ベーチェット病を発症した小学生教諭が次第に視力を失っていく過程の苦悩とそこから立ち直っていくまでを描いた作品です。2004年映画化、ドラマ化(愛し君へ)されています。
東京から恋人が長崎まで追いかけて来るのですが、失明までに故郷長崎の風景を目に焼き付けたいという思いから毎日散歩して長崎の風景が描写されています。さだまさしだけあって描写が正確に書けていて懐かしい風景が目に浮かびます。
聖福寺という禅宗の寺で出会った林という老人が結夏、その対語となる解夏(げげ)について語りま
す。仏教の僧が夏に行う安居という修行が終わる時をいうそうです。失明までの不安、恐怖は失明した時点で喪失する、それが彼にとっての解夏となります。
失明の恐怖って考えたことはありませんでした。素人的には真っ暗、暗闇になるのかと考えていたら最後は乳白色になる、なるほど。ベーチェット病の発作、進行具合が医師としては興味がありますし、失明までの恋人とのやり取り、長崎の情景が目に浮かんで、内容は決して明るくないのですが夏のお勧め短編集です。
固定リンク
|
コメント (0)
|
トラックバック (0)