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MRIの撮影条件の一つにT2スターというものがあります。今ではけっこう有名になり、脳ドックなどでも行われる施設もけっこうあると思います。
出血が起こると、血液中のヘモグロビンがいろいろな段階を経て最終的にヘモジデリンというものになり落ち着きます。このヘモジデリンですが、出血後(ここでは脳ということにします)wash outされていくのですが、ある程度は残ってしまいます。どのくらいの期間残っているかですが、僕が経験したかぎりでは、22年前の脳出血においてもT2スターでしっかりヘモジデリンが黒く映ってました。被殻出血だったのですが、出血巣を縁取るように変縁に残ってました。(実際の画像が見つからず提示できず、です)
ということで、ほぼ半永久的に過去の出血はT2スターで捉えられます。
テレビでよく、MRIで「隠れ脳梗塞」といったものが言われています。T2スターでは、「隠れ脳出血」といったものが発見出来ます。いわゆる無症候性微小出血です。これは、多い人は何十個もあります。もちろん無症状です。そして、この無症候性微小出血が多いと、将来脳卒中の危険が高くなるといわれています。数もそうですし、無症候性微小出血の場所も関係があるようです。
この、微小出血ですが微小血管の壊死などによって起こっていると思われます。
高血圧、糖尿病などが関与していることは当然であります。とくに、高血圧が一番の危険因子であると考えられます。ということで、T2スターで微小出血が多い方においては特に血圧の厳格なコントロールが必要であると思います。(脳梗塞、脳出血ともに起こりやすくなると考えられます)
これからは僕の個人的な考えなのですが、シロスタゾールという薬があります。いわゆる抗血小板剤の一つで、脳梗塞後の患者さんに今後の脳梗塞再発予防のために処方する薬の一つです。この薬は血小板凝集抑制作用に加え、血管内皮修復作用もあるといわれています。この修復作用により、今後微小出血を起こすような血管を修復し補強する作用があるのではないかと考えられています。矛盾するようですが、こうした微小出血なども予防するのではないだろうか、というのが個人的考えです。ラクナ梗塞で、T2スターにおいて微小出血が多い方には、シロスタゾールを投与し、厳格な血圧管理をする事で、今後の脳梗塞、そして脳出血の予防になるのでは、と思ってます。
医者になって2年目に働いた病院の部長が、T2スターを熱心に研究されている関係で、多くのT2スターの画像と患者さんを見て、上のような事を考えました。
ちなみに、僕の考えた事に全くエビデンスはなく、実際自分が経験した限りでも、その考えがあってるなあ、という実感もないです。
脳梗塞、脳出血ともに突然起こるものであり、患者さんご本人、ご家族ともに、「どうして?」という方がけっこうおられます。明らかな主幹動脈の狭窄例などを除くと、完全に脳卒中を予防する方法は難しいでしょうが、なるべく起こりにくくする方法、また危険因子などがわかっていくといいのですが、と思っています。
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