侍脳外科医
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Season2-4, Episode 9

40代?男性。(Mr.Mckee)16年前消防士として仕事中に落下物があたり負傷。その後から植物状態で経過。

 Nursing homeにいたときに体位交換の際ベッドから転落し、Seattle Grace Hospitalに転入院。右前頭部、側頭部に擦過傷あり。Meredithが傷処置を行おうとしたとき、突如開眼する。

“My PVS (persistent vegetative state) case, he opened his eyes. And I think he was looking at me.”

あわててBaileyに報告、Derekを呼ぶが、Thanksgivingのため早く帰ろうとして取り合わず。”Certain reflexes are preserved.”

しかし、Mckeeが追視するのをみて、CTを確認。軽度の脳萎縮のみ。

 

(このあたり、早く帰ろうとして呼ばれたときに限って、重篤であったり緊急手術などの大きな展開になることも多く、用事をcancelするのは残念ですが、帰らずに診察していてよかった、ここで相談してよかった、と思ったことはあります。)

 

 開眼したMr.Mckeeamphetamineを投与し、意識清明となる。

Mckeeは突如 “Is somebody there?”と発話し、Meredithと話ができるようになる。

 

 16年の間に妻は再婚し妊娠、長男も17歳になった。すでに再婚して別の家庭を築いているため、突如意識が戻った前夫に戸惑う。

“He’s going to wake up and find out we didn’t wait for him.”

Mr.Mckeeも、16年間眠っていた間の環境の変化に驚く。

 

 MRIで急性硬膜外血腫があることがわかる。Derekは手術の必要性を話す。手術を受けるべきかどうかMr.Mckeeは迷うが、家族がそれぞれの道を歩んでいるのを悟り、自分の意志で手術を受けることを決める。

 

“They’ve moved on, I should,too.”

 

 しかし、術中に心停止をきたし、死亡する。

 

 こういうdifficult situationに対しての登場人物の心の葛藤は、アメリカのドラマらしくないemotionalなところがあります。

 

本例の疑問点、突っ込みどころとして、

 

16年間植物状態の間、どのように栄養が与えられていたか

手術前の症状悪化が軽微にみえる(MRIでは右Sylvian fissure 後方からinsulaにかけて、T2-weighted imageで高信号域があるくらいで、急性硬膜外血腫のものではないように見える) そのため手術適応は?

術中死の原因不明

 

このあたりやや無理があります。

 参考文献Richer E, Tell L.Indications, efficacy and tolerance of drug therapy in view of improving recovery of consciousness following a traumatic brain injuryAnn Readapt Med Phys. 2003 May;46(4):177-83. 

遷延性意識障害に対しては、ヒルトニンを使ったことがあります。アンフェタミンについては、上記の文献がヒットしましたが、実際知りませんでした。

  

ほかにもこのepisodeの中には、Georgeが父親と兄弟と一緒にturkeyを狩りに行って兄が間違って父親の臀部を撃つ場面もありましたが、USMLE STEP2 CS再受験のため勉強していてThanksgivingpartyに来ないAlexをひたすら待つエプロン姿のIzzie,いいですね。個人的に。

 

Slipping away/ Keith Richards

http://jp.youtube.com/watch?v=KQXl5KCqWAk

 

ご存知Rolling StonesのギタリストKeith Richardsの名曲です。最近のコンサートでも歌われております。数あるKeithのソロの中でもイチオシだと思います。

このslip awayには、「静かに立ち去る」という意味もあるようです。3月は送別会シーズンで、送られる側になりますが、ほとんどを欠席としたところ、「何があったのか」と思われているようですが、単に私も静かに立ち去ろうと思っているからであります。歌詞のなかのAll I want is ecstacy But I aint getting much”というのは当院での経験から感ずるものもあり、地域医療、医師不足の問題と受け入れる病院側の態度について、いわば「喉元過ぎれば熱さを忘れる」というもので、招聘するときといざ着任してからの対応も異なり、人手不足を理由に内部は向上への努力をせず、本来力を入れるべき仕事以外の雑用が増えていく、という悪循環を実体験しました。医師招聘には、給与や労働条件以外に、地域住民のみならず、病院職員やコメディカルの「民度」の向上も大切であると実感しました。 

ともあれ、新しい車にRolling StonesCDをセットして、新たな脳神経外科のecstacyを求めて新任地に移ります。

           

 

 

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