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39度の発熱と呼吸器症状で救急外来を受診した81歳の患者さん。バイト当直医は、レントゲン上、右上葉の大葉性肺炎を確認してカルテにスケッチ、SpO2 85%、抗生剤を投与してから「明日、内科外来受診してね!」
ある先生が某SNSに書かれた内容ですが、バイト当直医って上記のような無責任な対応をすることがあります。だって翌朝になったら自分の病院か自宅に帰りますからリスクを負いたくありませんよね。
成人における市中肺炎の治療が行われる場は,自宅,診療所,病院の外来,一般病院や総合病院における内科,呼吸器科,感染症科などの病棟,ICUなど,さまざまです。外来,入院,ICU治療の目安を示していますが,社会的適応も含め,最終的には診察医の判断による訳でバイト医と言えども上記の対応には問題ありです。本邦と欧米諸国との間の診療実態の違いも含まれますが下記のアメリカ感染症学会の目安を紹介します。
IDSA ガイドラインにおける入院,外来治療の基準
アメリカ感染症学会(IDSA)の市中肺炎ガイドラインでは,死亡率に相関する危険度を区分し,危険度毎に推奨される治療の場を決定するようなシステムがとられている.煩雑であるが,科学的なものであるとして使用を推奨する呼吸器専門医も多い.使用できる状況にあれば,使用されることが望ましいし,クリニカルパスを利用する場合には,使用しやすいであろう.危険度と死亡率に基づいた治療場所の決定は以下の表の如くである.
成人市中肺炎診療ガイドライン
外来治療,入院治療の判断表
肺炎患者における危険度と死亡率
推奨される危険度 患者数 死亡率(%) 治療場所
I 点数なし 3,034 0.1 外来
II 70以下 5,778 0.6 外来
III 71~90 6,790 2.8 入院(短期)
IV 91~130 13,104 8.2 入院
V 130以上 9,333 29.2 入院
危険度を算出するシステムは表の如くであり,19 の項目から点数を計算することになっている.本来PORT studyにおけるこの点数は,肺炎の危険度を知るためのものであり,危険度は次の表のように区分される.
成人市中肺炎診療ガイドライン11
表6-2 危険度算出システム特性
ポイント 背景 身体所見
年齢:男性(50歳こえた) 年齢数
精神状態の変化+20
女性( 〃 ) 年齢数-10
呼吸数30/分以上 +20
ナーシングホーム居住者 +10
収縮期血圧90mmHg未満 +20
体温35℃未満または40℃以上 +15
合併症
脈拍数125/分以上 +10
悪性腫瘍 +30
肝疾患 +20 検査値
うっ血性心不全 +10
pH 7.35未満 +30
脳血管障害 +10
BUN 10.7mmol/L以上 +20
腎疾患 +10
Na 130 mEq/L未満 +20
グルコース 13.9mmol/L以上 +10
Ht 30%未満 +10
PaO2 60Torr未満 +10 (SpO2 90%未満)
胸水の存在 +10
表6-3 スコアーの評価
危険度 軽度 1.点数なし
2.≦70点
3.71~90中等度
4.91~130重度
5.>130
さて、上記の81歳の患者さんは当然入院すべき患者さんですよね。こういう患者さんを帰してしまうバイト医の無責任さは今まで問題にされてきませんでした。しかし、バイト医の責任性も問われる時代です。医師が自分の襟を正す時代だと思います。全ての医師はバイト医を経験していると言っても過言ではありません。あなたがバイト医、バイト医から診られる患者だったどう思いますか?
日本では患者さんを外来、入院いずれでみるかを判断する能力を養う訓練が今まで若干疎かにされていた傾向があります。このdepositionを研修医、医学生の頃から徹底して教育する必要があると思います。またバイト医に頼らざるを得ない日本の医師不足の現状を打破しませんと、今回のようなとんでもバイト医を失くすことは出来ません。
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