に劇的に改善する例も多数ありますし、それなりに脳梗塞になってしまった場合でも、長期的な予後はいい従来の治療よりいい、ともおっしゃっていました。
という事で、今後適応例には迷わず積極的に使っていこうと思っています。
t-PAの治療は,発症3時間以内という縛りがありますし、その他の脳梗塞治療薬も発症24時間以内などといういわば時間との戦いがあります。それと、逆とまではいいませんが、それに間に合わなかった場合に希望の持てる治療に、骨髄幹細胞移植というものがあります。
http://blog.m3.com/neurosurgeons/20071106/NHK_._
一度、当ブログでもとりあげました。この治療は、現在は従来の急性期の治療が終わった後(発症後2週間)に、骨髄細胞を採取し、培養し移植しますので少なくとも脳梗塞発症から5〜6週間経ってから開始となります。ですので、比較的時間との戦い、からは解放されていると思います。ただ、これを脳梗塞急性期に移植できれば、今よりさらなる治療効果が認められる可能性があります。現在、あらかじめ健康な時に骨髄幹細胞を採取し、培養し冷凍保存しておき、その方が将来脳梗塞になってしまった時に、急性期に移植を行うといった臨床性能試験も開始されています。(まだ、その治療を受けられた方はいないですが)
また、まだラットの研究段階ですが、血管新生遺伝子を組み込んだ骨髄幹細胞を移植すると、更なる治療効果があるという報告が昨年ありました。
今後、さらにいろいろな治療が出てくると思われます。まずは、脳梗塞にならないよう予防する事がなにより大事ですが、不幸にもなってしまった場合、その後遺症がなるべく小さくと、どんなにいい事でしょうか。
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自分のお腹を見つめていると悲しくなり
ます。健診では【高中性脂肪血症、肥満にて医師の診察を受けるべし】と報告書がきました。体の実年齢は実際の年齢+8歳だそうです。【あ~】と嘆いて廊下を歩いていると二重盲検試験の被検者募集のポスターが目に入りました。何とうちの内科で【プーアール茶でメタボリック症候群が果たして解消できるのか?】二重盲検試験をしていました。 
二重盲検ということはプーアール茶を実際飲むグループとそうでないグループに分かれてしまいます。もしもコントロール群に属していたらどうしよう?コントロールでも、たかがプーアール茶が飲めるかで痩せるか太ったままかどうかの話だしな~と悩みましたが被検者の資格があるのか、採血結果を持って担当者の事務所をノックしました。
体重、腹囲、身長、高コレステロール血症は軽度で高中性脂肪があり、肥満度、全ては範疇に入りました。嬉しいやら恥ずかしいやら。 手術日以外の日に腹部CT、採血の予約をとり医師の診察後に開始です。医療費は自分の保険で支払いますが企業側からの謝礼金で全てカバーされ、studyが完了すれば参加者全員に1年分のプーアール茶が支給されますw
ま、コントロール群であっても試験終了後は本物のプーアール茶を飲めるわけです。アメリカの代替医療のほとんどはこの二重盲検をして論文として公表していますから日本でも企業がお金を出して試験をするというのですから望ましい姿です。一度、自分自身が試験に参加してみることも勉強になるかもしれません。この試験の結果は後日、報告します。http://www.chinachina.co.jp/index.php?main_page=puer_kenko
PS 中国のお茶、農薬ガンガン使っていそうで少し不安です(汗)
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一過性黒内障をみたら頚動脈狭窄を疑え!と教えられて頚動脈エコー、血管撮影をやっても見つけたことってありますか? 狭窄部から血栓が眼動脈へ飛んで行くというストーリーですが、実は眼動脈の血管攣縮では?という説があり、こちらの方が数としては多い印象があります。
眼虚血症候群に対し頚動脈ステント(CAS)、頚動脈内膜剥離術(CEA)、STA-MCAバイパス術前後でcolor dopplerを使って眼循環を評価した論文があります。奈良医大脳外科の川口先生は眼循環の評価を専門にされていまして、私も学会会場でお会いしアドバイスを頂戴したことがあります。古典的ですが蛍光眼底造影で眼循環を評価したもので、残念ながらcolor dopplerではありませんでした。
参考文献を下記に紹介します。網膜循環の評価をしてくれる眼科医が居ると楽しいのですが、私のいる地区ではまだ見つけ出していません。Color Dopplerの技術をお持ちの脳外科医、血管内治療医がいらっしゃれば是非、CAS前後で眼循環がどう変わるのか?興味があります。教えてください。
1.Cerebrovasc Dis. 2006;22(5-6):402-8. Epub 2006 Aug 4.
Effect of carotid artery stenting on ocular circulation and chronic ocular ischemic syndrome.
Kawaguchi S, Sakaki T, et al. Department of Neurosurgery, Nara Medical University
BACKGROUND: The authors evaluated the effect of carotid artery stenting (CAS) on ocular circulation and chronic ocular ischemic syndrome. METHODS: We examined 38 patients with carotid artery stenosis (>80%) at its origin treated with CAS. Ocular circulation and symptoms were examined before, within 24 h, and 1 week, 1 month, and 3 months after CAS based on ophthalmic artery color Doppler flow imaging and ophthalmological examinations. RESULTS: Ocular circulation: Before CAS, 13 patients showed reversed ophthalmic artery flow, and 25 antegrade flow. Average peak systolic flow velocity was -0.038 m/s. Within 24 h after CAS, all patients showed antegrade ophthalmic artery flow; reversed flow before CAS was thus resolved. Average peak systolic flow velocity rose significantly to 0.36 m/s (p < 0.05). One week, 1 month and 3 months after CAS, there were no significant changes compared to the findings at 1 week after CAS. Ocular symptoms: Before CAS, 8 patients showed chronic ocular ischemic syndrome. During the follow-up period (mean: 2.8 years), the visual acuity improved in 7 cases. Average retinal artery pressure and arm-to-retina circulation time improved significantly to the normal level (p < 0.05). The other 30 patients complained of recurrent and worsened visual symptoms during the follow-up period. CONCLUSION: CAS was effective in improving ocular circulation, and also improved the chronic ocular ischemic syndrome caused by the severe carotid artery stenosis.
2. Lancet. 1999 Dec 11;354(9195):2052-3.
Effects of bypass on ocular ischaemic syndrome caused by reversed flow in the ophthalmic artery.
Kawaguchi S, Sakaki T, et al
Superficial temporal to middle cerebral artery bypass was useful for ocular ischaemic syndrome caused by reversed flow in the ophthalmic artery as shown by ophthalmic-artery colour doppler flow imaging.
3. Cerebrovasc Dis. 2002;14(3-4):143-7.
Hemodynamic flow patterns evaluated by transcranial color-coded duplex sonography after STA-MCA bypass for internal carotid artery occlusion.
Department of Neurosurgery, Nagoya City University Medical School
Extracranial-intracranial (EC-IC) bypass surgery had been widely performed for the treatment of internal carotid artery occlusion. However, it is presently difficult to predict how the bypass flow will contribute to intracranial circulation. We examined intracranial hemodynamics by transcranial color-coded duplex sonography (TCCD) after superficial temporal artery (STA)-middle cerebral artery (MCA) bypass and retrospectively studied the relationship between the postoperative contribution of the bypass flow and the preoperative collateral circulation and cerebrovascular perfusion status in 10 patients. Hemodynamics in the MCA detected by TCCD were classified into three patterns. In pattern A, perfusion of the whole MCA area is completely dependent on the bypass flow. In pattern B, perfusion of the M2 segment is dependent on the bypass flow, but perfusion of the M1 segment is independent of the bypass flow. In pattern C, perfusion of the whole MCA area is supplied by collateral flow and the bypass does not function efficiently. Preoperative absence of collateral flow via anterior communicating artery and cerebral perfusion status type 3 (reduced regional cerebral blood flow and regional cerebral vasoreactivity) seems to predict hemodynamic usefulness of the bypass flow after surgery. TCCD is an easy and noninvasive method for evaluating intracranial cerebral circulation after EC-IC bypass surgery.固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
MRIの撮影条件の一つにT2スターというものがあります。今ではけっこう有名になり、脳ドックなどでも行われる施設もけっこうあると思います。
出血が起こると、血液中のヘモグロビンがいろいろな段階を経て最終的にヘモジデリンというものになり落ち着きます。このヘモジデリンですが、出血後(ここでは脳ということにします)wash outされていくのですが、ある程度は残ってしまいます。どのくらいの期間残っているかですが、僕が経験したかぎりでは、22年前の脳出血においてもT2スターでしっかりヘモジデリンが黒く映ってました。被殻出血だったのですが、出血巣を縁取るように変縁に残ってました。(実際の画像が見つからず提示できず、です)
ということで、ほぼ半永久的に過去の出血はT2スターで捉えられます。
テレビでよく、MRIで「隠れ脳梗塞」といったものが言われています。T2スターでは、「隠れ脳出血」といったものが発見出来ます。いわゆる無症候性微小出血です。これは、多い人は何十個もあります。もちろん無症状です。そして、この無症候性微小出血が多いと、将来脳卒中の危険が高くなるといわれています。数もそうですし、無症候性微小出血の場所も関係があるようです。
この、微小出血ですが微小血管の壊死などによって起こっていると思われます。
高血圧、糖尿病などが関与していることは当然であります。とくに、高血圧が一番の危険因子であると考えられます。ということで、T2スターで微小出血が多い方においては特に血圧の厳格なコントロールが必要であると思います。(脳梗塞、脳出血ともに起こりやすくなると考えられます)
これからは僕の個人的な考えなのですが、シロスタゾールという薬があります。いわゆる抗血小板剤の一つで、脳梗塞後の患者さんに今後の脳梗塞再発予防のために処方する薬の一つです。この薬は血小板凝集抑制作用に加え、血管内皮修復作用もあるといわれています。この修復作用により、今後微小出血を起こすような血管を修復し補強する作用があるのではないかと考えられています。矛盾するようですが、こうした微小出血なども予防するのではないだろうか、というのが個人的考えです。ラクナ梗塞で、T2スターにおいて微小出血が多い方には、シロスタゾールを投与し、厳格な血圧管理をする事で、今後の脳梗塞、そして脳出血の予防になるのでは、と思ってます。
医者になって2年目に働いた病院の部長が、T2スターを熱心に研究されている関係で、多くのT2スターの画像と患者さんを見て、上のような事を考えました。
ちなみに、僕の考えた事に全くエビデンスはなく、実際自分が経験した限りでも、その考えがあってるなあ、という実感もないです。
脳梗塞、脳出血ともに突然起こるものであり、患者さんご本人、ご家族ともに、「どうして?」という方がけっこうおられます。明らかな主幹動脈の狭窄例などを除くと、完全に脳卒中を予防する方法は難しいでしょうが、なるべく起こりにくくする方法、また危険因子などがわかっていくといいのですが、と思っています。
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年を経るごとに朝目覚めるのが早くなる。普段、私は23時30分ごろ就寝、6時ころ起床の生活を送っている。病院の泊まりの時はその限りではないが、以下の2つの論文を読むと、自分のためだけでなく家族のためにも、可能な限り1日7時間の睡眠をとるようにしたい。
日本人11万人の睡眠時間の研究で、7時間(6・5-7・4時間)の人が死亡率が最も低く、それより長くても、短くても死亡率が高くなることが約10年間 の追跡調査で分かった。睡眠時間が長い人でも短い人でも7時間の人に比べると死亡しやすく、その程度は、4時間未満(4.4時間まで)の睡眠時間では、男 性で1.62倍、女性で1.60倍、また10時間以上(9.5時間以上)の場合には男性で1.73倍、女性で1.92倍。
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/yobo/jacc/reports/tamakoshi_suimin/index.html
自治医大の11,325人のコホート研究でも、男性の4時間以下、女性の9時間以上の睡眠時間が死亡しやすい結果を認めている。脳血管、心臓疾患死をみてみると、上写真のように男性では7-9時間、女性では7-8時間の睡眠時間が一番死亡率が低い結果になっている。
Sleep Duration and Mortality in Japan: the Jichi Medical School Cohort Study
Yoko Amagai, Shizukiyo Ishikawa, Tadao Gotoh, Yuriko Doi, Kazunori Kayaba, Yosikazu Nakamura, Eiji Kajii
Journal of Epidemiology, Vol. 14 (2004) , No. 4 pp.124-128
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jea/14/4/124/_pdf
一日7時間の睡眠で長生きしましょう!
ななのつぶやき「犠牲」
http://blog.m3.com/nana/20071120/1
オフコース / 眠れぬ夜
http://www.youtube.com/watch?v=wuUXTwz6csQ&feature=related
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内頚動脈―海綿静脈洞ロウと言いますと眼科、耳鼻科からの紹介が多い疾患で高齢の女性に多い特徴があります。英語ではCarotid-cavernous fistulaでCCFと略されることが多く、CCFと言えば眼球突出、結膜充血、視力低下、耳鳴り、眼球運動の障害による複視、眼窩部痛、痴呆等の症状で発見されます。
通常は毛細血管を通して血液は静脈に戻ってきますが動脈から静脈、静脈洞へのシャントが出来ますと、眼球から或いは脳からの静脈還流が障害され鬱血状態になります。外傷後に出来たシャントの場合は症状が急速に進行し、脳血管内治療の対象となります。最近視力低下を来していない症例、脳表への静脈にドレナージされていないCCFの症例ではまず頚動脈の用手的圧迫をトライしてみる価値があります。
Treatment of cavernous sinus dural arteriovenous fistulae by external manual carotid compression. Kai Y, Hamada J, Morioka M, et al. Neurosurgery 60:253-258, 2007
熊本大学脳神経外科甲斐 豊先生のグループが今年2月にNeurosurgeryというアメリカの雑誌に発表されています。 さて、頚動脈を自分の手で圧迫すると言ってもどうやってやりますか?甲斐先生の論文にも最大で数分までとしか記載されていません。教科書によっては5分とか10分なんて書いていますが、10分も圧迫するって手が痺れてしまいます。
1. 両側にシャントがある症例ですと一側を1回につき1~2分、一日10回が目安です。最低3ヶ月は続けましょう。
2. 右の頚動脈を圧迫する時は反対側の左手で圧迫します。これは右側の頚動脈領域に脳血流が減少して脳虚血になると左上肢の麻痺で自然に左手の力が緩みます。
3. 仰臥位で頚部を正中位、右を圧迫する時は頭を左側へ向けて圧迫してもよいのです。爪跡がつかないように爪はちゃんと切っておきましょうw
4. 座位の場合、テーブルに右肘をついて右手で左頚動脈を圧迫して体を前方へ傾けて自分の体重で圧迫する。これですとテレビを見ながら気軽に出来ます。
5. 寝てやるか、座ってやるかは患者さんの好みもあり、いろいろと試してみるとよいでしょう。
6. 頚動脈の横を圧迫して完全に頚動脈を押さえきれていない、胸鎖乳突筋を圧迫していて頚動脈から外れた箇所を押さえているってことがあります。逆に内側に向かい過ぎて気道を圧迫していることもあります。外来で医師が確認する必要があります。
7. 甲斐先生の報告では23例中8例で完全消失が得られています。特に発症から治療開始までの期間が短い症例ほど効果があり、治療開始から4ヶ月以内に消失がみられています。
今日はここまでです。次回はなぜ効くのか?どうやって治療効果を判定するのか?治療が不十分な場合は?について書いてみます。
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北日本の上空に大陸から強い寒気が流れ込んだ影響で、冬型の気圧配置となり、北日本では大雪に、関東でも12月上旬並みの冷え込みとなった。
脳卒中死亡に関して日本では冬に多いとされている。久山町研究では、脳卒中発症のピークは2月であり、脳内出血と脳梗塞はそれぞれ3月、1月であり、クモ膜下出血は発症のピークが見られなかった。脳内出血の月別発症と気温との負の相関及び日較差との有意な正相関が見られ、脳梗塞では月別発症と気温との負の相関が認められるとのこと。
低温影響のメカニズムとして
1)血圧の変化:低温により血圧が上昇することで脳卒中の危険性が高 まることが推測されている。寒冷に曝露されると、末端部の血管が収縮し、血圧が高くなる。急激な寒冷刺激により血圧が上昇することは脳内出血の危険性を高 くする。室内の気温が4℃下がると、心血管疾患死亡のリスクが5%上がるという。
2)血液粘度の変化。低温で血液の粘度が高くなる。
3)血液の流速の変化。低温で血液の流速が遅くなる。
4)血清フィブリノゲンレベルの変化。低温で血清フィブリノゲンのレベルが高くなる。
2)−4)は脳梗塞発症のリスクを高くする。
5)低温で感染が起きやすい。感染が原因となって脳卒中が発症する危険性も高くなる。
が考えられている。
以下は、この時期の患者さんへの説明です。
「冬 には寒冷暴露に注意してください.寒冷が血圧を上げることは証明されており心血管病による死亡は冬季に増加し,暖房や防寒の不十分なものほど高くなるとい われています.入浴も温度の変化に注意して,入浴温度は38 -40℃,一日のうち体温が上昇し血圧が安定する夕方に,入浴時間は短めで半身浴がいいです.冷えた体でいきなり熱い湯に入らず,脱衣所,風呂場の保温に 注意してください.」
冬には気温の変化に注意して脳卒中予防だ!
小泉今日子 - 木枯らしに抱かれて
http://www.youtube.com/watch?v=nu9BO5WmY6Q
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ある日の外来受付終了後の12時過ぎに、80代の男性が食欲不振と認知症状を主訴に来院した。この日は午後から手術予定で、大学の医師による神経内科外来があったので、内心、「神経内科か精神科、あるいは内科にお願いしてもいいのでは」と思いながら行ってみると、CTには予想通りの萎縮した脳があったが、左頭頂部に開頭手術の跡があった。
同じく80代で、認知症状があり、かつ難聴の妻の耳元で、何度も大声で尋ねた。「この人、昔頭の手術してますね」老婆はしばらくうつろな目をしていたが、急にはっと思い出したように答えた。
「この人ね、50年前屋根から落ちて大怪我して、この病院に運ばれたんですよ。死ぬところだったんです。そしたらね、医大から教授先生がこられてね、手術してくださったんですよ。」(原文は当地の方言)娘さんは50代なので当時は5歳前後のはずで、尋ねてみても、「さあ、昔大怪我したことくらいしかわかりません」という。
50年前というと昭和32年前後、当然カルテなどの情報はない。他からの情報をあつめて推測すると、この患者は、当時30代で、屋根から落ちて頭部を受傷した。当院に搬送されたということだが、当時脳神経外科はなく、院長は外科で、当時の大学の外科教授(脳神経外科も診療されていたようである)と親しかったという。当時より院長は、当地での脳神経外科診療体制の確立を熱望しており、この外科教授にときどき来院していただいていたという。
どういう状況であったかを想像してみた。CTのない時代、まして高速道路もない。医大から当地までは約100km, 現在は高速道路があるが、車を飛ばしても一時間程度かかる。私が研究会などで大学にいて、代診の医師から急性硬膜外血腫の緊急手術で呼ばれたときもあるが、現代でも法定速度で車を運転すると一時間、(法定速度を若干超えて)飛ばしたとしても30-40分である。一般の国道だと、約2時間かかる。代診医師に家族への説明、手術申し込み、麻酔科医への全身麻酔依頼、術前検査、輸血申し込みなどを行っていただき、入室するころに到着できるかどうか、である。先に開頭を始めていてもらう場合もありうる。初診医が院長であったとしても、当時であれば臨床診断とレントゲン、腰椎穿刺程度であろう。(気脳写や血管撮影まではできなかったであろうと推測される)しかし、今retrospectiveにいろいろな要素をあわせて考えても、驚嘆に値することである。また開頭セットもないはずであるから、線鋸で開頭したのであろうし、その他の器具もどの程度揃っていたか不明である。また脳神経外科の手術などほとんど施行されていなかったのであるから、手術室のナースがこの術式に慣れていたとは到底思えない。常勤の麻酔科医もいなかったはずで、この院長が助手を行いつつ麻酔をかけたものと思われる。
もちろん、結果論として保存的加療が可能な範囲だった、とか、たまたま教授が近く(あるいは当院)にいた、とかいうことは想像できる。しかし、現在に照らし合わせても、種々の幸運と当時の医師たちの努力で、この患者を50年以上も生かすことができたのであろう。同様の症例にもう1例遭遇した。当院の勤務は2度目であるが、前回の勤務時には1例も見なかったし、当院に勤務した他の医師たちからもこういう症例に遭遇した話は聞かなかった。何か不思議な「縁」を感じた。
当院は何度か脳神経外科撤退が検討された。医師不足、大学の方針と当地域住民、医師会、当院各部署の脳神経外科への認識や脳卒中救急体制への見識の乖離もあったと思われるし、これは現在でも感じるときはある。意識障害を伴う他科の疾患で最初にconsultされるのは一人体制の当科で、精神科、神経内科の常勤医不在に伴い、それらの疾患もすべて当科にconsultされ、非常勤医師が来院するまで当科で対応せざるを得ないことも多い。放射線科医もいるのだが、院内でオーダーされたすべての頭部CT,MRIの読影は脳外科がやらなければならなくなった。このために真にわれわれが脳神経外科としての仕事をしなければならないとき、たとえばmajor surgeryの最中や、重症頭部外傷の処置中に、当直医師で対応可能な軽症疾患の診察を強要されたこともあった。またそれを「いままでそうだったから当然」と考えており、私の意見が通らない、ということもあった。(現在はやや改善されたが)
部長が相次いで辞職し、一人体制に縮小され、先に打診を受けた医師たちに拒否された後に、私が着任した。「救急車で隣の市の病院にすぐ転送すれば、ここにはなくてもいい」と考えられることも事実であるし、施設集約化も重要であろう。住民の中にも、最初から当院をスルーして大病院に行く傾向はあり、両隣の市にある総合病院や県庁所在地の脳神経外科単科病院、大学病院に行く人もいる。こういった状況で、犠牲にせざるを得ないものもあり、苦しみながらも、当院で脳神経外科を続けていくことを(現在)選んでいるのは、この症例に遭遇して当時の医師たちの努力にinspireされたことも理由の一つである。
HERO/Mr.Chilren
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NHKスペシャル 「脳こうそく驚異の回復・眠れる再生力を生かす新治療の挑戦」 11月5日(月) 22:00~22:50 NHK総合
NHKスペシャル◇脳梗塞(こうそく)や心筋梗塞など、さまざまな病気の治療を根本から変えると期待されている再生医療への取り組みを伝える。これまで人間は、足を失っても再生できるイモリのような能力は進化の過程で失ったものと考えられてきた。しかし今世紀に入り、人間にも秘められた再生力があることが分かってきた。ことし1月、札幌医大付属病院脳神経外科は、脳梗塞で傷ついた神経を患者自身の細胞で再生させるという日本初の治療法の臨床試験を開始。患者の骨髄にある幹細胞を取り出して培養し、脳の神経を再生させる試みを行った。臨床試験に挑んだ脳梗塞患者を8カ月にわたって取材。左半身に運動まひがあった患者が、目覚ましい回復を遂げている様子を伝える。また、同様の方法で心筋梗塞の再生治療に挑んだドイツの取り組みを追う。
私も見ました。投与5時間後のMRI(FLAIR)で脳梗塞巣縮小は正直、眉唾ものでした。しかし8例ともに症状の改善が早期にみられています。この臨床治験が論文になるまで注目します。
宝金教授が今後、癌化する可能性もあり2~3年は注意深く観察する必要があるとコメントされました。
心筋梗塞の場合はステントで再開通後に骨髄幹細胞を培養せずに直接カテから注入でしたが、これは脳には応用できないでしょうね。再灌流障害は心筋、脳でも問題になりますが特に脳の場合、出血すると症状が増悪しますし危険でしょう。
このテレビを見た脳梗塞患者からの問い合わせが札幌医大脳外科に殺到しそうです。まだ完全再生というよりはレギュラー選手に代わって補欠の細胞が出場してきて補充しているレベルと考えた方がいいでしょう。しかし、この研究には夢があります。
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