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2007.12.10 06:07 |  診療  |  生活 / くらし  |  なな  | 推薦数 : 33

タクシーの車内で語る、産科医療の現状

タクシーに乗った時、朗らかな運転手さんと、話が弾むことがあります。

時節柄、年末年始の勤務のお話になると、私の職業に話題が移ります。

 

「産婦人科の先生なんですか。最近は減っていて、大変なんでしょう? 

 この前もテレビでやってましたよ」

・・・う〜ん、随分一般に認知されるようになったのね、うふふ。

「でも、最近は赤ちゃんも減っているから、そうでもない?」

「いえ、お産は産婦人科医の仕事の、ごく一部なんですよ。他にも不妊治療や、生理不順、子宮筋腫、

 子宮や卵巣のがん、更年期障害の治療なんかも産婦人科医の仕事なんです」

「へえっ、そうなんだ。がんも産婦人科の先生が診るんですね〜」

・・・そうなんですそうなんです。

「でもさ、そんな一生懸命働いている先生もいるかと思えば、ほら、たらい回しとかあるし」

・・・出たっ!

「たらい回しって、本当は全然ちがうんですよ。本当に引き受けられなくって、泣く泣く断るんです」

「ええっ? そうなの」

「そうですよー、断る方だって、痛くて、辛くて、たまらないんです。

 でも、手術中に ”今から救急車で行きます” って言われても、

 来てもらって、手術終わるまで待っててもらったり、手術を途中で止めちゃったりするわけ、

 行きませんから。心の中で ”ごめんね〜”って言いながら、断るんです。

 で、手術が終わると、あの妊婦さんと赤ちゃん、どうなったかな、ってとっても気になるんですけれど、

 忙しいとわかっている救急隊に、電話して ”どうなりましたか?” って聞くわけにもいかないし」

「ふ〜ん・・・全然知らなかったよ。ほら、新聞にはすごく悪いことみたいに、書いてあるからね。

 何でもちゃんと聞いてみないと、わからないもんだね」

・・・少しは産科医療の現状を一般に伝える、助けになったかな。 

 

その運転手さんは定年退職後の方で、朝6時から夕方まで業務をした後、

90歳を越えるお母様の、介護をなさっているそうです。

現役の仕事を全うしながら尚、真摯に生きる年長者の姿に、感動。

 

降り際、運転手さんは私にしっかり身体を休めるように、と

私は運転手さんに、お母様を大切になさって下さい、と言い合って、別れました。

心温まる時間でした。

 

 

 

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