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2007.12.23 04:15 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  なな  | 推薦数 : 28

飛び込み分娩を受けていた頃

以前は、飛び込み分娩も普通に受けていました。

 

 

最初に経験したのは医者になって2年目、救急指定病院に勤務していた時です。

その地方の基幹病院ですから、何でも受けるのが当然と思っていましたし、

何でも受けることを使命と考え、何でも受けられることに誇りを持っていました。

ですので、救急隊が「自宅分娩後、十代前半の女性と新生児」と連絡をしてきても、

小児科の先生も私も、何とも思いませんでした。

 

今、同じことをするとしたら、2年目の医者としては無謀です。

でも、当時の上級医師たちも病院管理職もみな、普通の搬送例として捉えていました。

 

 

最後に経験したのは約3年前、産科医療崩壊元年の一年前です。

当時勤務していた地方基幹病院が、分娩取り扱いを休止し、

医局派遣撤退が決定した後、撤退を実行するまでの間のことです。

産婦人科は「宅直」と言って、自宅待機しながら、

必要時は電話で指示を出したり、場合によっては病院に駆けつけるという体制を取っていました。

 

休日の夕方、病院から電話がかかってきました。

出ると、その日の内科系当直の血液内科の先生(50代のベテラン先生)からです。

「腹痛の女性が運ばれて来たんだけれど、妊娠しててガンイだからさ、なな先生、来てくれる?」

 

・・・ガンイ??

 

まずは、「顔位」を診断した血液内科の先生、すご過ぎます(笑)!

「顔位」とは、本来頭頂から出てくるはずの赤ちゃんが顔から出て来てしまう、異常分娩です。

帝王切開にするしかありません。

産婦人科医でも、研修医レベルでは診断すら困難なものです。

それを、内科の先生が「顔位」なんて・・・!!

 

結局、その日の外科系当直だった呼吸器外科の先生と帝王切開をし、ママも赤ちゃんも無事でした。

 

後日、血液内科の先生に

「先生、すごいですね。どうして顔位とご診断なさったのですか?」

とお聞きしても

「ははは」

としか答えて下さいませんでしたが。

その世代の先生方の、臨床力の計り知れなさを感じたエピソードでした。

 

 

 

時代は、変ってしまいました。

専門医不在を理由に受け入れを断ると、メディアにバッシングされます。

基幹病院が30分以内に帝王切開できないと、多額の賠償金を払わないとなりません。

若い医師の使命感も、ベテラン医師の臨床力も、封印せざるを得ない世の中になってしまいました。

 

何が、いけなかったのでしょう。

 

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