| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | ||||
| 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
| 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 |
| 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
Profile写真の犬は、目の中に入れても痛くないほどかわいがっていた愛犬・りんです。
普通に育てたのに、なんだか不思議な子でした。
首に鈴をつけていますね。
あまりにおとなしくて、いるかいないか、わからないからです。
庭に放し飼いになっていたのですが、
「りん、りーん!」と呼んでも、なかなか来ないのです。
で、「いないのかな」と思って引き上げると、
私がいなくなった頃にやってきて、私を探すらしいので(笑)。
後ろ足が片方、先天的に萎縮していて、3本足で歩いていました。
そのため前足が非常に強く、犬のくせに木に登れるのです。
犬が木の枝に止まっている光景は、おとぎの国のワンシーンのようでした。
また、草の上に座って、空を見上げてため息をついていたことも(笑)。
それから、えさを使って躾けようとしても
「おあずけ!」などと言おうものなら
「あっそ」と向こうへ行ってしまうので、一切躾けができませんでした。
大学に入学すると同時に親元から離れ、りんとも離れたのですが、
幼少期に毎日彼女に頬ずりしていた私を、決して忘れることはありませんでした。
医師国家試験の直前のことです。
両親が旅行で、数日家をあけることになりました。
りんは以前ペットホテルに預けた時、寂しがって一晩鳴き通しで迷惑をかけたのだそうで、
うちでお留守番させざるを得ませんでした。
しかし、寂しがりやのりんがうちで一人でお留守番しているのかと思うと、
いてもたってもいられず、
国家試験の勉強はそっちのけにして、実家に帰ってしまいました。
実家から500メートルくらいのバス停に降り立ち、
数歩歩いたところで、犬の騒ぎ声に気づきました。
りんが鳴いています。
普段、いるかいないかわからないくらいおとなしい子なのに、
この時ばかりはきゃんきゃん鳴いて、犬のように尻尾を振っていました。
普段は「犬は外」の我が家ですが、この時はりんと私と2人きり。
うちにあげて、国家試験の勉強に励みました。
りんはその間、ずっと私の足元に丸まって寝ているのですが、
他の用事で席を立っても寝たままなのに、
「さ、そろそろ勉強やめようかな」と思って立つと
何を感じ取るのか、首をあげて、尻尾をヘタ、ヘタと振るのです。
今、こんなに大勢の方々に見られていると知ったら、
恥ずかしがって、私の腕に顔をうずめて丸まってしまうでしょう(笑)。
固定リンク | コメント (20) | トラックバック (0)
実はちょっと気になる存在だった、血液内科の大森先生(仮名)。
非常に頭脳明晰で、医療問題にも深い造詣を持つ、憧れの先生です。
もの静かな雰囲気で、やさしいのがまた、良いところ。
先の臍帯血バンク導入の時には、大森先生とお近づきになれるので、
ちょっと嬉しかったりしました。
その大森先生に、先日、「お話がある」と呼ばれました。
反射的に鏡を見て身なりを整え、先生のところに向かいます。
「いや、なな先生。僕は妻と子供に見捨てられたら、なな先生をお嫁さんに欲しいと思っていました」
思いがけない大森先生の言葉に、心悸亢進します。
「は、は、は、先生、何言ってんですか」
いつものキャラを装う私。
「だって先生、いつも拝読していますよ。あの、心を洗われるようなブログ」
(・・・え、え??)
「ほら、あの海に行った話とか、いいですよね~」
・・・。
ぎゃ、ぎゃ~~~~~っ!!
ばれたっ!!!
固定リンク | コメント (24) | トラックバック (0)
身近な医者を、2人亡くしています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一人は約10年前。
当時30代の、先輩医師です。
研究に、臨床に、非常に忙しくなさっていました。
たまにご連絡を下さる時は、決まって深夜2時3時のメールでした。
学生時代は体育会でご活躍された先生で、
人間?と思いたくなるようなタフさと、ひょうひょうとした笑顔を併せ持った
爽やかな先生でした。
大学病院勤務時代の夏、当時研修医だった私たちを集めて
ナイター見物に連れて行って下さったことがありました。
外野席で、ビールを飲みながらハンバーガーとポテトをほお張って
みんなでひゃあひゃあ言っていたら、
先輩だけ眠ってしまったのを、今でも覚えています。
その日も、病院で夜遅くまでお仕事をなさっていました。
術後の患者さんが落ち着くのを見届けた後、
0時過ぎから論文の添削を始めたところまでは、他の医師が見ていました。
翌朝、出勤してきた同僚医師が、医局で倒れている先生を見つけた時には
既にお亡くなりになっていたそうです。
葬儀には、婚約者の女性は出て来ることができなかったと、
後で聞きました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今度は、友人医師を亡くしました。
彼女も、30代です。
同じ職場の上級医師が、過労でその病院に入院中でした。
元々、一人が過労になるような労働環境ですから、
多くをお話しする必要はないでしょう。
一人が入院・休職しても、現在の医療事情では代替要員は派遣されませんので、
残ったドクターたちは、目も当てられない忙しさでした。
緊急opeのある科の医師で、毎日遅くまでopeをした上に、
夜中も容赦なく呼び出されていました。
「過労だけは気をつけようね。壊れる前に、逃げようね」
と、お互い言い合っていたのに・・・
その日、彼女は当直でした。
翌朝、交代で当直に来た若い先生が当直室に入ると
彼女は机にうつ伏せになった状態で、亡くなっていたそうです。
大きな悲鳴を聞いて、一番に駆けつけた人が
何と過労で入院中の、彼女の上級医師でした。
その先生は、自分が休職したからだと自分を激しく責め、
入院先も変えた上に、退職されてしまいました。
残った同じ科の先生たちも、全員がご自分を責め続けています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
二度と犠牲者を出したくありません。
どうしたらいいでしょう。
固定リンク | コメント (179) | トラックバック (36)
産婦人科医をしていて、最近疑問に思うことが、いくつかあります。
1 満員の外来で妊婦さんが立って待っている
外来の待合室には、椅子がいくつも置いてあるのですが、
混んでくると、椅子が足りなくなります。
最近、ご夫婦で妊婦健診にいらっしゃる妊婦さんが増えていますが、
一緒に来ているご主人が座っていて、他の妊婦さんが立って待っている光景を見かけます。
妊婦さんのご主人ですから、たいていは若い元気な男性です。
お腹の大きな女性がそばにたっているのですから、
自分の奥様だけでなく、他の妊婦さんも大事にしてあげてほしいものです。
2 赤ちゃんを連れて外出
生後1,2ヶ月と思われる赤ちゃんを連れた人を
デパートや駅、レストランなど、人ごみで見かけます。
最近は核家族がほとんどですし、ご近所付き合いも希薄で
赤ちゃんを誰か預けることなどほぼ不可能ですから
一緒に出かけざるを得ないのかも知れません。
でも、ちょっと無防備過ぎないかな、もう少し大きくなるまで待てないかな、と
何だか心配になってしまいます。
特にこれからの季節は、ウイルス感染が流行します。
新生児がかかると重症化しますので、生後間もない赤ちゃんを連れての外出は
充分慎重にあるべきと思うのですが。
3 流産が心配なはずなのに
流産をご経験されている妊婦さんは、稀ではありません。
一度辛い経験をしていると、次に妊娠した時には心配になって当然です。
本来は2週間に一度の診察でいい時期に
心配で1週間あけずに診察に来る妊婦さんもいらっしゃいます。
赤ちゃんを気遣ってナーバスになる気持ちはいじらしく、共感します。
しかし、何故か煙草のにおいがしたり、
ハードな仕事を続けて摂生していなかったりする妊婦さんがいます。
真の意味で、赤ちゃんを大事にしてほしいものです。
4 必要な医療行為を受けようとしない
妊娠中期の妊婦さんが、吐き気を主訴にご来院されました。
赤ちゃんの無事と、血圧や体温などを確認した後、
熱もあるし、脱水の軽減のために点滴を用意したのですが、
「点滴はしたくありません」。
水分が摂れないというのでお勧めしたのですが、
明確な理由なく、ただやりたくないと言うのです。
結局、数時間横になった後、お帰りになりました。
5 妊婦さんのお薬希望
妊娠しているのに、お薬をほしがる人がいます。
風邪薬だったり、痛み止めだったり、胃薬や吐き気止めだったり。
あるいは、サプリメントをあれこれと使いたがったり。
高熱が続かなければ、風邪自体は赤ちゃんには影響しないことや
お薬はなるべくのまない方がいい、とお話するのですが、
それでもお薬をのみたいという人が何人もいるのは、どうしてなのでしょうか。
最初の3つ目まではさておき、4,5のように感じるようになった自分は
もしかしたら、患者さんの感覚から離れてきているのではないか、と
ふと我が身を省みました。
固定リンク | コメント (52) | トラックバック (0)
私の所属する医局の教授は、非常に立派な方です。
大学医学部教授というと、イメージされる独特の姿があるかも知れません。
例えば数年前、作家・山崎豊子氏の名作「白い巨塔」がテレビドラマ化されていました。
その中で、教授・財前五郎の自宅には、
黒塗りの車が運転手つきでお迎えに来ていました。
当科の教授は、国産の大衆車をご自分で運転していらっしゃいます(笑)。
同じく「白い巨塔」では、例の大名行列さながらの教授回診の風景が描写されていました。
あのような回診をやっている大学病院は、今となっては少数派ですが
実はうちの大学、まだやっています。
週1回、教授を先頭に、医局員たちが行列について回って
粗相のないことだけに血道を上げながら、
患者さんのベッドサイドで、病状と治療状況を教授にプレゼンテーションします。
「白い巨塔」では、医局員が必死で、レントゲンフィルムを掲げて、専門用語でまくしたて、
教授はそれを鷹揚に聞きながら、返事をしたり指示を出したりします。
患者さんはそっちのけです。
しかし、我が尊敬する教授はちがいます。
医局員の必死のプレゼンテーションは同じですが、
教授は必ず患者さんの横に回って、患者さんの肩に手を置き、抱くようにしながら
医局員のプレゼンをお聞きになっています。
そしてプレゼンが終わると、必ず患者さんに
「治療は、おつらいですか。どうかお大事になさって下さい」
「もう少しで手術ですね。夜はお休みになれていますか」
などと、お声をおかけになります。
教授らしい、ちょっと天上人のような雰囲気のある先生ですが、
患者さんたちも、教授の回診は楽しみにしていらっしゃるようです。
言うまでもありませんが、非常に優秀な方です。
近年、いわゆる高齢妊娠の体外授精による双胎妊娠が増加しています。
高齢妊娠では、陣痛が長引き難産になるリスクが高いと言われています。
一方、双胎妊娠ではお腹が張りやすく、切迫早産になりやすいことが知られています。
この両者を合わせ、教授は
「では、高齢妊娠の場合は、双胎はむしろ難産のリスクを軽減させるファクターと考えられますか」
と、非常に斬新な視点から、研修医に向けた課題を下さったことがありました。
十数年前、研修医として胸ときめかせて医局に入った時、
教授が下さったお言葉集があります。
転勤と引越しを重ねた今でも、その一枚の紙は
自宅の壁に貼ってあります。
・ 医学はサイエンスでありアートであり、根底にはヒューマニズムが流れている
・ 一人の患者さんに出会ったら、その分成長できる医師であれ
・ 日々、小さなことを着実に継続する(=偉大な凡人)
・ 失敗より学べば、失敗は成功より意味がある
・ 知識なき経験は、経験なき知識に優る
教授を、心から尊敬しています。
幸せなことです。