なな
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2007/10 >>
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 番外編
    • みんみん (11.21 16:56)
    • Doctor Takechan (11.20 23:45)
    • なな (11.19 20:13)
    • なな (11.19 20:02)
    • ききょう (11.18 06:23)
    • 患者 (11.15 23:17)
    • なな (11.14 08:16)
    • なな (11.14 08:12)
    • ナナ (11.11 16:20)
    • ナナ (11.11 16:18)

新着トラックバック

2007.10.29 01:29 |  診療  |  なな  | 推薦数 : 25

母体搬送の実際

妊婦さんを搬送する際に、搬送先が見つかりにくいことが問題になっています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

http://mainichi.jp/select/science/news/20071026dde007040022000c.htm

 妊婦搬送:3回以上照会、667件 27回、3時間半も----消防庁06年調査 

 消防庁は26日、奈良県の妊婦が救急搬送中に死産した問題を受けて実施した妊婦救急搬送の実態調査結果を発表した。06年に全国の消防本部で出動した救急搬送3万4917件のうち、受け入れ病院が決まるまで3回以上の照会を必要としたのは667件で、このうち45件は10以上の医療機関に受け入れを断られていた。東京都では、かかりつけの医師がいない女性の搬送で、27回もの照会が行われ、通報から搬送まで3時間半を要したケースもあった。
 受け入れを3回以上断られた件数が全体に占める割合は、04年の0・9%から05年に1・3%、06年に1・9%と増加している。10以上の医療機関に受け入れを断られたのは北海道、茨城県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県、埼玉県、宮城県、千葉県で、首都圏など都市部で照会回数の多さが目立つ。
 一度も受け入れを断られずに病院に搬送したのは3万2249件だが、救急車が到着しながら、受け入れの照会のため現場で30分以上待機を強いられるケースも1012件に及んだ。受け入れを断られた理由は、機材やスタッフが整わないといった「処置困難」が26・6%、「手術・患者対応中」(17・2%)、「専門外」(11・7%)など。【与那嶺松一
郎】

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「母体搬送」という制度があります。

例えば、妊娠30週くらいで破水してしまった妊婦さんや、妊娠高血圧症候群が悪化して、

その病院では管理しきれないような場合、

より高次の医療機関に、妊婦さんを救急車で搬送する制度のことです。

病院から病院へ、多くの場合は産婦人科医が同乗して、救急車で移動します。

 

この母体搬送の必要性が生じた場合に、産婦人科医が取る行動を紹介します。

東京都には、母体搬送の受け入れ可否を掲示したネットワークがありますが、

リアルタイムの情報を反映していない場合がありますので、

電話をかける方が、確実です。 

 

まず、何件も電話をかけなければ搬送先が見つからない場合がほとんどですから、

外来や病棟など、予定していた業務を全てストップします。

そして外線電話の前に、メモ用紙と、搬送先の電話番号一覧を持って、座り込みます。

依頼先の病院に電話をかけても、まずはあちこちの部署に転送されますから、

待っている時間が長くなりますので、その間に、妊婦さんのそれまでの経過を記した紹介状を書きます。

電話をかけ、あちらの担当の産婦人科医に母体搬送の依頼である旨と、妊婦さんの状況を説明すると、

上級医師や、小児科・NICU、場合によってはope室に搬送依頼を受けていいかどうか、

確認する必要がありますので、

時間がかかりそうな場合は、一旦電話を切ります。

切ってから、折り返しの電話をもらえる時間が、またかなり長くなり、

15分くらいは、当たり前です。

その間に、他の病院を当るわけにはいきませんので、ひたすら待ちます。

そして、ようやくかかってきた折り返しの電話でも、

冒頭の新聞記事にあるが如く、

他の患者さんにかかり切りで人手がなかったり、手術に入っている最中だったり、

あるいは満床だったりで、受け入れられないと言われることが、よくあります。

受け入れ不能の返事をもらうと、最初に用意したメモ紙に問い合わせた病院名を書き連ねて行きます。 

 

このようにして断られ続けるのが普通です。

1件目で見つかることなど、まずありません。

3件目で見つかったら「ラッキー!」という感覚です。

仮に3件目で見つかったとしても、搬送先を探し始めてから、軽く30分以上経過しています。

タイミングが悪いと、10件目くらいでようやく見つかることもあります。

そうすると、どう見ても1時間は探し回っている計算です。

 

 以上が、産婦人科医から産婦人科医へ、搬送を依頼した場合の概要です。

婦さんのそれまでの経過を正確に把握して、専門家同士で端的に説明しても、

それでも、このくらいの件数と時間がかかるのが普通です。

 

固定リンク | コメント (21) | トラックバック (3)