・ この2,3年における柔道整復師の国家試験受験者数はうなぎ上りであります。来年度の受験者数は更に増えて、6000人台を軽く上回る勢いであります。
・ 合格率は73%前後でそれほどでもないのでありますが、整形外科関連のお医者にとっては、競合業種として脅威に思われるかも知れません。
・ これはこの業種が如何に人気が出てきたかという表れであります。何しろ月々の療養費支給申請書で3万円を超えるものがぞろぞろ出てくる施術所もありますので、笑いが止まらないのではないでしょうか。
・ 全国の審査会は殆ど形骸化して、査定されることも殆どありませんから、まれに査定でもされようものなら、社団お抱えの弁護士がお出ましになるという始末でありますので、施術者側以外の審査員は萎縮して問題があっても余り指摘していない現状ではないでしょうか。
・ 一時期整形外科学会において、これに関連する問題提起もあったようですが、結局のところうやむやになっています。
・ 行政のほうも、政治的な配慮が裏に見え隠れして、余り積極的な動きも無く見逃されているところがあります。
・ しかしながら問題の本質は、医業を行う我々医師が、この問題の根幹を捉えて発言していないところに更なる問題があるのであり、此処で総合的に解説してみたいと存じます。
・ そもそも柔道整復師の業務の範囲とは、あくまでも急性、亜急性の外傷性負傷であります。
・ ところが一部の柔道整復師養成校の教科書には、亜急性外傷の定義として、反復性の外傷としているものがあって、これを根拠に慢性反復性の外力に因る障害までを施術対象としているのが認められています。
・ しかも負傷病名として骨折、脱臼、捻挫、打撲、挫傷しか使用できないことを理由に、これら反復疲労性障害までを本来の負傷部位に加えて捻挫、挫傷などの負傷名で長期に濃厚施術し、必要悪と嘯いている輩が多いのではないでしょうか。
・ 傷病の診断は専ら医師の仕事であり、柔道整復師は医師ではありません。
・ その昔柔道整復師法が制定された当初は、骨折、脱臼は医師の(診断)同意の下に施術することになって現在に引き継がれております。
・ ところが療養費算定にあたり、その延長線上に捻挫、打撲、挫傷が施術対象になったのでありますが、此処で骨折、脱臼以外は医師の同意なしで施術可能との誤った解釈が発生したものと思われます。
・ 先に述べた如く、例え単純な打撲捻挫、挫傷といえども、これを患者に、医師以外の者が診断し告げることは医師法違反になり、柔道整復師の分を超えることになります。
・ 以上のことから判断すれば、如何なる外傷といえども、応急処置以外は、先ず以って医師に診察を仰ぐべきであります。これは療養費受領委任の取り扱いのなかで、施術の方針として明確に記載されているところであります。
・ 従って以下長くなるので細かいところは省略しますが、問題の根幹についてだけ今回は取り上げました。
・ この機会に全国の柔道整復師はもとより、一方の関係者である医師(整形外科以外のお医者も含めて)の適切な対応をお願いしたいと存じます。
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