なな
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2007/12 >>
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 無罪判決です!
    • なな (08.22 08:28)
    • なな (08.22 08:26)
    • なな (08.22 08:26)
    • なな (08.22 08:25)
    • なな (08.22 08:24)
    • なな (08.22 08:23)
    • なな (08.22 08:22)
    • なな (08.22 08:21)
    • なな (08.22 08:19)
    • なな (08.22 08:19)

新着トラックバック

2007.12.01 17:01 |  診療  |  なな  | 推薦数 : 28

ある小さな生命

「この子に挿管した、小児科医がいけないんです」

 

10余年前、学生実習の時に小児科で担当した患児、ゆきちゃん(仮名)。

学齢になるかならないかの、小さな女の子でした。

ゆきちゃんは先天性の病気のために、手足の成長が遅れていました。

顔は年齢相応の大きさなのですが、知的発達遅延があり、

おしゃべりすることは、できません。

そして「致死性」、つまり生まれてもほとんど生きることのできないはずの、重い病気でした。

 

初めて会った時、ゆきちゃんはちいさなベッドに寝ていました。

小学生くらいの女の子の顔に、短い手足。

ちょうど、ちょっと大きめの赤ちゃんくらいの大きさです。

ひと目見て、「かわいい」と思った次の瞬間、

小児科の先生が言った言葉が、冒頭の言葉でした。

 

すぐには、意味が理解できませんでした。

しかしよくよくお話しを聞くと、こういうことです。

「胎児の時点で診断し、致死性とわかっていたら、救命すべきではなかった」

と。

 

ショックでした。

確かにゆきちゃんは、生まれてすぐに亡くなる例がほとんどの重い病気です。

「親御さんも全然会いに来ないし、一日生きると数十万円かかるのだ」

と、小児科の先生は言っていました。

 

でも、ゆきちゃんは、数年生きています。

アイスクリームを食べさせてあげると、嬉しそうに笑います。

それなのに、「救命すべきではなかった」と、

本当に言えるのでしょうか。

 

産婦人科医になって、胎児が致死性の病気と診断したことは、何度かあります。

ご両親と相談して、妊娠を中断したこともあります。

また、重篤な疾患の場合、積極的な救命措置をしない、という考え方も、理解します。

ゆきちゃんも、生まれた時に何の手も施さなかったら、亡くなっていたでしょう。

でも、「その方がよかった」と、本当に言えるのでしょうか。

 

未だに、わからずにいます。

固定リンク | コメント (86) | トラックバック (1)