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平成18年2月18日、福島県立大野病院の産婦人科医、加藤先生が逮捕されて
もうすぐ2年経ちます。
平成16年12月、加藤先生は前置胎盤の妊婦さんの帝王切開を執刀されました。
手術中に、胎盤が子宮壁に強固に癒着していることが判明し、剥離の際に大量出血、
加藤先生と手術スタッフたちは、懸命の治療をしますが、
非常に悲しく残念なことに、産婦さんは亡くなりました。
まずは、亡くなった産婦さんに、心から哀悼の意を捧げます。
手術から1年2ヶ月の後、加藤先生は業務上過失致死等で、福島県警に逮捕されました。
手術から1年以上経っているのに「証拠隠滅の恐れあり」、
ご自宅では、臨月の奥様がお待ちになっているのに「逃亡の恐れあり」として、
在宅起訴ではない、逮捕でした。
逮捕には、100を超える医学系学会が、抗議声明を表明しました。
現在も裁判は続いており、証拠調べは終了、次回は論告求刑が予定されています。
裁判では、癒着胎盤の術前診断や、胎盤剥離にクーパーを使ったことの可否が争われていますが、
何だか違う気がするのです。
この他に、ずっと思っていることがあります。
① 加藤先生は、出血に対する処置は、最終的には完遂しています。
手術経過を見直してみましょう。
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14:50 児娩出、濃厚赤血球5単位輸血
16:30 濃厚赤血球10単位輸血し、子宮全摘開始
17:30 濃厚赤血球10単位輸血、子宮全摘終了
18:00頃 心室細動、蘇生開始
19:01 死亡確認
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出血を止められず、輸血も間に合わずに、血圧が低下して死亡しているのであれば、
過失の有無が問題になるのも、まだわかります。
しかし、胎盤剥離に固執せずに子宮摘出に切り替えることによって、止血を得ており、
その後、心室細動が起こって、亡くなっているのです。
加藤先生に、あれ以上何をし得たでしょうか。
② 医療が介入していなかったら、母児共に救命し得なかったケースであることが、
忘れられていないでしょうか。
麻酔下でも剥離できなかった、前置胎盤・癒着胎盤です。
しかし、医療が介入した結果、児だけは救命できました。
「母児共に救命できない」ことと、「母児共に救命できる」ことの間には、大きな溝があります。
医療が介入すれば、その大きな溝を一足飛びに埋めることができて当然、
できなければ犯罪行為なのでしょうか。
医学はまだまだ発展途上、不確実なものです。
発展を追求する途上で、追求者たちが犯罪者として裁かれるのであれば、
誰が医学を発展させて行けると言うのでしょうか。