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2008.07.17 18:33 |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  なな  | 推薦数 : 35

ななのつぶやき・2歳

福島県立大野病院事件が起きるまでは、私は眠っていました。

 

インターネットの使用目的は、電子メールと文献検索だけ。

テレビは見ないし、新聞はたまに読む程度、

医学関係も専門分野の勉強ばかりで、医療問題とか、法律や裁判とか、

全く無縁の世界でした。

地方の基幹病院から、産科閉鎖と共に撤退して来ましたが、

「こういうこともあるかな」くらいの認識でした。

当直がひと月15回を超えるようになっても、夜間に呼ばれる回数が増えても、

患者さんと向き合っていさえすれば幸せで、

仕事量が増えたことに、何の疑問も感じていませんでした。

辞めていく産婦人科医の仲間たちを見ても、

「今どきこんなきつい仕事、流行らないのよね~やっぱり」

くらいにしか思っていませんでした。

きっと10年後も同じように産婦人科医をやっていて、

少しずつ成長して、患者さんからもスタッフからも、もっと頼りにされるようになって、

年々幸せに産婦人科医療ができるようになるのだと、信じて疑っていませんでした。

 

平成18年2月18日、大野病院事件が起きました。

あまりに不合理な逮捕。

連日のように出される、医学系学会からの抗議声明。

100を超えた抗議声明に対抗するかのような、福島県警本部長賞授与。

 

たぎるような怒りに、私は目を醒ましました。

 

この異常な事件に接して、私がしたことは、インターネットでの検索でした。

調べてみると、情報の嵐です。

m3掲示板、医療系ブログ、HP、あちこちに峻烈な文章が掲げられています。

「私にも、何かできないだろうか」

そんな時、ふと「m3ブログ」をのぞいたら・・・

個性豊かなブログが、いくつも輝いていました。

東京日和、産科医療のこれから、がんばれあかがま、天国へのビザ、

さあ 立ち上がろう、マイアミの青い空、医者のホンネを綴りたい、やぶ医師のつぶやき・・・

惹きこまれるように読みました。

一気に、世界が広がります。

「私も書いてみよう。そしていつか、大野病院事件に対して峻烈な意見を書くんだ!」

そう思いながら、ひとまず患者さんたちのことを綴り出したら、綴り出したら、

止まらなくなってしまいました。

その間にも、「大野病院事件に対する峻烈な意見」は、

他の先生方がものすごいものをどんどんお書きになって、

言うことなんか、あっという間になくなって、そしてとうとう機会を逸しました(笑)。

 

一昨日、2歳を迎えた「ななのつぶやき」です。

当初の目的とは全然かけ離れてしまったものの、それなりの役割は存在するのかな、と

無理やり納得しています。

 

今日まで支えて下さった方々に、心からの感謝を込めて。

 

http://www.honey.ne.jp/~yosyan/fukushima/

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2007.09.09 01:16 |  診療  |  その他(医療関連)  |  なな  | 推薦数 : 14

医療費を払おうをしない人たち

産婦人科にかかる患者さんたちは、大部分は善良な女性です。 

しかし、ごくごく一部に、そうではない人がいます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

1 「でも、タダでしょ?」

 

その患者さんの問診表には、「検査希望、薬希望」と書いてありました。

しかしこれだけでは、何故外来にいらっしゃったのか、わかりません。

とにかく診察室にお呼びして、お話をお聞きすると、

「公的保護を受けているが、今月いっぱいで打ち切りになる。

今月中ならお金がかからないので、可能な限りの検査と、

出せるだけの薬を出してほしい」とのことです。

むむむ。

 

「何か症状がありますか」

「いえ・・・」

「どんな検査を、ご希望されますか」

「ええと、できるものを、全部」

「お薬は、どんなものをご希望ですか」

「出せるものを、なるべく多くお願いします」

 

こんな調子で、しばらくやり取りをしていましたが、

発展しないので

「保護の財源は、税金なんですよ。○○さん(その患者さん)はここでお金を払わないと言っても」

と言ってみましたが、

「でも、タダでしょ?」。

 

う~ん・・・

 

 

2 飛び込み分娩

 

救急隊からの連絡です。

病院から5分くらいのところで、女性が激しい腹痛を訴えており、

どうやら分娩が始まっているようだ、受けてもらえないか、とのことです。

受ける旨お返事をしたら、ほんとに5分くらいで到着し、

ちゃんと間に合って、分娩室でお産になりました。

母児共に無事です。

ほっと、安堵の息が漏れます。

 

しかし、直後から様子が変でした。

経産婦さんで、赤ちゃんには慣れているはずですが、

ほとんど赤ちゃんに触れようとしません。

産後薬はきちんとのむし、悪露交換も受けますが、

疲れた、と言っては授乳を休みがちだと

助産師たちが心配していました。

 

ある日、赤ちゃんを置いたまま、産婦さんが行方不明になってしまいました。

当然費用は払っていません。

その後、師長をはじめ病院職員が走り回って、

赤ちゃんだけは、産婦さんのもとに返りましたが。

 

あれから数年たっています。 

今頃、どうしているでしょうね・・・

 

 

3 ゴネ得?

 

もうすぐ赤ちゃんが産まれそう、という時に、

産婦さんのご主人が病院に到着しました。

ナースが状況を説明しに行った数分後、

その方向から男性の怒鳴り声が聞こえて来ます。

内容は聞き取れませんが、気になって耳を傾けていたら、

陣痛に苦しむ産婦さんご自身が、陣痛の合間に

「すみません、うちの主人、いつもああなんです・・・」。

 

その後もそのご主人は、しょっちゅう来ては怒鳴っていました。

看護師や助産師、清掃の人、食事を運んできた厨房の人までならまだしも、 

他の患者さんのお子さんが騒がしい、とか

同室のお見舞い客の態度が悪い、とか

ナースステーションにやって来ては、大声で文句を言っています。

スタッフたちは、クレームに慣れていないわけではありませんが、

周り中に響いてしまうので、困り果てていました。

また、横で申し訳なさそうに涙ぐんでいる産婦さんが、

お気の毒でなりません。

 

分娩費支払いの段階で、いよいよ勢いは増し、

結局たまりかねた師長が、未払いのまま帰しました。

戦いは病棟外に持ち越されたので、その後支払いがどうなったのかは、わかりません。

 

それにしてもあのご主人、私には文句を言うどころか、

目を合わせようともしなかったのですが、

怖かったのかしら・・・(苦笑)

 

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