なな
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/04 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 大野事件の終焉:無罪確定
    • トンちゃん (09.05 13:28)
    • さんば12号 (09.05 11:56)
    • 中間管理職 (09.05 09:13)
    • なな (09.05 08:20)
    • なな (09.05 08:16)
    • なな (09.05 08:13)
    • なな (09.05 08:12)
    • なな (09.05 08:09)
    • なな (09.05 08:04)
    • Lily (09.04 21:02)

新着トラックバック

2008.04.13 22:40 |  診療  |  なな  | 推薦数 : 59

2つの流産

数か月前、流産しました。

職場の産婦人科部長に相談しようと思ったのですが、

気を遣って頂くもの何だか申し訳ないし、とためらっている間に、自然に出ました。

あまりの痛さに、びっくり。

とても立っていられないし、あぶら汗がにじむし。

でも、お産の痛さはこんなものじゃないのでしょうね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

広美さん(仮名)は、妊娠14週の妊婦さんです。

非常に残念なことに、破水してしまい、ご入院されました。

この週数での破水は、ほぼ絶望的です。

当然のことですが、悲しみ、苦しみ、混乱し、気持ちが全くついて行きません。

まずは病院で安静にして、心と身体を落ち着けてもらうことにしました。

 

しかし、あまり待たずに出血が始まり、一緒に組織塊も出てくるようになります。

「悲しいし残念だけれど、こうなるともう、どうにもしてあげられないのですよ・・・」

そう話すと、広美さんは、わあっと泣き出しました。

泣いて泣いて泣いて、泣きじゃくっている間に、

今度は陣痛のような痛みが始まってしまいました。

痛みに泣いているのか、悲しみで泣いているのか、

もう、ぐしゃぐしゃに泣き崩れて、わかりません。

 

自分が流産した時の、あの痛みを思い出しました。

出たのは明け方に、一人で病院にいる時でした。

一人でその時を迎えた心細さと、痛みそのものが、たまらなく辛かった。

 

妹のような年齢の広美さんが、やはり一人でその時を迎えようとしている姿に、

いてもたってもいられません。

こんな時、自分だったら、どうしてほしいだろう。

「痛いね・・・」と言いながら、ただ背中をさするしか、ありませんでした。

 

体長15cmほどの、ちいさなちいさな赤ちゃんでした。

夕方の出来事でしたが、帰宅しようとしていた師長が更衣室から引き返して来ました。

師長は、果てしなくやさしい、助産師です。

赤ちゃんをきれいにして、ちいさな箱に入れて、ガーゼで綿帽子を作って、

サクランボくらいの大きさの頭に、かぶせてあげていました。

 

研修医が、見慣れないその光景を見て

「え、患者さんに見せるんですか?」と、驚きます。

「先生、”見せる”じゃないのよ、”会わせる”、ね」

私にそう言われて、はっとしていたようです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

広美さんに、充分なケアができたかどうか、わかりません。

研修医の先生も、どれだけのことを学んでくれたでしょう。

しかし、私自身が流産の痛みと苦しみを、身を持って体験し、

より患者さんの気持ちに寄り添うことができた、流産の「再体験」でした。

 

この世に生まれ出ることのなかった二つの生命に、そう思いを馳せています。

固定リンク | コメント (97) | トラックバック (2)