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日本には死体に傷を付けたくないという考えの方が結構いらっしゃいますから、死亡診断書に原因不明と書かざるを得ない場合に死後の病理解剖をお願いしても断られることが多いです。脳神経外科医の立場から死因に疑問を持ち、病理解剖をお願いして渋るご遺族には「責めて頭だけでも解剖させてください。」と私はお願いします。何故かと言いますと、
1. 医師として死因を突き止めて今後の診療に役立てたい。
2. 死因をはっきりさせることはご遺族に病気への関心を生み、病気を早期発見出来るメリットが出てくる場合もある。
3. ご遺族が死後落ち着いてから死因に疑問が生じて医療機関を訴える場合、カルテ、証言、画像所見だけから裁判するよりも信憑性が高い。
等メリットがあります。
もちろん解剖したけど死因が分からなかったということもあるでしょうし、病理医も不足していますからどこの病院でも解剖に対応できるとは限らないと反論があるでしょう。夜間死亡の場合、霊安室でご遺体を冷蔵して翌朝解剖を開始することが多く、ご遺族の元へ遺体をお返しするのは一日遅れます。実際、解剖後は傷が見えないように覆いますから棺の外から傷が見えることはありません。
実は医療裁判の記事を読んでいくうちに時々「あれ、どうしてこの症例は剖検(解剖)しなかったのかな?」と疑問に思うことがあります。医療側が積極的に勧めなかった?遺族が拒否した?もちろん、死亡宣告直後は気が動転して解剖まで考えることが出来なかったという言い訳は十分成立しますが、これだけ医療裁判が多いご時世ですから一般の方も医師から病理解剖を勧められた場合は一考頂きたいと思います。
また我々医師も疑問に思う箇所が死亡時にあれば勇気を持って家族へ剖検の依頼をする気持ちを忘れてはいけません。医師不足で激務の医師には「解剖まで手が回らないよ~」と悲鳴が聞こえてきそうです。ここにも医師不足の暗い影が見え隠れします。
不審死は基本的に行政解剖に回りますが、昨年日本相撲協会を揺るがした時津風部屋の力士死亡事件で、もしも解剖が行われなかったら、、、闇に葬られたかもしれません。この事件から解剖で死因が変更されることがあること、社会の病巣を暴露することができることを再認識しました。
~時津風部屋、力士死亡事件の深き闇より
http://www.news.janjan.jp/living/0709/0709283103/1.php
不可解な死亡原因の変更
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コメント
コメント一覧
~黒幕さん、研修指定病院の名においても病理解剖は必要になりますし、ご指摘のように遺族、看護サイドが葬儀の準備を始める前に死亡宣告後直ちに剖検の話をしないといけません。タイミング、主治医と家族との関係、話のもって行き方に左右されますね。
~unchanさん、確かに所見の記載はしますし、当初のスケジュールを変更しないといけませんから面倒なんです。所見の記載、CPCは面倒でもきちっとすべきでしょうね。
頭だけの解剖は時間も短縮できますし、病理医の返事は単なる意味のない言い訳?に聞こえます。頭だけの解剖は脳外科ではよく行われていると思います。コメントありがとうございました。
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